子どもの「生き物を飼いたい!」にどう答える?人気YouTuberエマスさんが語る、親子で共有すべき“3つの覚悟”

「落ちていたフグを拾ってみた」
「スーパーに売っていたタコを飼ってみた」
川や海でつかまえた魚や爬虫類、鮮魚店やスーパーで売っていた甲殻類などを家に持ち帰っては飼育し、その様子をYouTubeで公開している「エマスちゃんねる」。2026年4月現在、登録者数は44.6万人という人気チャンネルだ。
エマスさんはアクアリウム会社を経営していることもあり、魚などの飼育に関してはプロ。心ない釣り人によって陸に放置されたり、食材としてパックに詰められて瀕死の魚たちが、エマスさんの手によって「ペット」として蘇る姿が共感を呼んでいる。
このたび書籍『水の生きものセカンドライフ 瀕死の生きものを救ったら、ゆかいな日々が訪れた』(KADOKAWA)を発刊したとのこと。さっそくエマスさんをつかまえてお話を聞いてみた。
(取材・文/PHPオンライン編集部・次重浩子)
ハエがたかって瀕死のフグを…
エマス:6年前ですね。でも再生数が全然伸びなくて一回挫折しました。で、4年ぐらい前に「ちょっと気合い入れてやろうか…」と思い直しまして、その後、落ちていたフグを拾って育てた動画がバズったんです。
――クサフグの「てっちり」ですね。
エマス:そうです。海沿いを歩いていたら、クサフグがアスファルトの上に落ちていて、ハエがたかっていました。フグって猛毒を持っているから自分で調理して食べることはできないし、放してもまたエサを食われてしまう可能性があるので、釣り人が針にかかったフグを陸に打ち捨てちゃうんです。
もう死んじゃってるだろうなと思って拾ってみたら、ヒレをばたばた動かしたので、家に連れて帰ることにしました。視聴者さんに名前をつけてもらって「てっちり」と呼ばれています。もりもりエサを食べて、ときどき「オエッ」と吐き出します。かわいいですよ。
そのあと、スーパーで半額になっていたのを買って育てたクリガニの動画も再生数が伸びて、そのあたりからチャンネルとして安定してきた感じです。
――クリガニは「はんぐりちゃん」ですね。
エマス:はい。この子も視聴者さんに名付けてもらいました。半額のクリガニなので「はんぐりちゃん」。471円の値札に半額シールが貼ってあったので、むしろはんぐりちゃんが食べているエサ代のほうが高いです。
実は犬が一番好き

――エマスさんは、昔から生き物がお好きだったんでしょうか。
エマス:大好きでしたね。初めて飼ったのは、アメリカザリガニだったと思います。兄と一緒によく近所につかまえに行っていました。あとはクワガタやカブトムシ、メダカやザリガニ、トカゲなど。ペットショップなどで購入することはほとんどなくて、近所でつかまえてきては飼うといった感じでした。子どもだったのでお金を持っていなかったというのもありますが、自分でつかまえると愛着が湧くタイプなのかもしれないです。
僕の親は別に熱帯魚とか好きじゃないんですよ。犬や猫は好きだったので、おねだりして犬を飼わせてもらいましたけど。
――エマスさん、お魚をたくさん飼っていらっしゃるので、水辺の生き物が専門かと思っていました。犬猫もお好きなんですね。
エマス:好きですね。今でも犬を飼っていますし、実はペットとして一番好きなのは犬かもしれない…。リアクションしてくれるし、甘えてきてくれるし。
――それは意外です…。たしかに魚より犬のほうが意思疎通できる感触はありますよね。
エマス:とはいえ、たとえばフグは人に慣れるんで、僕が水槽の前に立つと寄ってきてくれます。「こいつが近づくとエサが出てくる」ぐらいには認識しているんじゃないでしょうか。個体によっては手から直接エサを食べてくれるようになったりしますし。
熱帯魚とか群れている魚は、人影が近づくと逃げていくんですけど、徐々に馴染んでくると、隠れたりしなくなります。そうなるとうれしいですよ、やっぱり。
生き物を飼うということ

――親としては、子どもに生き物を飼わせてみたいと思う一方で、いろいろと心配が先立ってしまいます。
エマス:子どもに任せるとお世話を放棄してしまうのでは、という心配は親御さんとしてはあるでしょうね。子どもって飽きやすいから。生き物を飼う上で大前提とするべきは、絶対に最後まで面倒を見るという覚悟だと思います。その点では親自身も、一緒に飼う覚悟がないとちょっと難しいですね。
僕の親の場合は、そんなに生き物全般が好きというわけではなかったけれど、僕がどんな生き物を連れて帰っても、一緒にその生き物と向き合ってくれました。親がお世話を肩代わりするということではなく、ともに面倒を見てくれた記憶があります。ただ、「今飼っている子のお世話をちゃんとしないと、次の生き物を連れてきてはダメ」ということはルールとして厳しく言われていました。
それから生き物は死んでしまうから、そんな姿を見たくない、あるいは見せたくないという親御さんのお気持ちもあると思います。僕も小さい頃、カメを飼っていたんですが、死なせてしまって大号泣したのを覚えています。カメは日光浴をすることで甲羅から必要な栄養素を吸収するので、定期的に外に出してあげる必要があるんですが、当時の僕は飼育方法がわかっていなくて早死にさせてしまったんです。
それから大量のアメリカザリガニをつかまえてきて、大量死させてしまったこともありました。理由は簡単で、つかまえたザリガニを庭に掘った即席の池に沈めてしまったから。つまり酸欠状態になってしまったんです。
僕もそういう失敗を繰り返してきて、たくさんの命を奪ってしまったことをすごく申し訳なく思ったし、飼う前にちゃんと勉強しないといけないということも学びました。いまでも飼っている生き物の死はつらいけど、次に飼う子の学びとして引き継ぐぞという気持ちでいます。
ですから、お子さんがなにか生き物を飼いたいと言ってこられたら、すぐに飼うのではなく、どれぐらい大きくなるのか、何年ぐらい生きるのか、費用はいくらぐらいかかるか、また、お世話はどうしたらいいのか、などをまずは事前に調べることをお勧めしています。
――お魚などは、飼えなくなったら池や川に放してしまう人もいますね。
エマス:そうですね。放流はかなり問題視されていまして、外来種が日本で大繁殖してしまって水草が食べられてしまったり、貴重な在来種が駆逐されて絶滅してしまったりします。
僕の動画でも紹介していますが、グッピーが用水路などで繁殖している場所があるんです。グッピーは熱帯魚ですが、工場の温排水や生活排水など、温かい水が流れている場所だと、そこで定着してしまう。その地域の生態系を壊してしまうんです。
だから、いちど連れて帰った魚を川や池に放すということも絶対にしてはいけない。日本の在来種であっても、他の水域にいた生き物を放してはダメです。なぜなら、家で飼っている子とその川で生きている種が同じ遺伝子を持っているとは限らないから。人の手を介した個体は違う習性を獲得している場合もあるし、病気を広げてしまう場合もあるんです。
かわいそうだからといって逃がすぐらいだったら、残酷ですけど自身の手で処分してあげたほうがいい。これぐらいの覚悟がなければ飼っちゃダメだと僕は思いますね。
水の生きものセカンドライフ 瀕死の生きものを救ったら、ゆかいな日々が訪れた
まだ生きてる!瀕死の生き物を救って育てる、愛にあふれた物語
「今日のみそ汁に具はない。
だけど、その日のみそ汁はいつもよりもずっと美味しかった。」
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YouTube登録者40万人超!エマスちゃんねる待望の初書籍。































