ラクガキや70点のテストも褒めるべき? 実は子どもが求めている親の反応

子どもはいつでも、大好きな親に「気にかけてほしい」と願っているもの。日常の中で「見て!」とアピールする子は、実はほめられたいわけではなく、「しっかり見てくれている」という実感がほしいのかもしれません。
では、評価や賞賛の代わりに、親はどんな反応を返せばいいのでしょうか。
本稿では、子どもの自己肯定感を育む「見る・気づく・認める」の関わり方について、小学校教諭・沼田晶弘先生の著書から抜粋してご紹介します。
※本稿は沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)より一部抜粋、編集したものです。
きちんと見る→言われる前に見る→「なりこみ」を使う
「ほめる」より前に、「気にかけているよ」ということを伝え、子どもに共感を示そう。

「見ているよ」「気づいているよ」を示そう
子どもに「見てー」と言われたら、とにかく「見ている」ことを示しましょう。遠くから「見てー」と子どもが叫んでいたら、目を合わせて「見てるよ!」と叫んでもいいでしょう。「見てほしい」から「見てもらった」、この段階ではそれで十分です。見てもらえると、それだけで子どもは安心するのです。
次の「気づいて」では、「見て」と言われる前にこちらから先に見る。子どもの様子を気にかけ、じっと見るということです。本質的にはそれだけですが、せっかくならそれを、子どもにそれとなく伝えたほうがいいでしょう。
たとえば、子どもが何かをしているときにじーっと見ているとしましょう。そこで、子どもがこちらに気づいて「どうしたの?」などと言ってきたら、「え、見ちゃいけないの?」
「見たいから見ていただけだよ」などと返すのです。つまり、見ているよ、あなたに気が向いているよ、気にかけているよ、というマインドを示せばよいわけです。
ボクも授業中、何かする前に子どもと目を合わせてうなずき合うことがあります。そこに具体的な意味があるわけではないのですが、何かしらキャッチボールができた気になれますし、それだけでも子どもは満たされた気持ちになるものです。
普段から「気にかけている」ことを意識的に伝える

今は、「気にかけているよ」が昔に比べて示しにくくなった、ともいえるかもしれません。
たとえば、「見守りメール」やGPSなどの発達で、子どもがどこにいるか、常に親が把握することもできるようになってきました。それは、防犯面ではすばらしいともいえますが、一方で、親が以前より子どもを対面で気にかける回数が減った、という側面もあるのではないでしょうか。
以前なら、子どもの帰りが遅かったら「遅いなあ、何してるんだろう、あの子は。またどこかで油を売っているんじゃないだろうか」とやきもきする。それゆえ、帰ってきたら「どこ行ってたの!」と叱る。でも今は、「あれ、公園で止まっているぞ」とわかってしまう。心配が和らぐぶん、子どもを叱る回数も減っているかもしれません。これは一見、親にも子どもにもいいことのように思えますが、親が子に「あなたを気にかけているよ」というメッセージを暗に伝えられる機会が減っているともいえます。
だからこそ、あなたの変化や成長に「気づいているよ」、あなたのことをいつも「気にかけているよ」というメッセージは、意識的に示すくらいでちょうどよいのではないかと思います。
「認める」には相手に「なりこみ」、受け入れること

100点満点のテストで子どもが70 点を取ってきたら、あなたなら何と言いますか?「がんばったわよ」とほめ言葉を絞り出すのか、「もうちょっとがんばれるでしょう」と発破をかけるのか。前者よりは後者のほうがいいすが、無理に発破をかける必要もありません。
こういうときには単に「70点だったんだね」と言えばよいのです。つまり、70点であるという事実をそのまま受け入れ、ほめたり叱ったりしない。これが「認める」ということです。
子どもが「テスト、70点だったんだ」とくやしそうに言ったら「ああ、70点だったのか」。「忘れ物しちゃった」と言ったら「忘れちゃったんだね」などと、くり返します。このように、相手の言葉をくり返し、相手と同じ気持ちになることを「なりこみ」といいます。「評価」をせず、相手になりこんで共感を示すことが「認める」になります。
もし、まったくくやしそうな様子がないようなら、なりこんだあと「次、がんばろうね」と加えてもよいかもしれませんね。
必ずしも賞賛しなくていい
「見る」「気づく」「認める」は、これまで「すごいね」など評価をすることが習慣になっている場合、ちょっと難しいかもしれません。まずは、そのような場面で子どもの要求が何なのかを意識し、それに合わせて対応していくことを心がけてみてください。
「見る」「気づく」「認める」に共通するのは子どもを気にかけ、ありのままを受け入れ、子どもの存在自体を「認めているよ」という姿勢です。評価ではなく会話をすることを意識していただくと、きっとうまくいくと思います。
伸びた人はほめられ続けて伸びたわけではありません。もちろん、できたときにほめられるとうれしく思います。でも「ほめられたいからがんばる」というのは長続きしません。それよりも、できなかったときに自分でそれをきちんと認識できることのほうが、成長には非常に大切です。できたときも、できなかったときも、子どもと一緒にそれを受け入れ、認めましょう。そして、次の自然な「ほめる」につなげるためにも、親はニコニコしていましょう。
また「認める」は、賞賛することとはちがいます。あくまでありのままを受け入れることなので、「よかった」「悪かった」などの結論に必ずしも結びつける必要はありません。

沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)
最近の子育ては「ほめて伸ばす」のが当たり前。子どもの自己肯定感を損ねないように、傷つけないように失敗させないように、すごいね上手だねを連呼する。
でも、本当にこれでいいのかな……。
そんな悩める保護者のみなさんに、MC型教師ぬまっちの痛快育児メソッドをお届けします。じつはよく言われている「自己肯定感」には勘違いが多くあったのです。
●「ほめられ方」を伸ばす
●ゴールやペナルティを勝手に変えない
●「だけ」の使い方をマスターする
●子どもは他人だと思え
子どものやる気を引き出す39のメソッドを、マンガと図解で徹底解説!






























