本の読み方は「スポーツ好き」と「おしゃべり好き」で違う? ”脳番地”でわかる子どもの読み方8タイプ

加藤俊徳
2026.04.03 16:03 2026.04.17 11:50

本を読む子供

子ども一人ひとり、得意なことや興味の向き方はさまざま。
本を読むときも、実はそれぞれの脳の得意分野を活かして情報を処理しています。

子どもの「読む力」を伸ばすために大切なのは、まずお子さんの脳の特性を知ること。
本記事では、8つの脳の個性について、医学博士の加藤俊徳先生の著書よりご紹介します。

※本稿は、加藤俊徳 (著)『難読症を克服した脳科学者が教える 子どもの読解力が伸びる 本の読み方』(大和書房)より一部抜粋、編集したものです。

本を読むとき、脳は“こう“働いている

私たちが本を読むとき、脳の中で何が起きているのかを理解するために、ここで脳のしくみについてお伝えしましょう。

脳には1000億個を超える神経細胞がありますが、いろいろな働きをする細胞がバラバラに存在しているわけではありません。
同じような働きをする細胞同士が近くに集まって、さまざまなグループを構成しているのです。
そして、そのグループは、担当する機能や働きによって、大きく8つのエリアに分かれています。
私は、脳全体を地図に見立て、その働きによって分けられたエリアのことを「脳番地」と呼ぶことで、皆さんに脳の機能をわかりやすく説明しています。

『難読症を克服した脳科学者が教える 子どもの読解力が伸びる 本の読み方』より

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それぞれの脳番地の詳しい働きは次の通りです。

1. 聴覚系脳番地……音を聞き取ったり、聞き分けたりするときに働く。本を読むと頭の中で響く音(内言語)を聞くときにも使う。

2. 視覚系脳番地……目で見た情報を取り入れるときに働く。左脳は文字の情報、右脳は絵や写真などの情報を処理する。

3. 運動系脳番地……手足など体を動かすときに働く。本の内容をシミュレーションするとき、口を動かして言葉をアウトプットするときなどにも使う。

4. 伝達系脳番地……言葉やジェスチャーで、コミュニケーションをとるときに働く。文章を言い換えたり、他言語にしたりするときにも働く。

5. 記憶系脳番地……入ってきた情報を脳に蓄えるときに働く。左脳は主に言語記憶を、右脳は主に映像記憶を担当している。記憶を司る「海馬」を含む。

6. 理解系脳番地……脳に入ってきた情報を比較したり、整理したりして、複合的に理解するときに働く。

7. 思考系脳番地……入ってきた情報について、深く考えたり、選んだり、判断したりするときに働く。頭の前方(前頭葉)に位置する。

8. 感情系脳番地……他人の感情を理解したり、自分の感情を生み出したりするときに働く。感情を司る「扁桃体」や皮膚の感覚情報を収集する感覚野を含む。

この8つの脳番地の発達バランスには人それぞれ特徴があり、これまでの生活習慣や経験によって、一人ひとり状態が違っています。
特に、成長している脳番地(=得意な脳番地)は出番が多く、いつでも子どもの行動をサポートしています。
視覚系が発達していて観察力がある、聴覚系が成長していて聞くことが得意、運動系の伸びがよくてスポーツが好き、伝達系が発達していておしゃべりが上手、など、脳の特性は普段の行動やふるまいに現れるのです。

そしてそれは、「読書」の場合も同様です。
本を読むときも、脳は自分の特性を活かし、情報を処理していることがわかっています。
私のように視覚系脳番地の力で読む人、聴覚系脳番地を活かす人、運動系脳番地を働かせる人……。同じコンテンツ(本)を読んでいる場合であっても、皆それぞれ違う脳の使い方をして読んでいます。
つまり、各人の「読書スタイル」とは、ある意味その人の「脳の働き方」なのです。

ですから、今「本に興味がない」「うまく読めない」という場合は、その子の脳の特性に合った読み方や、心こころ惹かれるジャンルにまだ出会えていないだけという可能性があります。
本と脳を結びつけるためには、その子の脳が働きやすい本が必要であり、その子に合った脳の使い方によって本が読めるようになるのです。

加藤俊徳

加藤俊徳

新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。 株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。

難読症を克服した脳科学者が教える 子どもの読解力が伸びる 本の読み方

加藤俊徳 (著)『難読症を克服した脳科学者が教える 子どもの読解力が伸びる 本の読み方』(大和書房)

10歳までに「学力の土台」をつくる!
一生モノの読解メソッド

お子さんに、こんな特徴はありませんか?
● 音読をすると、つっかえたり、読み飛ばしたり、間違える
● 計算問題はできるのに、文章問題になると意味がわからなくなる
● 問題文が長くなると、読むのをあきらめてしまう

活字が苦手。たったそれだけで、国語だけでなく、算数や理科、社会などすべての教科において、他の子と差がついてしまう。
さらに、テストの問題文を読んでも「何を問われているか」が理解できず、問題が解けない……。
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