「今からゲームをします」で子どもは動く! 親の声掛けが響かない単純な理由
「片づけて!」「手伝って!」と何度声をかけても、まるで聞こえていないかのようにスルーする子ども。言うことを聞かない理由は、親の声かけが単純に「つまらない」からかもしれません!
小学校教諭・沼田晶弘先生によると、子どもは「面白い!」という気持ちがなければ動きにくいのだそう。では、子どもが思わず動きたくなる声かけとは? 本稿では、沼田先生の著書より抜粋してご紹介します。
※本稿は沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)より一部抜粋、編集したものです。
面白さを演出する
「面白い!」ナシに子どもを動かすのは難しい。いかに面白く見せるか知恵を絞ろう。
子どもはいつまでも2~3歳!?
大人が仕事をする理由は、「面白いから」「やりがいがあるから」もあるかもしれませんが、大きな理由は「お金がもらえるから」ではないでしょうか。何かのタスクをする際、大人には「生活のため」という大きな動機があります。対して、子どもには「生活のため」という動機は基本的にはなく、テストの満点やお手伝いでお小遣いがもらえることはあっても、勉強やお手伝いで大金を稼ぐことはできません。つまり、動機のほとんどは「面白いから」や「やっていて楽しいから」で占められていることになります。
ということは、その部分をくすぐっていけば、子どものやる気に火がつけられるのです。2歳や3歳の子が面白さでしか動けないということは想像しやすいと思いますが、小学生以上になっても基本は同じ。この側面においては、「彼らは2~3歳なんだ」といったん考えてみてください。これは決して子どもをバカにしているわけではなく、面白さを演出する必要性を親が忘れないようにする工夫です。
勉強は「勉強」と言った時点でもう面白くないし、練習は「練習」と言った時点でもう楽しくありません。ということは、勉強は勉強と思わせずに、練習は練習と思わせずにやらせればよいのです。
「形」から入ってやる気を引き出す
子どもをやる気にさせるにはネーミングやアイテムといった「形」も大事です。
たとえば、子どもがお風呂掃除に興味を持っていそうなら「お風呂大臣」とか「○○お掃除プロ」などと命名して、どんどんやってもらいましょう。ホームセンターなどに行って2000円くらい渡し、お掃除グッズから子どもに選ばせるのもおすすめです。マイブラシやマイスポンジがあれば気分も盛り上がるというもの。余裕があれば、シールなどでロゴを作り、グッズにつけてあげるとさらにやる気が高まるはずです。
ボクの友人の、あるお母さんも、これをやってみたところ効果てきめんで、1年生のお子さんが大喜びで毎日お風呂掃除をしてくれるのだと喜んでいました。
そして、こういうときに大事なのは、顧客(親)の喜びの声です。きれいにしてくれたあとは「すごくきれい! やっぱりプロは違うなあ」という感激の声も忘れずにかけておきましょう。「おかげでなんか時間できちゃったから、アイス食べる?」なんて言えば子どもも大喜び。次回からもきっと掃除をしてくれるでしょう。
“本物”“大人と同じ”で気分を盛り上げる
子どもは称号や、形から入ることがとにかく大好きです。子どものやる気を引き出すうえで、それを使わない手はないと思います。
学校では、体育の時間にバスケットボールをしたとき、チームごとに旗を作り、ワールドカップのテーマソングを流して入場からやったことがありました。みんな大盛り上がりでしたが、これをやると時間がかかるので、そのぶん1試合減ってしまうと子どもたちは気づきました。そこで、授業が始まる前にすべての準備を終え、ボクが体育館に入るときには全員入口のところに並んでいるようになりました。「授業の準備は早めにやっておくように」と言うよりもはるかに効果がありました。
このように面白さを演出すれば、自然と心も体も動きます。子どもは“大人と同じ”や“本物”が大好きです。お手伝いや習い事、勉強などでも、ぜひ道具やBGMやユニフォームなど、細部にこだわって演出してみてください。
子どもに対して面白さを演出するには、親の面白がり力をつけることも大切です。まじめな人ほど苦労するかもしれませんが、難しいなと思ったらまずは、子どもをどう動かすかよりも、自分自身が楽しむにはどうすればいいか、考えてみてください。
マイナスも逆手にとって、意地でも楽しむ
楽しくないことほど、面白さを演出するための工夫が大切です。
コロナ禍の際、学校の給食は「黙食」ということで、誰もが黙ったまま食事をするというルールになりました。子どもたちにとってはつらい給食期間だったのではないかと思います。そこで思いついたのが、みんなで恵方巻きを食べることでした。
恵方巻きは福を巻き込んだお寿司で、途中でしゃべると福が逃げてしまうという言い伝えがあります。つまり、恵方巻きにすることで、コロナに黙らされているのではなく、幸せをつかむためにあえて黙って食べるのだと、意味づけを変えたわけです。やるからには本格的にやろうと、その日その日の吉方位も調べました。「東だ!」となれば全員後ろを向き、西なら前、南なら窓のほうを向いて食べるわけです。廊下を通るほかのクラスの先生方は、ボクたちが毎回全員同じ方向を、しかも日によって異なる方向をじっと見つめながら食べている様子を不思議そうに眺めていました。
こんなふうに、逆境や大変な状況も、工夫次第でいくらでも面白くすることができると思います。つまりは発想次第。つまらないことほど面白く。あなたのなかの正解を取り払い、「何でも面白がってやる!」の精神でいきましょう。
沼田晶弘 (著) Masaki (イラスト) 『子どものやる気を引き出す「ほめる」よりすごい方法39』(高橋書店)
最近の子育ては「ほめて伸ばす」のが当たり前。子どもの自己肯定感を損ねないように、傷つけないように失敗させないように、すごいね上手だねを連呼する。
でも、本当にこれでいいのかな……。
そんな悩める保護者のみなさんに、MC型教師ぬまっちの痛快育児メソッドをお届けします。じつはよく言われている「自己肯定感」には勘違いが多くあったのです。
●「ほめられ方」を伸ばす
●ゴールやペナルティを勝手に変えない
●「だけ」の使い方をマスターする
●子どもは他人だと思え
子どものやる気を引き出す39のメソッドを、マンガと図解で徹底解説!
