「本番で実力が出せない」は才能!メンタルコーチが教える、緊張を最強の味方にするルーティン

津村柾広
2026.04.30 13:45 2026.05.08 11:50

野球をするバッターの小学生・中学生
試合や大会の本番になると、緊張で体が思うように動かなくなったり、いつもの力が出せなくなったりする子どもは少なくありません。「緊張しない方法が知りたい」と思う人は多いことでしょう。

どうすれば緊張をパワーに変えて、最高のパフォーマンスができるようになるのか? 緊張を前向きな力に変える考え方と試合前にできる簡単なルーティンを、弘前学院聖愛高校野球部を甲子園に導いたメンタルコーチの津村柾広さんが紹介します。

※本稿は、津村柾広著『10代のメンタルを強くする50のルーティン』(秀和システム)から一部抜粋・編集したものです。

解決のヒント:「緊張しない」より「緊張を楽しむ」方がいい

バッターボックスでバットを振る小学生の男の子

「緊張してはいけない」と思えば思うほど、緊張が高まりませんか?

まずは緊張している自分を否定することをやめてみましょう。緊張している自分を否定することは、自己効力感を低下させます(自己効力感とは「自分にはできる」と自分を信じる気持ちです)。

そもそも緊張は、人間が持つ脳の自然な反応。私たちは誰でも重要な場面に直面すると、「絶対に失敗できない」というプレッシャーを感じるものです。普段、一生懸命に努力している人ほど、そうでしょう。

でも、それは悪いことばかりではありません。

プレッシャーを感じると、アドレナリンが出てドキドキしてきます。ドキドキは「これから本番だぞ!」という脳からのサインです。脳からのサインが出ると、私たちの心と身体は戦闘モードに変わります。

つまり、緊張は「これから始まる戦い」のスイッチです。そして、アドレナリンには集中力やパワーを引き出す効果があります。適度な緊張感は、あなたのパフォーマンスを向上させるものです。

だから、「緊張ウエルカム!」と、緊張感を受け入れてみましょう。よく「緊張を楽しむ」という言葉を使いますが、緊張しない方法を考えるよりも、緊張と仲良くした方がプラスです。

「武者ぶるい」という言葉があります。昔のサムライたちは、戦いを前にすると気持ちがたかぶって震え出したそうです。緊張が高まったとき、あなたにも武者ぶるいが起きるかもしれません。そんなときは「きたぁ~!」と叫んでみましょう。緊張はあなたを戦士に変えてくれます。

緊張を受け入れてください。
緊張を楽しんでください。

緊張はあなたを強くするスイッチです。あなたは、最高の舞台に立って最高のパフォーマンスを発揮できるはずです。

ひとりでルーティン:「笑顔のスイッチ」を入れよう

試合前、トイレの鏡に向かってニコ~っと最高の笑顔を作ってみましょう。どうしても笑えないときは、変顔を作って無理やり自分を笑わせてください。

笑顔には心の状態をポジティブに変える効果があります。その効果は、自然な笑顔でも意図的な笑顔でも変わりません。笑顔になるだけで、ストレスホルモンの分泌が抑えられ心が落ち着きます。

テニスプレーヤーの大坂なおみ選手は、全豪オープンの決勝戦で、ピンチの展開でタイムを取りトイレに向かいました。

そこで彼女は鏡に向かい、笑顔を作り自分自身に向かってポジティブな言葉をかけたそうです。その後、ピンチを切り抜けて形勢逆転し、全豪オープンで優勝しました。

苦しいときこそ笑顔が効果的。いつでもできる、おすすめルーティンですよ。

みんなでルーティン:「全力&超高速あっち向いてホイ」をやってみよう

試合前に全選手で「全力&超高速あっち向いてホイ」をやってみましょう。

ペアになり「よろしく!」と笑顔で挨拶したらスタート。およそ20~30秒、勝っても負けても構わず、全力であっち向いてホイをします。終わったら「ありがとう」を伝え握手することを忘れずに。

2回目は対戦相手を替えて、あっち向いてホイのスピードを2倍速にします。全力の2倍です。テンションも2倍に上げます。さらに、3回目はスピード5倍速です。3回やるとリミッターが外れます。

3回セットで60~90秒のルーティンです。全力&超高速だから、たくさん失敗します。全力で失敗すると、なぜか爆笑してしまいますよね。

あっち向いてホイをやる前は緊張でガチガチだった心の状態が、やり終わった後は笑顔になり、緊張を楽しめる心の状態に切り替わります。

このルーティンは聖愛高校野球部をはじめ、私が関わったスポーツチームでは必ずトライしています。ポイントは全力を出し切ることです。

津村柾広

2011年 東日本大震災をきっかけにプロコーチ養成スクールで学び、翌年プロコーチとして本格的な活動を開始。2013年 メンタルコーチとして指導した弘前学院聖愛高校が甲子園出場を果たす。

津村柾広著『10代のメンタルを強くする50のルーティン』(秀和システム新社)

10代の9割が抱える「心の弱さ」を力に変える方法とは? 

本書の著者である津村柾広は2012年から弘前学院聖愛高校野球部のメンタルコーチを務めており、2013年夏、同野球部は初めて甲子園へ出場します。

「緊張しすぎて本番になると力を発揮できません。緊張しない方法を教えてください」
「よく集中力がないと言われます。どうしたら集中力がつきますか?」
「やりたいことが見つかりません。どうしたら見つかりますか?」
など、甲子園へ導いたコーチが教える 、悩みをお守に変える50の簡単ルーティン!