手のかからない子ほど見えないストレスを抱える? 元教師が語る、親に知ってほしい学校のしんどさ

キャリー・A・フロー幸島守

周囲が「手のかからない子」と思っている子どもほど、学校生活での不満やSOSを心の奥に隠してしまいがちです。20年間の教師経験を持つ教育系YouTuber「キャリー先生」が語る、親からは見えにくい“学校という場所でのストレス“とは?

子どもが家庭で安心して過ごすために、親御さんに知っておいてほしいことを、キャリー先生の著書よりご紹介します。

本稿は、キャリー・A・フロー幸島守(著)『子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

学校はストレスがたまる場所

子どものSOSは「見えないメッセージ」です。とくに周囲が“ふつうの子““手のかからない子“と見ている子ほど、問題を起こさず、不満も見せないため、「学校に登下校する間の8時間」を見守る先生も、「家での8時間」を一緒に過ごす親も気づけないことがあります。

そのため、子どもはストレスを抱え、不安をため込み、不満をひとりで育ててしまうこともあるのです。

けれども学校に送り出す家庭が「安心・安全マイホーム」ならそうしたことは起こりません。ですから、子どもが学校から帰ってきたら、ホッとできる場所にしてあげましょう。そうした家庭は、親にとってもホッとできる場所になります。

「ホッとする時間」があれば、親にも余裕が生まれます。僕は、親の余裕を「心の余白」とも呼んでいますが、その「余白」が子どもの居場所になるのです。親の心の余白の中に、子どもの心のホッとする場所があれば、子どもに何かあったなら、いつもと違う何かを抱えていたなら、親はすぐに気づくことができます。

見えない、気づけない、言葉にならない“SOS“も聞こえてくるのです。

ママやパパは、「子どもは学校へ勉強をしに行っている」と思っていますよね? けれどもそれは、大人が勝手に決めたものです。「義務教育」と言っても、「はい。あなたの義務だから。ちゃんと勉強してね」と契約書にサインさせたわけではありません。

1年生の4月の頭に「ここに行きなさい」「この教室に座りなさい」と大人が決めた四角い場所で、1年間確定の「担任」の先生、数十人の「お友達」との生活がスタートします。それが子どもから見た「学校」です。

突然変わった日常生活の中で、子どもが、ストレスを感じるのは当たり前のこと。その前提からスタートしましょう。

ごめんなさい。驚かせたいわけではないのです。

僕も、20年間、小学校の教師をやってきました。学校批判をして、ママやパパに「気をつけろ!」と言いたいわけではありません。なんなら、僕は、子どもたちより小学校が大好きですから、「小学校は最高!」「ママもパパも安心してください!」と、小学校の良さや、小学校に通う価値や意義を、たくさんお伝えしたいと思っています。

でも、人は、新しい環境では、うれしくても、こわくても、ワクワクドキドキします。そのストレスが、不安にするのか、期待へと変えるのかで新しい環境での過ごし方は真逆に変わります。それは大人でも同じです。

だからこそ、ママやパパには知って欲しい。学校は疲れる場所。ストレスも感じる場所です。子どもは不安を抱えて帰ってきたのかもしれません。そう考えてください。その上で「余裕」を持って「余白」を用意して、子どもを送り出し、迎え入れて、家庭で過ごす子どもにまなざしを向けてあげてください。

子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言

キャリー・A・フロー幸島守(著)『子どものストレスと不安が軽くなる言語化 「べつに」を「あのね」に変える親のひと言』(KADOKAWA)

20年間【不登校児ゼロ】のレジェンド教師が教える!!
子どもの心を育てる“安心・安全マイホーム”

子どもたちの「心」は、我慢や根性によって鍛えられるものではありません。
安心できる関係性と、「大丈夫」と思える自己肯定感の積み重ねによって育まれます。
その土台となるのが、日々、家庭で交わされる親の何気ない“ひと言”です。

本書では、親の言葉が子どもの心にどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説するとともに、子どもの気持ちを支える具体的な声かけや会話の工夫を豊富に紹介していきます。

著者のキャリー・A・フロー氏は、20年にわたり公立小学校で教鞭を執ってきた教育現場のプロフェッショナルであり、二児の父でもあります。学校で見てきた子どもたちのリアルな悩みをもとに、教師と保護者それぞれの視点から、子どもに寄り添う関わり方を丁寧に解説していきます。