「きれいな教科書」の子ほど成績が低かった 部活で忙しい中学生が実践したい“教科書3回読み”のコツ
「中学生におすすめの参考書が知りたい」と考える親御さんは多いでしょう。しかし、実際には成績の良い子ほど、特別な参考書よりも教科書を徹底的に読み込んでいるケースも少なくありません。
個別指導塾「学研CAIスクール稲沢駅西校」スクール長・鎌田則和さんの著書より、定期テストから高校入試まで通用する「教科書3回読み」の具体的な実践法をご紹介します。
※本稿は、『部活をがんばる中学生のための勉強法』(鎌田則和/秀和システム新社)から一部抜粋・編集したものです。
教科書を活用するのが、もっとも合理的で効率的
塾で生徒から「良い参考書はないですか?」と聞かれることがよくあります。もちろん仕事柄いろいろな参考書をチェックしていますから、それらの中から目的に応じて最適な参考書を選ぶことはできます(この本の中でもいくつか紹介しています)。
ただし、大前提としてキミたちに知っておいてほしいことがあります。
それは、限られた時間の中で最大の効果を得るためには、教科書中心の勉強をするべきだということです。
「学校で教科書を開き、家でも教科書を開く」
毎日忙しいキミたちにとって、教科書を徹底的に活用することこそ、もっとも合理的かつ効率的な学習方法です。
実際、塾で生徒のテスト勉強の様子を観察すると、成績の高い子ほど、教科書を使い込んでいます。重要なポイントにマーカーで線を引き、間違えた問題や弱点だと感じたところが明確になるように印を入れ、紙面の余白にも工夫して書き込みしています。
逆に、ノートをきれいに仕上げ、ワークの問題をたくさん解いていても、教科書を使用した跡が少ない「きれいな教科書」の生徒ほど、成績が低い傾向にあります。塾ではそういった生徒に対し、講師から口酸っぱく教科書の重要性を解いています。
テストでは教科書の内容しか出題されない
なぜ、そこまで教科書が大切なのでしょうか?
理由は単純で、学校では教科書をベースにして授業が行われるからです。
そして定期テストも、授業の内容を生徒がどれくらい理解しているかを測るものですから、やはり教科書の内容がベースになります。
さらに各都道府県での公立高校入試、そして高校生が受験する大学入試共通テストでも、同様のことが言えます。公立高校の入試や、大学入試共通テストは、文部科学省から出された指導要領にのっとって出題されます。この指導要領にのっとった教材が「文部科学省検定済教科書」、すなわち学校で使用している教科書なのです。
つまり、普段の授業も、定期テストも、入試でさえも、すべては教科書がもととなっています。言い方を変えれば、教科書で扱っていない内容は、定期テストや入試では出題されません(ちなみに教科書で扱われていても、「発展」と書かれている内容は「指導要領外」の扱いとなり、公立高校入試、大学入試共通テストでは出題されません)。
だからこそ、教科書を中心とした学習が、もっとも効率がよく合理的なのです。あれこれ参考書に手を出すよりも、まずは毎日学校の授業で使用する教科書の内容をしっかりと理解することが、定期テストの対策になり、そして入試を突破することにつながります。
では、具体的に教科書をどう活用していけば良いのでしょうか?
それは、次の節から説明していきます。
まとめ:自宅学習でも「教科書」を徹底活用しよう
・成績の良い子ほど教科書を読み込み、成績が良くない子ほど参考書に頼りがち。
・入試でも教科書の内容しか出題されないため、教科書を中心とした勉強が合理的。
「繰り返し読む」だけでも大きな差がつく
自宅学習での教科書活用の基本は繰り返し読むことです。
この章の最初に「記憶を定着させるには、繰り返し復習すること」と説明しました。そのもっともシンプルな方法が「繰り返し読むこと」なのです。
「読むだけなんて、そんな簡単なことでいいの?」と思うかもしれませんが、その簡単なことをやっている生徒は意外と少ないものです。
なかなか成績が上がらない子ほど、教科書を1回読んだだけで理解できた気になる傾向があります。実際には、どんなに成績の良い子でも、1回読んだだけで教科書の内容をカンペキにマスターできることはありません。だから繰り返し何度も読みながら、理解を深め、記憶を定着させていくのです。
「読むだけ」の差が、大きな差を生みます。
読み方を変えながら3回読もう
目安としては、3回は読み返してください。その際、3回を同じように読むのではなく、初めは浅く、段々深く読み込んでいくと効果的です。
具体的には、次のように実践してみましょう。
・1回目は授業を「思い出しながら」読む
まずは全体を通して流し読みします。すでに授業で目を通しているので、一言一句しっかり読み込む必要はありません。どこが重要だったか、授業のヤマ場や、理解しにくかった箇所などを改めて確認するのが目的です。そのためには、項目のタイトルや太字で書かれていることに注目し、授業で説明されたこと、ノートに書いたことを思い出しながら読むといいでしょう。
・2回目は重要なポイントを「覚える」つもりで読む
2回目は、先ほど確認した重要な箇所、ヤマ場、理解しにくかった箇所を中心に、理解を深め、頭に入れるつもりでじっくり読んでいきます。必要に応じて、重要な箇所にアンダーラインを引いたり、マーカーを塗るなどして強調することも有効です。
このとき、本文以外の図やグラフ、脚注にも目を通し、抜けや漏れがないようにしましょう。脚注は、重要ではないから本文で説明されていないのではなく、本文と分けて説明することで具体的な意味を強調する意図もあります。
・3回目は全体の内容とポイントを覚えているか「確認しながら」読む
最後にもう一度、全体を読みます。時間がなければ、2回目でじっくり読んだ箇所だけでも構いません。内容をきちんと理解できていれば、特に引っかかることもなく、2回目より早く読めるはずです。それを確認するのが狙いです。
授業を受けるときと同じように
時間は1回5分間として、3回で15分間が目安となります。
なお、教科書を読み返していて分かったことや気づいたことがあれば、授業のノートにどんどん書き足していきましょう。授業を受けるときと同じように、ただ読むのではなく手を動かし声に出しながら、五感を使って復習することで、より記憶が強化され、理解が深まります。
まとめ:教科書は「3回繰り返して」読もう
・授業の復習の基本は「教科書の3回読み」。
・教科書の重要な箇所に線を引いたり、気づいたことをノートに書き足すなどして、手を動かし声に出しながら読もう。
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