たまごっちが昨年一番売れたおもちゃに! 開発者が語る、初代から変わらない「手がかかる魅力」

nobico編集部

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今年で30周年を迎える「たまごっち」。TOKYOおもちゃショー2026で特に注目を集めていたのが、最新シリーズ「Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)」です。

「日本おもちゃ大賞」のヒット・セールス賞を受賞した人気商品ですが、いったい何が子どもたちの心をとらえているのでしょうか?

トイ事業部 企画1チームの青柳知里さんに、進化を続ける「たまごっち」の魅力、そして30年変わらない「たまごっち」らしさについて聞きました。

「たまごっち」が5万通り以上に! 最新シリーズの魅力

─昨年、日本おもちゃ大賞で「デジタル部門大賞」を受賞した「Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)」ですが、今年は「ヒット・セールス賞」を受賞されましたね。おめでとうございます。

ありがとうございます。「ヒット・セールス賞」は、“2025年度の国内玩具市場を牽引し、売場に大きく貢献した玩具に贈られる賞“で、今回は、2025年夏に発売した「Tamagotchi Paradise」の初回ラインナップ3色が受賞しました。

たまごっちは30年の歴史を持つシリーズですが、「Tamagotchi Paradise」の好調な販売も後押しとなり、大台となる累計出荷数1億個を達成することができました。

─たくさんの方が遊んだのですね。大人にも人気がありそうですが、「Tamagotchi Paradise」の対象年齢は何歳ですか?

対象年齢は6歳以上で、私たちがメインターゲットとして想定しているのは、7〜9歳くらいのお子さんです。ただ最近は、懐かしさから購入される方も非常に多く、子どもから大人まで幅広い世代に楽しんでいただいています。

お子さん用だけでなく親御さん用にも購入して、一緒に育てたり、通信機能を使って遊んだりしているという声も多くいただいていますね。

─ユーザーは女の子が多いのでしょうか。

女の子向けのおもちゃとして展開してきたこともあり、女の子のユーザーが多い傾向にありました。ただ、「Tamagotchi Paradise」シリーズになってからは、男女を問わず楽しんでいただくケースが増えています。

私自身も息子がいるのですが、一生懸命たまごっちを育てています。「あんなに小さかった子が、小さな生き物のお世話をしている…!」と成長を感じて、思わずキュンとしてしまいます(笑)。

宇宙から細胞まで!? 「ズームダイヤル」で4つの世界を楽しめる

─「Tamagotchi Paradise」の魅力について教えてください。

一番の特徴は、本体右上についている「ズームダイヤル」です。このダイヤルを回すことで、たまごっちの世界をさまざまな視点から楽しめます。

まず最初は宇宙規模の「惑星モード」。そこからズームすると、育てたたまごっちたちが暮らす世界が見えてきます。たくさん育てていると、たまごっちたちがにぎやかに集まっている様子も楽しめます。

さらにズームすると、いわゆる従来のたまごっちらしいお世話モードになります。ごはんをあげたり、ミニゲームで遊んだりするモードです。

そしてもう一段階ズームすると、たまごっちの体の中へ。細胞レベルの世界に入り、病気になったときは、病気の細胞を退治してあげることもできます。

このように、4つのレイヤーを行き来できるんです。

惑星モードでは、惑星に大きなアクセサリーを付けることもできるんですよ。

─なるほど。盛りだくさんですね。

もうひとつの大きな特徴が、本体上部がパカッと開く構造になっていることです。通信するときは、本体同士をパチッと合体させて通信します。たまごっち同士を出会わせて友達を作ったり、さまざまな交流を楽しんだりできます。

26年夏に発売した新色のオレンジトロピクス」「ホワイトグレイシアでは、新しく通信対戦ができるミニゲームも追加されました。親子や友達同士で一緒に遊ぶのがより楽しくなっています。

─25年に発売されたバージョンと、26年発売の最新バージョンは一緒に遊べるんですか?

はい、たまごっち同士を交流させたり、通信を楽しんだりすることが可能です。ただし、通信対戦ゲームについては対応しておらず、今年発売の新機種同士でのみ遊べる仕様になっています。

「たまごっちは死ぬ」初代から変わらず大切にしていること

─初代で遊んだ時、育てたたまごっちが死んでしまうことにショックを受けたのですが、「Tamagotchi Paradise」でも、たまごっちは死んでしまうんでしょうか。

そうですね。健康に育てないと死んでしまうという要素は、初代から変わらず大切にしている部分です。

ただ、忙しい現代のお子さんや大人の方向けに「たまシッター」という機能を搭載しています。シッターに預けることで、常に付きっきりでお世話をする必要はなくなっています

─初代と比べると、かなり進化していて別のおもちゃのようにも感じます。そんな中で、変わらない魅力はどこにあるのでしょうか。

いろいろあると思いますが、まずはこの見た目ですね。たまご型の本体に画面があって、ボタンが3つ付いている。このデザインは、私たちもとても大切にしています。

お客様にとっても、「あ、たまごっちだ」とひと目でわかる象徴的な存在ですし、懐かしさを感じて再び手に取っていただくきっかけにもなっています。

また、遊びの中心がお世話であることも、歴代シリーズを通して変わっていません。小さな生き物にごはんをあげて、うんちを掃除して、病気になったら治してあげる。そうした日々のお世話を重ねるうちに、自然と愛着が湧いてくるんです。

少し手がかかるというか、世話が焼ける存在だからこそ感情移入してしまう。その愛おしさこそが、たまごっちらしい魅力であり、ほかのおもちゃにはない独自の遊びなのかなと思います。

5万通り以上!開発で苦労した「遺伝」の仕組み

─開発にあたって苦労した点は?

たくさんあったのですが…印象的なところでいうと、今回のたまごっちは非常にたくさんのキャラクターを搭載していて、たまごっち同士をブリードさせると新しい生き物が生まれてくるんですけど、両親の特徴を遺伝するような内容になっているんです。

体の色とか目の形が2代目に受け継がれて、その組み合わせによって、本当の生き物みたいに無限のバリエーションで生まれてくるんですね。5万通り以上に育てられます。

遊ぶのはすごくワクワクするんですけど、それをプログラムとして作って、チェックして……というところは、めちゃくちゃ大変でした。

─めちゃくちゃ大変ですよね。その小さい中に入っているわけですよね。

たかがおもちゃとはいえ、開発は結構ハードな部分があります。

─これは、なんだか一生遊べそうですね。

奥深いと思うので、ぜひ買っていただいて、遊んでみてください。

新しくも懐かしいたまごっち

白黒ドット時代の初代たまごっちで遊んだ筆者。最新の「Tamagotchi Paradise」の充実した機能には目が回りそうになりましたが、根底にある「小さな生き物を育てる、手間のかかる楽しさ」は変わっていませんでした。取材を終えるころには、40代の筆者も「また手に取って遊びたい」と思ってしまったほどです。

新カラーも登場し、ますます人気を集めそうな「Tamagotchi Paradise」。30年経っても変わらない魅力と、時代とともに進化する遊び、その両方が多くの人を夢中にさせ続ける理由なのかもしれません。