留学するための英語力は? 家探しは? 学校でなじめた? テキサス大学に留学した早大生の「リアル」

Kiyopi
2026.05.25 12:20 2026.05.27 07:00

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国内の有力大学に合格しても、さらに学びを深めるために留学する学生は少なくありません。特に研究もビジネスもエンタメもグローバル化が進み、世界がベースとなっている現代では海外にさらなる学びを求める学生がいます。

本記事では留学を体験した早稲田大学生のきよぴさんに、「留学の実際」を素直に綴ってくださいました。(文・Kiyopi)

※本記事は2025年5月時点での執筆者の体験に従い執筆されものです。記事内で紹介された制度や環境などは状況に変わる可能性があります。
※写真はイメージです

留学を実際に体験して感じたこと、知ったこと

「留学」と聞くと、どこか遠い世界の出来事のように感じる人もいるかもしれません。しかし、早稲田大学国際教養学部では、留学は全員に課された「必須科目」です。二学期間、海外の大学で現地の学生と肩を並べて学ぶことは、この学部における教育の中核をなす体験です。

そんな中で、私が選んだのはアメリカの名門・テキサス大学。大学を選ぶ基準は人それぞれですが、私は「大学そのものの世界的な評価」に重きを置きました。出願準備、ビザの取得、住まいの手配、そして異文化の中での生活——交換留学は華やかさの裏に、計画性と強い意志が求められる試練の連続でした。

けれど、そのすべてが、自分の価値観を揺さぶり、世界を広げるきっかけとなったのです。本記事では、私の留学準備から現地での学び、生活までを振り返り、これから留学を目指す方へのヒントをお届けしたいと思います。

テキサス大学を選んだ理由

早稲田大学をはじめとする多くの有名大学では、世界中の大学と提携して交換留学制度を設けています。私が所属する国際教養学部では、二学期間の留学が必須とされているため、この制度を利用してテキサス大学に留学しました。

交換留学の提携先は、欧州からアジア、アフリカに至るまで非常に多様であり、どの国・地域が最適かは、自身が何を重視するかによって大きく異なります。私の学部では、美しい街並みや自然環境に魅力を感じてヨーロッパ諸国を選ぶ学生が多く見られます。

なかでも、ハンガリーやポルトガルといった英語が公用語ではない国々を選ぶ学生もおり、ヨーロッパ留学の中でも特にユニークな体験ができる留学先として注目されています。

一方、私の場合は、留学先の大学そのもののネームバリューを最も重視しました。交換留学の対象校の中から、必要書類や選考基準を自分の能力と照らし合わせたうえで、世界的に知名度の高いテキサス大学を志望校として選び、出願しました。

英語力試験のスコアが高ければ有利というわけではない?

留学のイメージ

交換留学は語学留学とは異なり、留学先で得た知識や経験をそれぞれの大学に持ち帰ることが期待されているため、出願にあたっては、それまでの成績やTOEFL・IELTSといった英語技能試験のスコアで自らの能力を示すことが重要となります。加えて、エッセイや教員からの推薦状の提出を求められるケースも少なくありません。

現地の学生と同様にフルタイムのスケジュールをこなすには、英検であれば準一級プラスアルファ、TOEFLであれば80〜85点以上のスコアが望ましいとされています。ただし、スコアは必ずしも高ければ高いほど有利というわけではありません。

仮にスコアの高さだけが評価されるのであれば、帰国生や海外経験の豊富な学生ばかりが選考を通過することになってしまいます。とはいえ、前述のような目安となるスコアを満たしていない場合、そもそも現地で授業についていくことが難しくなり、単位を取得することさえ困難になりかねません。

そのため、普段の大学の授業に真摯に取り組みながら、並行して英語学習にも力を入れる必要があります。私自身も、出願前の学期は特に忙しい日々を過ごしました。

英語力よりも「学業に対する意欲」が評価される?

