思春期に「ただいま」を言わなくなるのは非常事態? 子どもの中で起こっている変化

小さい頃は「ただいま」と言っていた子どもが、思春期になると何の挨拶もなく帰宅…つい「挨拶は!?」と叱りたくなりますが、そもそも子どもの中では、いったいどのような変化が起きているのでしょうか?
『思春期の子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』より、子どもの本音を受け止めるための親のかかわり方を紹介します。
※本稿は、天野ひかり (著), とげとげ。 (イラスト) 『思春期の子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋、編集したものです。
挨拶しなくなった子ども。このままでは挨拶できない子になってしまう?
小さい頃は挨拶できていたのに、何も言わなくなるとどうしたのか、心配になりますよね。
挨拶は、コミュニケーションの第一歩。挨拶する心地よさを実感できるように育てましょう。
ところで、挨拶する心地よさって、何でしょうか?
まずは、よくあるNG会話から見てみましょう。

子どもが「ただいま」を言わないのはなぜ?
お母さんは、「ただいま」をなんとか言わせようと明るく振る舞いました。挨拶する意味も伝えていますね。でも、子どもには響きません。
こんなとき、言おうと思えば言えるのに、言わないのはなぜか、を考えてみましょう。
お母さんに何か怒っているから?
言われたとおりに従うのは癪に障るから?
ただ声を出すのが面倒くさいから?
もちろん、それもあるかもしれませんね。
でも、私には「ただいまを言うこと」以上に、親に「関心を持ってほしいことがあるんだ」と全力で訴えているように感じます。
何か、お母さんにわかってほしいことがあるからではないでしょうか。
そちらを解決することが先です。OK会話を見てみましょう。

非常事態では、使えるものは何でも使おう
「結局、子どもは『ただいま』を言ってないじゃないか」と思いましたか?
そうですね。子どもではなく、お母さんが自分で言いましたよね(笑)。
これまで、毎日「『ただいま』は?」と言わせようとしていたのに、今日は、「おかえり!」「ただいま!」と親自身で、二役の受け答えをしました。
つまり、言わないわが子を非難せず、同時に挨拶する大切さもお手本として示しました。
子どもは、言わない自分を責められずに認められたので、「お母さんは、私の気持ちをわかろうとしてくれたのかな」と少し心が軽くなったはずです。
そこへ、大好きなケーキ屋さんのおいしいケーキ。お母さんの作戦勝ちですね。
(子どもによっては、唐揚げとか文房具や推しグッズなど、好みに合わせましょう。)
親が子どもに関心を持っているということをわかりやすく伝えることは、この年齢ではまだまだ必要です。言葉で伝えるよりも、モノの方が効果が早いのです。
「モノで釣るのはどうか」といぶかしがる方もいると思いますが、挨拶していた子どもがしなくなるのは非常事態です。非常事態においては、使えるものは使いましょう。
目的は、子どもが本音を話せる環境をつくること
とはいえ、モノで釣って挨拶をさせることが目的ではありません。
目的は、子どもが本音を言いやすい環境を整えることです。手段はモノで十分。
非常事態においては、リビングではなく、子ども部屋(子どものテリトリー)へ一緒に入って、一緒に食べる(使う・遊ぶ)ほうが得策です。子どもも話しやすくなります。
子どもの本音を聞き出そうと焦って、親のペースで話を進めないよう気をつけましょう。
ただケーキを一緒に食べて、「おいしいね」と2人の空間を心地よくすることです。
子どもは、親が自分に興味を持っていて、本音を話しても叱らずに聞いてもらえそうと感じれば、自分のタイミングで話しはじめます。
親は、先回りして答えを言ったりせずに、聴きましょう。すると、あら不思議。次の日からまたちゃんと「ただいま!」と挨拶できるようになりますよ。
天野ひかり (著), とげとげ。 (イラスト) 『思春期の子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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