「政党しだいで戦争は起きる」は本当? 子どもに伝えたい、憲法が守る“平和”のしくみ
「〇〇党が勝つと戦争になるかもしれない」…選挙の時期になると、そんな言葉を耳にすることがあります。
もし特定の政党が力を持てば、本当に戦争が始まってしまうのでしょうか。
過去に戦争を経験した日本では、その反省から「再び戦争を起こさない」ためのルールが憲法に定められています。『ピンチを救うぼくらの憲法』より、子どもにも伝えたい、憲法が平和を守るしくみについて紹介します。
※本稿は、木村草太(監修)『12歳までに知っておきたい ピンチを救うぼくらの憲法』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
【憲法がないとピンチ】また戦争を始めることにならないか心配……
政党次第で戦争が起こる?
もうすぐ国会議員の選挙が行われるとあって、駅前では候補者が演説をしています。すると、候補者の一人がこんなことを言っていたのです。
「〇〇党は、防衛費を必要以上に増やしている。また戦争を起こそうとしています。これに反対するため、××党の私に投票を!」
小学生のAさんにはもちろん投票権はありませんが、これを聞いて不安になりました。仮に、どこかの党が力をつけると、この国は戦争を始めてしまうのでしょうか。
政府の方針によって戦争に突き進んでしまった過去の過ちをくり返さないために
85年ほど前、日本は戦争を引き起こしました。日本の侵略を受けた国では、多くの人が命を奪われました。日本国内でも、男性も女性も子どもも戦争に動員されて多くの人が亡くなり、住む場所を失い、飢えや病気で苦しみました。
もし、またかつてのように日本が戦争を引き起こしてしまったら……。また兵士たちは、行きたくもない過酷な戦場に行かなければなりません。
また、もし核兵器が使用されることになれば、あの頃よりも多くの人が犠牲になるでしょう。何の罪もない人々が世界中で命を落とすことに、何の意味があるのでしょうか。
また、日本は過去の戦争の過ちを生かして、争いのない世界を目指すべきではないでしょうか。
【憲法があれば解決】「再び戦争を起こさない」と憲法で宣言している!
戦争の悲劇をくり返さないための基本原則の一つ「平和主義」
再び戦争が起こらないように、日本国憲法前文の1段落目に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、……」と書かれています。
日本国憲法は、第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指導の下、軍隊を中心とする国家ではなく、一般国民が政治を行う民主主義国家への転換を図って定められた新憲法です。
日本国憲法は、国民が国の政治を決める権利をもつ「国民主権」、人が生まれながらにもつ権利を尊重する「基本的人権の尊重」、平和を願い平和を最高の理念とする「平和主義」の三つを基本原則としています。
特に、平和主義は第二次世界大戦で国内外のたくさんの人々を苦しめたことを反省して取り入れられました。
憲法があることによって平和国家の立場を守り続ける
戦争はたくさんの人の命を奪います。日本人も何万人もが戦場へ行き、命を落として帰らぬ人になりました。国内でも、空襲や原爆投下によって大きな被害を受けました。
「あの戦争は間違っていた」と受け止めたからこそ、日本は国のあり方を改め、国際平和を考えるようになりました。戦争の悲惨さを理解し、あのような悲劇を二度とくり返さないという国民の誓いによって、日本は平和国家へと歩み出したのです。
【ぼくらの憲法 前文1段落目】
「政府の独断で再び戦争によるいたましい不幸が起こることのないようにすることを決意する」、つまり「再び戦争を起こさない」としています。
木村草太(監修)『12歳までに知っておきたい ピンチを救うぼくらの憲法』(Gakken)
いじめや理不尽なルール、戦争と平和――。
子どもたちのまわりに潜むたくさんの「ピンチ」を救う味方、それが「憲法」である。
「憲法」と聞くと、むずかしい言葉が並ぶ、自分とは関係のない遠い世界のものだと思うかもしれない。憲法は、みんなが毎日を楽しく、自分らしく過ごすために欠かせない、もっとも身近で大切な「約束」なのだ。
本書は、テレビでもおなじみの憲法学者・木村草太先生が監修。
「もしもこの世に憲法がなかったら、どんなピンチが起きるのか?」
という視点から、憲法の役割をやさしく解き明かす。
































