子どもの「見て!」にどう答える?ほめ続けるのがしんどい親が見落としていること

「見て!」「できた!」と何度もアピールする子ども。最初は笑顔で応えられても、終わりの見えない「見て見て攻撃」に、「毎回ほめるのは正直しんどい……」と感じたことはありませんか?
実は、その負担は「ほめなくてはいけない」と思い込んでいることが原因かもしれません。本稿では、子どもの「見てほしい」という承認欲求にはレベルがあるという考え方と、その見極め方について、小学校教諭・沼田晶弘先生の著書から抜粋してご紹介します。
※本稿は沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)より一部抜粋、編集したものです。
「ほめる」段階をまちがえない
「ほめる」を安売りするとだんだんツラくなる!? 子どもの要求を正しくキャッチして。

「ほめる」は5つのレベルの一つ
子どもが、自分の描いた絵を「見て見てー」と持ってきたとします。あなたなら何と言うでしょうか?そんなとき、なんとなく反射的に「すごいね」と言っていませんか?
人はみんな「見て見て欲」を持っています。もう少し難しい言葉で言うと「承認欲求」です。最近よく耳にする言葉かもしれません。
これは、自分のことをもっと見てほしい、認めてほしいという欲求で、子どもではなおのこと強いでしょう。この「見て見て欲」にはじつは5つのレベルがあり、親の対応もそれに応じて5つにするのがよいと考えられます。5つのレベルとは、
①見る → ②気づく → ③認める → ④ほめる → ⑤喜ぶ
そして、ボクはこれを「承認5・0」と呼んでいます。いわゆる「ほめる」のはレベル4以降で、レベル3まではよいとか悪いとかの評価をしていません。つまり初期のレベルでは、ほめなくてもよいということです。子どもが抱えている欲求がどのレベルのものなのか意識してみてください。
承認5・0の中身とは?

レベル1の「見る」は、そのままのとおり「見る」という意味です。「見てー」と言われたら、まずはじっくりと見てあげればよいのです。
レベル2の「気づく」は、「見て」と言われる前に見るということです。つまり、普段から気にかけておくということですね。
レベル3の「認める」は、その子の変化や成長に気づき、ありのままの事実を受け入れること。ここまでのレベルでは基本的に、気にかけて受け入れればそれでよいのです。
レベル4が「ほめる」。3つの段階を経て、ここで初めて「ほめる」が登場します。これは「すごいね」「上手だね」など、言葉どおり「ほめる」という意味です。ただし、自然と出る言葉なので、意識してほめる必要はありません。
そしてレベル5が「喜ぶ」です。「すごいね」とほめるのではなく、そこまでできるようになったその子の成長を、「やったー!」と親自身が自分のことのように喜ぶことです。
大人でも、仕事のやりがいなどを聞かれたときに「誰かの喜ぶ顔が見られるから」と答える方は多いのではないでしょうか。自分の行動で親が自然と喜んでいる姿を見たら、子どもだってきっと、単に「すごいね」と言われるよりずっとうれしいはずです。
「すごいね」を使いすぎているかもしれない
さて、最初に例に挙げたように、子どもが「見てー」とレベル1の要求をしてきたときに、「すごいね」とレベル4の反応を返したとしたら、それはやりすぎということになります。
これは、「千円ちょうだい」と言われているのに4千円あげているようなものです。これに慣れた子どもは、今度は「4千円ちょうだい」と言うようになるでしょう。すると、親は1万円くらい返さないといけなくなってくる。こうなると、どんどんしんどくなってきます。
もし今あなたが、ほめるのがしんどいな、と感じているとしたら、こうしたギャップが子どもとの間にできているからかもしれません。
「とにかくほめなくちゃ!」と思っていると、何でもかんでも「すごいね」と言ってしまいがちです。しかし言い過ぎると「すごい」の価値が薄れてしまいます。
もし、そんな傾向があるようなら、「すごいね」ではなく、すごいと思う部分を具体的に伝えてみてください。レベル3までは、評価をする段階にないのです。ここでは、「評価」でなく「会話」をするということを意識するとよいでしょう。
たとえば、子どもが描いた絵を持ってきたら、「すごいね」ではなく、「どうしてこれを描いたの?」「お花がきれいだったから」というように、絵をもとに会話を広げるイメージです。
子どもの絵を見ても、しょっちゅう見ていれば短期間でそんなに変わるものではないでしょうし、正直なところ特に感動を覚えない、ということもあるでしょう。そんなときこそ会話をするのです。「すごいね」という言葉は「とにかくほめなくちゃ」という意識から出ていることももちろんありますが、見方を変えると、会話を打ち切りたくて言っているという側面もあるかもしれません。子どものやっていることにもっと興味を持てば、きっと自然と何かしらの言葉が出てくるはずです。
また、親だからといって必ずしも子どもよりえらいわけではありません。このため「評価する言葉」を使いすぎるのも避けたいところです。
日本では年長者を重んじ、若い人を軽んじる傾向もまだまだ根強くありますが、これは長老制からの脱却ができていない証拠であるとも考えられます。
子どもだからといって親が「うまくできている」「あまりよくない」などの評価を下す必要はありません。一人の人間としてリスペクトを持って接してみてください。

沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)
最近の子育ては「ほめて伸ばす」のが当たり前。子どもの自己肯定感を損ねないように、傷つけないように失敗させないように、すごいね上手だねを連呼する。
でも、本当にこれでいいのかな……。
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●ゴールやペナルティを勝手に変えない
●「だけ」の使い方をマスターする
●子どもは他人だと思え
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