暴力、暴言はなぜ?学校から帰宅後「親や物に当たる子」が抱えるもの

学校では普通に過ごしているように見えるのに、家に帰ると親に暴言を吐いたり、物に当たったり…。そんな子どもの姿に戸惑うことはありませんか?
子どもが帰宅後に荒れる時、そこには本人なりの「つらい思い」が隠れていることがあります。親からは見えにくい子どもの「6つの悩み」について、元小学校教員のそうくる先生の著書よりご紹介します。
※本稿は、そうくる先生 (著) 『発達特性 グレーゾーンの子の心のもやもやを軽くして「できた!」が増える本』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
学校から帰宅後、親や物に当たる
【親のもやもや】
■友だちに当たってしまうかも。人や物を大切にして欲しい。
■子どもの暴言、口答えにイライラ、涙が出る…。
■ 私の育て方のせいで人や物に当たる子になったの?
どうか、お子さんが人や物に当たっても「自分の育て方のせいだ」と抱え込まないでください。子どもは親から離れ、園、学校、学童、放デイ、習い事などさまざまな環境で人と接し、社会性を育んでいきます。誰かのせいにするのではなく、「人や物に当たってでも訴えたいことって何かな?」「この子は何に苦しんでいるんだろう?」と子どもの思いに目を向けて、困り感を減らすことが大切です。
大人(親、先生)、友だちから否定の言葉が多い場合、つらくなって親や物に当たることも。学校での友だち関係、授業で気を張った疲れの反動で家に帰ってから爆発することもあります。その他、感覚過敏、学校行事などその子にとって何がつらいのかを探ってみましょう。
もやもや1:大人や友だちから否定されてばかり
自己定否感のつらさ、自分を守るために反発

■友だち、きょうだいと比べない。その子なりのがんばり、当たり前の行動を認める。「自分で起きたね」「ごはんを食べたね」「宿題を机に出したね」など。
■「おやつは何が食べたい?」「今度の休みは何がしたい?」と質問、選択させて尊重。
■ちょっとした指示でも否定の言葉を少なくする。「片付けなきゃダメでしょ」→「〇〇をカゴに入れてくれると助かるな」 (「肯定10:否定1」を意識)。
■イライラ解消法を事前に伝える。「『ねぇお母さん』と声かけてくれたら話を聞くよ」「冷たいお茶を飲もう」「これ(クッション、ぬいぐるみ)をぎゅ~っとすると落ち着くかも」など。
もやもや2:言葉で伝えてもわかってもらえない
そう思い込んでいる

■子どもが話しているときに途中で口をはさまず、最後まで聞いて理解しようとする姿勢を見せる。
■「勝ちたい気持ちが強くて練習をがんばったから、くやしかったんだね」など、気持ちに共感して言語化。「イライラして物に当たるのではなくて、くやしいって言えばいいんだよ」「納得できないことがあったら、お母さんに言ってね」などと伝える。
もやもや3:友だち関係のもやもやがある
失敗を笑われた、仲間外れなど

■「学校で何かあった? いつでも話を聞くよ」「ママは味方だからね」と伝える。否定せず最後まで話を聞き、解決策をいっしょに考える。
■友だちから暴言、暴力を受けている場合、学校に相談し、グループ分け、クラス替えで配慮をお願いする。
■お風呂、ドライブ、散歩、キャンプなどリラックスできる環境だと友だち関係の悩みを話しやすい子も。
■学校とは別の居場所をつくってあげる(好きなことができる場所。同世代、異年齢の子ども、大人とかかわれる場所)。
もやもや4:学校で「いい子」で気を張って疲れた
その反動で親に甘えたくて爆発

■人と比べず、「もう〇年生なんだから」などプレッシャーをかけない。
■結果ではなく、がんばりを認める。あなたが「大好き」「大切」と存在を認める。
■1人で静かにリラックスできる時間と場所、自分の好きなことを自由にコントロールできる趣味の時間をつくってあげる。
■無理して「YES」と言わなくても、「NO」「できない」「やらない」という逃げ道があってもいいことを伝える。「やる」と言っても、「無理してない?」と確認する。
もやもや5:授業が難しくてついていけない
読み書き計算、体育、発表など

■ 国語、算数、体育、板書をノートに書く、発表など、その子にとって何がつらいのかを具体的に知る。
■ 今の学年にこだわらず、1~3年の読み書き計算の基礎をかためる。 読み書き計算は見て覚える、聞いて覚えるなど、その子に合う学習スタイルを探す。
■ その子の段階に合った授業の参加方法を先生と相談して負担を減らす(学習のレベル調整、板書はタブレットで撮影、先生の手伝いなど学校で居場所を感じさせる、など)。
もやもや6:感覚過敏があり学校生活がつらい
音、光、におい、味、暑さなど

■休み時間のガヤガヤした音、窓からの日差し、照明、反射のまぶしさ、人や物のにおい、給食、暑さなど学校で何が不快なのか、子どもに聞くか普段の家庭での様子から考える。
■学校生活の音がつらい場合は、座席の位置の見直し、イヤーマフ、耳栓を使う(子ども、先生と相談)。中休み、昼休みは図書室に行くなど、静かな避難場所を確保。
■光がまぶしすぎる場合は、窓から離れた廊下側の席など配慮をお願いする。
■味覚が敏感な場合は、配膳で量を減らす、食べない選択もできる逃げ道を確保。
■感覚過敏があると学校に理解してもらうため、医師に意見書を書いてもらう方法も。
解決のヒント:学校行事の前に子どもが荒れる場合は…
運動会、音楽会、参観日など学校行事が近づいてくると、家庭で親や物に当たる行動が増えるお子さんもいるのではないでしょうか。まず、何に不安・緊張があるのかを知りましょう。それによって、練習や当日のスケジュールを事前に伝えたり、学校に立ち位置、席、参加方法などの配慮をお願いしたりして当日への安心につなげることができます。
そうくる先生 (著) 『発達特性 グレーゾーンの子の心のもやもやを軽くして「できた!」が増える本』(Gakken)
困り感が多い子どものために、最優先にすることは励ましたりほめたりする“足し算のかかわり方”以前に、もやもやを減らす“引き算のかかわり方”で、子どもの心に余裕を持たせてあげること。
本書では、家庭や学校で起こりやすい行動例をあげながら、子どものもやもやをキャッチし、減らすことでトラブルを防ぐ実践的な具体策や、子どもの意欲やがんばる気持ちを育てる、親子の関係づくりまで詳しく解説します。
































