「国が好き勝手にルールを決めたら?」子どもに伝えたい、憲法の役割と選挙の大切さ
もしも、国のルールが一部の人の判断で自由に決められてしまったら、私たちの生活はどうなるのでしょうか。
今の日本では、国民が選んだ代表である国会だけが法律をつくることができると、憲法で定められています。それは、誰かの都合でルールが変えられてしまわないようにするためです。
『ピンチを救うぼくらの憲法』より、子どもにも伝えたい、憲法の大切な役割を解説します。
※本稿は、木村草太(監修)『12歳までに知っておきたい ピンチを救うぼくらの憲法』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
【憲法がないとピンチ】権力のある人が好き勝手に法律をつくってよかったら?
誰がルールを決めているの?
貴族や武士が国を治めていた時代には、一部の権力者が、政策だけでなく法律やルールも決めていて、国民が政治に自分たちの意見を反映させる仕組みは政治の中にほとんどありませんでした。それだと、権力者が好き勝手にし、国民が貧困にあえぐ、悲惨な世の中になってしまうかもしれません。
現在では、選挙によって、国民が自分たちの意見を代わりに実行してくれる国会議員を選んでいますよね。そして、国民の代表からなる国会だけが法律を定める権利をもっています。こうして定められた法律に基づいて、国の仕事(行政といいます)は行われています。
国民に選ばれた人が政治を行わないと、法律に国民の意見が反映されにくくなる
もしも、国会以外のところで好き勝手に法律がつくられたり変えられたりするとしたら、どのようなことが起こるでしょうか?
「国のお金がなくなってきたから、国民全員に毎月1万円ずつ支払わせよう」
「政府を批判することを禁止する法律を作ろう」
というように、実際に政治を行っている行政府(内閣や、その下の省庁など)が、国民の生活や現状を無視したような命令を定めたり、国民の自由や権利を無視したきまりを定めたりするかもしれません。つまり、憲法がないと、一部の人間が法律に代わる命令を勝手に決めてしまいかねないということになるのです。
【憲法があれば解決】国会だけが法律を定めることができる!
国会がただ一つの立法機関
憲法では「第41条 国会の地位・立法権」において「国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である」と定めています。
国民の代表である国会議員は、国民の意見を政治に反映する立場にあります。つまり、国会議員で構成される国会こそが最も重要な機関であり、法律を定めることができるただ一つの機関であることが示されています。よって、国会ではない別の組織が勝手に法律を定めることはできません。
国会は国権の最高機関 法律を無視した命令は出せない
また国会は、国民に選ばれた代表者の集まりなので、国会が定めた法律は、政府などが出す命令よりも優先されます。つまり、内閣や裁判所などは、法律に違反するような命令などを出すことはできません。
日本国憲法にこの条文があることで、国民の代表から成る国会だけが、国民の意見を反映しながら、誰にとっても平等に適用される法律を定めることができます。その上で、法律に基づいて、内閣が政治を、裁判所は裁判を行います。
国会議員を選ぶのは、あくまでも私たち一人一人の国民。ですから、投票を行うことができる18歳になって選挙が行われる際には、必ず投票に行くようにしましょう。
【ぼくらの憲法 第41条 国会の地位・立法権】
国会は、国民に選ばれた代表者の集まりです。国民の意見を政治に生かすため、国会だけが法律をつくることができます。だからこそ、国会は国の中で最も強い力をもつ最高機関とされています。
木村草太(監修)『12歳までに知っておきたい ピンチを救うぼくらの憲法』(Gakken)
いじめや理不尽なルール、戦争と平和――。
子どもたちのまわりに潜むたくさんの「ピンチ」を救う味方、それが「憲法」である。
「憲法」と聞くと、むずかしい言葉が並ぶ、自分とは関係のない遠い世界のものだと思うかもしれない。憲法は、みんなが毎日を楽しく、自分らしく過ごすために欠かせない、もっとも身近で大切な「約束」なのだ。
本書は、テレビでもおなじみの憲法学者・木村草太先生が監修。
「もしもこの世に憲法がなかったら、どんなピンチが起きるのか?」
という視点から、憲法の役割をやさしく解き明かす。
