日本の大学も、提携先の海外大学も、学生が交換留学制度を通じて新たなことを学ぶことを期待しています。これを踏まえると、前述の通り、たとえ英語力に自信がなくても、志望大学が提示する基準さえ満たしていれば、選考において帰国生などに後れを取ることはないと考えてよいでしょう。

その代わりに重視されるのが、出願時点までの学期におけるGPA(Grade Point Averageの略。成績の評価指標)です。送り出す大学と受け入れる大学の双方にとって、最も避けたいのは、留学先で学生の成績が振るわず、最悪の場合には単位を落としてしまうことです。

そのため、GPAは学生の学業に対する意欲を示す、唯一かつ最も信頼できる指標とされています。「大学は人生の夏休み」という言葉を耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、留学を通じて将来的に周囲と差をつけたいのであれば、まずは日頃の授業に真剣に取り組む姿勢が不可欠です。

ビザの取得のために必要な「大使館での対面面接」

ビザの準備はやや複雑です。留学先の大学が決まると間もなく、その学生が交換留学生であることを証明する書類が現地の大学によって発行され、それを日本の大学を通じて受け取るのが一般的な流れです。その書類を手元に準備し、大使館のウェブサイトからビザの申請を行います。

申請に際しては、安全保障上の質問にいくつか回答する必要がありますが、これらの質問はすべて英語で書かれています。オンラインでの申請を済ませた後、大使館での対面面接の予約を行います。この面接も基本的には英語で実施されます。

とはいえ、申請内容や面接で問われる事項はいたってシンプルです。渡航歴や出身大学、現地での専攻分野など、基本的な情報に関する質問が中心となります。TOEFLなどの英語技能試験で一定のスコアを取得できていれば、まず問題なく対応できるでしょう。

それでも不安な方は、事前にYouTubeなどでビザ面接に関する動画を視聴しておくと安心かもしれません。

授業料以外に必要な「保険料の支払い」

前述の通り、授業料は原則として日本の大学に支払えばよい場合がほとんどですが、それとは別に保険料の支払いが必要になります。

アメリカを含む欧米諸国では、軽い怪我や病気でも高額な医療費が発生することがあるため、早稲田大学をはじめ、多くの大学では海外留学者向け保険への加入が義務付けられています。私の場合、日本側の保険料はおよそ25万円でした。

さらに、留学先の大学によっては、その大学が提供する医療保険への加入を学生に義務付けている場合もあります。私もこのケースに該当し、早稲田大学で義務付けられている保険に加え、留学先の保険にも加入しなければならず、保険料の合計だけで約50万円の出費となりました。

住まいはどうやって確保した?

テキサス州・オースティンのダウンタウン

短期留学などのパッケージ型留学とは異なり、交換留学制度では、住居をはじめとする生活インフラの手配が学生に一任されています。したがって、留学が内定したら、なるべく早い段階で住居の確保に着手する必要があります。

住居の選択肢は大きく分けて二つあります。

一つは、大学が運営する寮に入居する方法です。こうした寮は、住人が全員学生であることが多く、キャンパス内に位置している場合も多いため、安全性の面では最も安心できる選択肢と言えるでしょう。ただし、立地の良さやセキュリティの高さから人気があり、高倍率の抽選を通過しなければならないこともあります。

もう一つは、自分で物件を探して契約する方法です。大学を介さない分、手続きが煩雑になる傾向はありますが、多様な選択肢の中から自分に合った物件を選べるほか、場合によっては家賃交渉が可能なこともあるというメリットがあります。

私は大学運営の寮を選びましたが、他の留学生の中には自分でアパートを探して契約した人もいました。ですので、住居の選択については、自身の好みや予算に応じて検討することをおすすめします。

アメリカの大学生の通学ファッションの実際

二学期間の留学では、多くの荷物が必要になるのではないかと考える方も多いかもしれません。しかし、食品を除けば、日本でもアメリカでも手に入る物に大きな違いはありません。

