授業中に別のことを考えてしまうのはなぜ? “心のお散歩”の正体を京大教授が解説

「授業を聞かなきゃ」と思っているのに、気づくと別のことを考えてしまう……実はそれ、心理学では「マインドワンダリング」と呼ばれる自然な心の働きなのだそうです。一見困ったこの現象が持つ役割とは?
小学生の素朴な疑問に、京大の先生が発達心理学の見地から答える『ふしぎなこころの世界』より、授業中につい別のことを考えてしまう現象のメカニズムを紹介します。
※本稿は、森口佑介 (著)『ふしぎなこころの世界』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
Q.授業中、気づくとほかのことを考えています……。なぜ?
A.心が「お散歩モード」になっているから。
授業中なのに、気づくと全然ちがうことを考えていることって、よくあるよね。
実は、ぼくも、子どものころ、よく先生に「ぼーっとするな!」とおこられてた。
こういう心の働きについて考えてみよう。
心がお散歩する!

実は、これは心理学で「マインドワンダリング」という名前がついているくらい、だれにでもある自然な心の動きなんだ。
マインドは心、ワンダリングはさまようという意味で、心が教室からぬけだして、散歩に行ってしまう感じだ。
授業中に「よし、先生の話を聞こう!」と思っていても、気づくと「給食は何かな?」「放課後、何して遊ぼう?」などと考えていることがあるよね。
これがマインドワンダリングなんだ。
どうして、心は散歩に出かけてしまうの?
なんで心は散歩に出てしまうんだろう?
実は、脳の働きの中に「外モード」と「内モード」があるんだ。
「外モード」は、先生の話を聞いたり、問題をといたりするように、頭の外の世界に対応するものだ。
「内モード」は、自分のことを考えたり、他人の気持ちを考えたり、未来のことを考えたりするためのものだ。
どちらもとても大事なものだよね。
授業中は、先生の話を聞いているから、ふつうは「外モード」。
でも、たいくつと感じたとき、たとえば授業がむずかしすぎたり、かんたんすぎたりすると、「内モード」に切りかわってしまう。
特に、楽しみなことや心配なことがあるとき、たとえばあしたの遠足や、友だちとのケンカなど、気になることがあると、どうしてもそっちに心が向いてしまうよね。
心の散歩も大事!

心の散歩には、大事な役割がある。おふろに入っているときや、ぼーっとしているときに、急に「あっ、そうだ!」といいアイデアがうかんだことはないかな。
それは心の散歩のおかげなんだ。そんなとき、新しい発想が生まれることがある。
だから、心の散歩と上手につきあおう。授業中に心の散歩をしていると、先生におこられてしまうからね。まず、気づくことが大切だ。
「あれ? 今、別のこと考えてた」と気づいたら、授業に意識をもどそう。今やるべきことに、短い時間だけ集中するのも大事だよ。「この問題が終わるまでは集中しよう!」など、短い時間だけ集中する目標を立ててみよう。
心配しすぎなくてだいじょうぶ
授業中に別のことを考えてしまうのは、脳の自然な働きの一つ。
大切なのは、気づいたときに「よし、もどろう!」と思えることなんだ。
心の散歩は、ときにはすてきなアイデアをくれる友だちみたいなもの。
「あ、また心が散歩に出かけてた!さあ、教室にもどろう!」と気楽に考えてね。
森口佑介 (著)『ふしぎなこころの世界』(Gakken)
小学生100人に聞いた 心の「なぜ?」に 京大の先生がこたえる本!!
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小学生100人へのアンケートで集めたリアルな「心のなぜ?」に、京都大学大学院・森口佑介先生が発達心理学の見地からこたえます。
ふしぎとついやってしまう、わかっているのにやめられない…そんな心のクセを知って、自分の心や気持ちとうまくつきあうためのヒントが満載の一冊です。
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第一線で活躍する研究者がおくる、知的好奇心を育てる新しい児童書です。






























