「子どもだけのお留守番」は何歳から? 禁止法案が全国で反発を招いた背景

藤平公平
2026.05.22 00:20 2026.05.24 07:00

見つめあう親子

夫婦共働きだったり、急用が発生した際などに親の頭を悩ませる「子どものお留守番」。ある程度子どもが大きくなっていれば自己管理ができるかも知れませんが、まだ小学校低学年だと事故が起きないか不安になる保護者も多いのではないでしょうか。保護者の不安や心配も当然ですが、「子どものお留守番」は年齢次第では「虐待」と捉えられかねない点にも注意が必要です。今回は小学校教員の遠藤隆平さんとともに、子どもをひとりで留守番させる際の注意点などを紹介していきましょう。

※本記事は2025年5月現在の情報に基づいて作成された記事です。制度等は状況により変更される可能性があります

埼玉県では「子どもだけの留守番」を禁止する法案も

砂場で遊ぶ子どもたち

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一般的には小学1年生に上がった頃から「お留守番デビュー」をさせる家庭が多いようですが、2023年10月には埼玉県議会で「子どもだけで外出・留守番させることは虐待にあたる」とした禁止条例改正案が提案されています。

改正案では、小学3年生以下の子どもを残して外出することを禁止。また、同年齢の子どもだけで公園で遊ばせたりお使いに行かせたり、高校生の兄弟に低学年の子どもを預けて外出することも違反になります。小学4~6年生の子どもに関しては「努力義務」とし、禁止行為が見られた際には通報義務を課すとしていました。

とはいえ、提出された改正案は賛成で可決されたものの大きな反発を招き、1週間後の本会議で撤回となっています。

遠藤さん「埼玉県の禁止条例改正案とはいえ、法案が明らかにされた際は全国的な議論を巻き起こしました。いまは両親が共働きという家族も多く、具体的な対策を打ち出さないまま法案が提案されたことで多くの批判を招いてしまったようです。

ただ、撤回されたからといって何も考えずに子どもだけで留守番させていいわけではありません。子どもが小学校に上がったとしても本当にひとりで大丈夫か、あるいはきょうだいだけで大丈夫か、しっかり家族で相談して決めるべきだと思います。」

親と子の双方が安心できる対策が必要

タオルドライをする女の子

一方、海外のニュージーランドやアメリカの一部の州などでは法律で規制されている子どもだけでのお留守番。現在日本では法規制まではおこなわれていませんが、火災や転落事故、不審者の訪問など心配の種が尽きず、お留守番デビューに踏み切れないという保護者もいます。

少しでも不安を減らすには、親と子双方のこまめな連絡が大切。今何をしているか、あとどれくらいで帰宅できるか伝えるなど、互いの状況を把握しあうことで安心感が生まれるでしょう。

また、「インターホンが鳴っても鍵は開けない」「火は使わない」「キッチンやお風呂、ベランダでは遊ばない」などのルール作りや、親が外出前に窓などの施錠を確認したり、ガスの元栓を閉めておくなどの対策も有効です。

遠藤さん「ニュースなどでよく耳にするのが、窓やベランダからの子どもの転落事故です。もちろん『危ないから近づいてはいけません』と注意することも大切。それでも子どもは好奇心旺盛で、大人から『ダメだよ』と言われたことを逆にしたくなったり、興味本位でフラっと近づいてしまい、事故につながることもあります。

そんな想定外の事故を防ぐために、保護者も可能な限り危険な兆候を事前に排除すべきでしょう。もしも子どもの身長で窓の鍵に手が届いてしまうなら、さらに高い場所に補助鍵を取り付けるのもひとつの手段。また、ベランダや窓辺に子どもの踏み台になるようなものを置かないよう、日頃から意識しておくことも重要です。」

見守りカメラなどIoTの活用も有効

クレヨンでおえかきする子

子どもの留守番のためにIoTを活用するのもひとつの方法。たとえば文具メーカーのコクヨは、カメラとマイクを内蔵した小型モニター「はろもに」を販売しています。「はろもに」は、子どもがスマホを持っていなくても保護者のスマホとやり取りができる端末。子どもから保護者へ音声メッセージを送れるほか、保護者からのメッセージを「はろもに」へ送ったり、内蔵カメラで撮影された子どもの様子や表情を確認することも可能です。

「はろもに」のほか、ALSOKやセコムなども子どもを見守るカメラやセキュリティサービスを展開。用途や家庭環境などに合わせて選ぶことができます。

遠藤さん「家庭内モニター以外にもおすすめなのが、キッズ携帯やキッズスマホです。キッズ携帯は機能こそ少ないものの、留守中の通話やメッセージのやり取りだけでも安心できるはず。普段使いもできるので、留守番以外ではムダになるということはありません。機種によってはGPSや防犯ブザー機能も備えているので、もしもの時に威力を発揮してくれます。

また、最近はキッズウォッチとも呼ばれる子ども用のスマートウォッチも人気。一度腕に装着しておけば、常に肌身離さず持つことになります。子どもは腕時計型デバイスに憧れがありますから、きっと喜んで利用してくれるのではないでしょうか。」

「こまめな連絡」「お留守番のルール」「見守りカメラ」など、できる対策はさまざま。少しでもリスクを減らすために、家庭に合ったお留守番対策をあらかじめ取っておきましょう。

遠藤隆平

遠藤隆平

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岡山市で小学校教諭として勤務。令和6年度弘済会岡山支部教育論文優秀賞受賞。岡山県小学校教育研究会情報教育部会研究部長や岡山市GIGAスクール推進リーダーを務める。Google for Education 認定トレーナー、デジタル庁デジタル推進委員等の資格を有し、タブレット端末の効果的な利用方法について、保護者や児童向けの研修会で数多く講演している。