例えば、私は服をたくさん持って行きましたが、今振り返ると、必ずしも必要ではなかったと思います。洋服に関しては、古着屋(thrift shop)が盛んで、店舗によっては日本で購入するよりも安く手に入ることがあります。

また、特にアメリカ留学においては、普段のキャンパスライフでおしゃれを気にしすぎない方がよいかもしれません。現地の学生の多くは、シャツに短パンといった非常にラフな服装で授業に参加しています。日本でのように服装に気を遣いすぎると、留学生であることが一目で分かってしまい、現地に溶け込むという点では少し目立ってしまう可能性があります。

留学先での暮らし⋯フルタイムの学生と同様のスケジュール

いざ交換留学が始まると、現地の学生と同様のスケジュールに驚かされることがあるかもしれません。リーディングの量は膨大で、授業内でのディスカッションや教授からの発問も非常に活発であり、日本の大学とは異なる教育文化が根づいています。

英語が第二言語である場合、他の学生以上に予習・復習に時間をかけなければならないことを覚悟しておく必要があります。しかし、真面目に学業に取り組んでいれば、基本的に教授や周囲の学生が助けてくれることがほとんどです。

積極的に教授に質問をしたり、授業の前後に雑談を交わしたりすることもおすすめです。特に、アニメや漫画をはじめとする日本文化に関心をもつ学生は多いため、日本出身であることは、友人を作るうえで有利な文化的背景となるでしょう。

私が現地の授業で最も驚いたのは、テストの雰囲気でした。日本の大学では試験といえば厳粛な雰囲気がありますが、私の留学したテキサス大学では、多くの授業で教授がテスト中に内容に関する質問を受け付けており、中にはヒントを与える教授もいるほどでした。

そのため、しっかりと勉強をしていれば、テストは非常に透明性が高く、必ずしもストレスの多いものではないと感じました。

サークルとパーティー文化への自然な溶け込み方

アメリカと聞いてパーティー文化を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。その印象は決して的外れではなく、実際、大学では毎週末のようにどこかでパーティーが開かれており、学生にとって重要な社交の場となっています。

こうしたパーティーは、友人同士の集まりから学内クラブ主催のもの、さらには大学周辺のコミュニティが関わる大規模なものまでさまざまです。特に留学生にとっては、こうした場は現地の学生と打ち解けるきっかけとして非常に有効です。

ただし、いきなり大人数のパーティーに飛び込むのはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。その場合は、まずは何かしらのクラブ活動や学内サークルに所属し、そこで知り合った人を通じて招待される形で参加するのが自然でおすすめです。

そうすることで、顔見知りの人がいる安心感も得られ、よりリラックスした状態で現地の文化に触れることができるでしょう。もちろん、アメリカのパーティー文化にはアルコールの提供や深夜におよぶ開催など、日本とは異なる面も多くあります。無理をせず、自分のペースを守りながら楽しむことが大切です。パーティーを通じて得られる交流や経験は、留学生活をより豊かにしてくれるはずです。

留学生活を振り返ってみて

振り返ってみると、交換留学は事前準備から現地での生活に至るまで、多くの努力と適応力を要する経験でした。しかし、それ以上に得られた学びや出会いはかけがえのないものであり、自身の価値観や将来への視野を大きく広げてくれました。

現地での学業や人間関係において困難を感じる場面もありましたが、それを乗り越えるたびに自信がつき、今後どんな環境にも柔軟に対応できる力が養われたと感じています。これから交換留学を目指す方には、英語力や成績だけでなく、自分なりの目的意識と主体性をもって準備を進めていってほしいと思います。

留学は単なる「特別な経験」ではなく、自らの努力によって意味を育てていく「実践の場」であることを、私自身の体験を通して強く実感しました。

Kiyopi

2004年生まれ。都内⇄テキサス。小中は公立でのびのび学び、都立高校に進学。英語が好きで早稲田大学国際教養学部に現役合格。英語へのモチベは、更新されつづけている。受験や英語学習についてYouTubeで発信している。