「難関小学校に合格する子の親」と「子どもを追いこむだけの親」の違いとは?

ピグマリオン恵美子,一般社団法人Raise

小さい頃から習い事をさせる家庭が増えています。しかし、『IQ200グローバルキッズが育つ魔法 3~8歳 一日10分楽しく遊んで一生が変わる』(三笠書房)の著者、ピグマリオン恵美子さんは賢い子に育てることは「家庭でも十分にできます」と断言します。難関小学校に通うトップ2%の家庭がしていることにそのヒントがあるそうです。(聞き手・文/一般社団法人Raise)

日本のトップレベルの子を育てる親がしていること

賢い子に育ってほしいと願う親御さん達は多いのですが、実は98%の親御さんは残念な努力をしています。多くの親御さんが陥るのが、頭のいい子になることを期待して、流行のドリルや優れた幼児教室がないかと探し、そこに頼んでいくことです。

まずは子どもを変えようとして、解決策を家の外へと求めていきます。ところが、その結果は親も子も習い事の時間に追われることになってしまいます。目先のテストの点数は少々上がるかもしれませんが、親子の豊かな時間は減ってしまいます。

習い事に通わせて、ドリルをやるのは子ども本人を変えようとする努力ですが、難関と呼ばれる小学校に子どもを合格させた親御さんを見ていると、子どもではなく親御さん自身が変わる努力をし、日常を学びに変えて親子で楽しく知識や能力を育んでいました。

難関小学校受験では、知識や学力だけでなく、思考力・表現力・集中力といった総合的な力が求められます。論理的に考える力や基礎学力が重視され、行動観察では協調性や社会性、指示を聞く力などが見られます。面接や親子面接では、家庭の教育方針や子どもの個性、落ち着きや礼儀なども評価対象となります。

私も3人の子どもを育て、10年にわたり小学校受験についての研究を続けてきましたが、試験内容を見て分かるように、求められていることは、机の上のドリル学習の力だけではありませんでした。そして、合格を手にする家庭では、遊びや家事のお手伝いといった生活のワンシーンを親御さんの手で最高の教育に変えているところが多かったのです。

つまり、なにがしかの教室に通うというよりも、親からたっぷりと愛情を受けながら一緒に遊んだり、生活したりする中で身につく力が小学校受験で求められている力だったのです。この時に大切になるのがお子さんへの眼差しと言葉かけです。

難関校に合格する家庭の共通点「比べない」

現在、日本の小学生はだいたい1学年約100万人(2024年度の小学1年生人口は約96万人)程度です。そのなかでも小学校受験を経て難関小学校入学への切符を手にするのは、全国の小学生のわずか2%と言われています。

難関校に合格する家庭には、いくつかの共通点があります。その1つが、「誰とも比べない」ということです。簡単なようですが、誰かと比べるような言葉を親はつい口に出しています。

習い事が同じ家庭のお子さんについて「〇〇ちゃんはすごいわ~、うちなんで全然」などという話をお子さんの前で話していませんか?そして時にはうちの子はどうしてできないんだろうかと、他人の子と自分の子を比べて親御さん自身が落ち込むことはないでしょうか。でもこれは、子どもにとってはあまり良いことではありません。

親御さんがついそうなってしまうのも分かります。なぜなら、日本は基準に溢れているからです。「何ヶ月でこれができるようになる」という平均的な発達指標が書かれたものが多く出回っているため、比べたくなってしまうのです。

日本人は平均的であることに安心感を抱きやすい傾向があるという論文もあります。これは、日本人は他者と比べてしまいたがる傾向があることを示しているとも言えると思います。

わが家でも1人目の長女の時は早くにオムツを外さなきゃと、何度もトイレトレーニングをしました。今考えるとあれはトレーニングの開始が早すぎただけだったのに、期待して失敗し、イライラしてしまいました。全く無駄な時間だったなと思わずにはいられません。

一方で、3人目のトイレトレーニングはいつだったかさえ覚えていないほどですが、ちゃんとオムツは外れています。その子の成長のタイミングがくれば、子どもは自ら育ってくれます。私たち親は、愛情溢れる眼差しでその子の時が来るのを待つのみです。

「横で比べる」のではなく「縦で比べる」ことで親子の気持ちが軽くなる

ではどうやったら誰かと比べなくなるか、私がやっていた方法を1つ紹介します。

私の場合はその対象を徹底的に見ないようにしていました。雑誌やテレビの情報、幼稚園に飾ってあるほかのお子さんの絵、学級通信に掲載している表彰された作文など、見ると「〇〇ちゃんはすごい」「あなたも頑張れ」と、我が子に無言の圧力を与えてしまいそうなものは意識的に視界から外していました。

そして、横で比べるのではなく、縦で比べるように変えました。つまり、年齢やクラスなどの横軸で相対的に比べずに、その子自身の成長という時間軸で伸びた部分の絶対値を見るようにしたのです。

おかげで自分の気持ちも軽くなり、「うちの子はスペシャル」「誰とも比べる必要はない」と心の底から思えるようになり、今はすっかり学級通信も落ち着いて拝見できるようになりました。

これは私が成功したやり方ですから、もちろん、それぞれの親御さんが工夫して自分たちに合った方法を見つけていただけたらと思います。大切なのは、他人と比べないようになることです。