「あの子と遊ぶのやめてほしい」と言った母親…息子が友達の話をしなくなったのは、反省したからではなかった

熱海康太

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務える熱海康太氏は、「親が友達を選ぼうとしたとき、子どもは関係を隠すようになる。見えなくなることの方が、親にとって本当のリスクだ」と語ります。

息子の友達を「やめてほしい」と言った母親が、禁止ではなく「行動への線引き」に変えたとき、親子の会話に新しい形が生まれました。(写真はすべてイメージです)

「あの子と遊ぶのやめてほしい」と言いたくなるとき

「あの子、ちょっと乱暴じゃない?」「なんかいつも悪いことに誘われてる気がして」「うちの子に悪影響がありそう」。子どもの友達について心配になる瞬間は、どの家庭にもあります。特に学年が上がるにつれて行動範囲が広がり、親の目が届かない場面が増えるほど、その不安は大きくなりがちです。

母親の真紀さん(仮名)は、小学5年生の息子ソウタ(仮名)の友達のリョウ(仮名)のことが、ずっと気になっていました。

リョウは言葉が乱暴で、ソウタが一緒にいるとやんちゃになる気がした。ある日、ソウタがリョウと公園で遊んだ帰りに、近所のお宅の植木を折ったという話が伝わってきました。真紀さんはソウタに「リョウと遊ぶのはやめてほしい」と言いました。ソウタは黙っていました。その夜から、ソウタはリョウの話を家でしなくなりました。