叱るのは逆効果? 嫌がる子どもにスムーズに歯磨きをさせる方法

藤平公平

生後半年を過ぎて乳歯が生えてくる頃になると、そろそろ歯磨きをするタイミングです。「まだ母乳やミルクしか飲んでいない」と思っていても、ミルクのカスなどから虫歯の原因菌が繁殖することも。その内抜けてしまう乳歯とはいえ、虫歯になってしまうと将来生えてくる永久歯にも影響を与える可能性があります。そのためしっかりと磨いてあげたいところですが、「子どもが歯磨きを嫌がって逃げてしまう」と悩んでいる人も多いよう。

子どもが嫌がらずきちんと歯磨きをしてあげるには、一体どうすればいいのでしょうか。さいたま市の認可保育園「大宮みちのこ保育園」の園長・長澤佐知江先生のコメントも交えながら紹介していきましょう。

子どもの歯磨きは「優しく」が重要

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小さな子どもが歯磨きを嫌がる原因はいくつかあります。まず1つ目は、「口の中を触られるのが不快」「歯磨きをする力が強くて痛い」というもの。普通に磨いているつもりでも、大人の力は子どもにとって思っているよりも強い可能性があります。

そのため、優しく磨いてあげることが重要。ペングリップ(鉛筆持ち)で歯ブラシを持つと、適度な力加減で磨くことができます。

口の中を触られる不快感を軽減するためには、本格的に歯磨きをする前に「ガーゼ磨き」で慣らしておくのが有効。下の歯が生えてくる生後半年ころから、授乳後や就寝前にガーゼを使って歯を拭いてあげると良いでしょう。赤ちゃんは唾液の分泌が多いため、これだけでもかなり歯を清潔に保てます。

大宮みちのこ保育園園長・長澤佐知江さん「小さいころから歯磨きの習慣をつけることは、その後の歯の健康のためにはとても大切なことです。とはいえ、口の中に歯ブラシを入れてゴシゴシ磨かれるのは、やはり子どもにとっては不快だったり、恐怖を感じることもあるでしょう。

ガーゼ磨きの方法が紹介されていましたが、幼いころから口の中を触られることに慣れておくと、本格的な歯磨きへの移行が比較的スムーズになります。しかし、ガーゼで磨くのと歯ブラシで磨くのは、磨く側の大人にとっても大きく感覚が異なるもの。特に『子どもの葉を磨いてあげる』ことにまだ慣れていない第一子の場合は、力加減はかなり意識が必要です。暴れる子どもをおさえながら歯磨きをすると、つい手に力が入ってしまいがち。自分がどのくらいの力で磨いているのか、しっかり意識しながら歯磨きをしてあげましょう。」

大きく口を開けるのが疲れてしまう子どもも

意外な理由としては、「長い間口を開けているのが嫌」というものもあります。普段の生活の中で、口を大きく開けっ放しにしているという状態はほとんどありません。そのため顎が疲れてしまったり、集中力が保たない子どももいるようです。また、口を開けたままにしていると唾液が喉にたまって気持ち悪いと感じることも。

負担を減らすためには、一気に磨こうとせずこまめに休憩を挟みながら磨いてあげましょう。その際に唾液を吐き出したり、飲み込むよう促してあげると不快感もやわらぎます。

大宮みちのこ保育園園長・長澤佐知江さん「子どもの歯を磨く際にも、大人と同じように一回で終わらせようとしてしまいがちです。しかし、歯磨きにまだ慣れていない子どもの場合は、休憩を挟みながらゆっくり磨いてあげても良いかと思います。

もちろん、夜の寝かしつけ前や朝の忙しい時間など、『休みながら磨く余裕なんてない』という状況も多々あるでしょう。その場合は、『毎回完璧に磨く必要はない』くらいに思っておいた方が良いかもしれません。万が一途中で歯磨きがストップしてしまっても、長い歯磨き練習期間のうちのわずか一回です。少しずつ、歯磨きのレベル上げをしていきましょう。

歯磨きを楽しい時間に!

他には、「歯磨きの時間がつまらない」というのも大きな原因。そのため、子どもに「歯磨きは楽しい時間だ」と思ってもらうための対策が必要です。たとえば、手鏡で口の中を見せて「キレイになってるね~」と解説しながら磨くのも1つの方法。ほかにも歌を歌いながら磨いてあげたり、大げさに褒めて上げたりと楽しめる工夫をしてみると良いでしょう。

また、子どもが歯磨きを嫌がるからとイライラしたり、叱ったりは逆効果。くれぐれも怒らず、楽しい雰囲気で歯磨きができるよう心がけてください。

大宮みちのこ保育園園長・長澤佐知江さん「歯磨きが楽しいものだと思ってくれると、食後に自分から『歯磨きしたい』と言ってくれることも。幼児用の歯磨き粉にはおいしい味がついているものも多いので、お気に入りの味をみつけるのもひとつの手かもしれませんね。

また子ども向けのキャラクターが印刷されている歯ブラシもたくさん販売されています。子どもがポジティブに歯磨きできるように、好きなキャラクターに頼るのも有効ですね。歯磨き教育のための絵本も多くあるので、普段から絵本などで歯磨きの大切さや楽しさを伝えると良いでしょう。」

将来の歯を守るためにも、乳幼児期の口腔ケアは重要です。子どもが歯磨きに苦手意識を持たないよう、会話やスキンシップをはかりながら取り組みたいものですね。