「テストが終わったらごほうび」は正解? ADHDの子を動かす動機づけのコツ

「テスト前なのに勉強を始めない」「何度声をかけても、なかなか動かない」…そんな子どもの姿に、つい「やる気あるの?」とイライラしてしまうことはありませんか。
実はADHDの子どもは、行動のきっかけとなる「動機」を自分で見つけることが苦手な場合があります。そこで大切なのが、親が動機づけをサポートすることです。
ADHDの子どもが動き出すための動機づけのコツを、小児科医・脳内科医の加藤俊徳先生の著書『すごいADHD脳─天才的な能力を200%引き出す方法─』から紹介します。
※本稿は、加藤俊徳 (著)『すごいADHD脳─天才的な能力を200%引き出す方法─』(ワニブックス)より一部抜粋、編集したものです。
親が子どもの動機を作るコーチになる

ADHD脳が自分で動機づけできるようになるには、的確な動機を、的確なタイミングで持てるよう、伴走して指導してくれるコーチが必要です。
そして、動機づけのコーチになれるのは、子どもにとって誰よりも身近な存在である親だけです。
例えば、テストが近いのに「めんどうくさい」「やりたくない」と、何もしない子どもを前にしたら、心配と苛立ちから叱ってしまうことがあるかもしれません。
でもこれは、子どもが怠け者だからサボっているわけではなく、脳が疲れてドーパミンが下がっているから。もともとドーパミン量が低く、何かを始めてもすぐにやる気が下がったり、違うことをしたくなったり、目に入ったものに気が移ってしまったりと、継続することが難しいのです。
ここに魅力的な動機があれば「目的(利益)のためになんとしても目の前の過程をこなすぞ」と、ドーパミンは増加し、人一倍エネルギッシュに取り組むでしょう。

しかし困ったことに、動機を見出す力が弱いのもADHD脳の特性。
そこで、動機づけのコーチとしての親の出番です。
子どもが不機嫌になったり、だらだらしていると気づいたら、脳が疲れていて休む必要があるか、または動機を探しているサインだと受け取ってください。
そんなときは叱るのではなく「いまやる気が起きないのは、ドーパミンが下がっているから」と原因を本人に伝え、いっそのこと「少し昼寝しようか」と誘ってみることもありです。
そして、ADHD脳を動かす、一番わかりやすい動機は「ご褒美」です。「テストが終わったら焼肉に行こう」「見たい映画を見に行こう」など、ご褒美を用意しましょう。
ご褒美のために動くことがクセになったらよくないと感じる人もいると思いますが、ADHD脳はご褒美(動機)がなければ動けないので、ここはご褒美(動機)のために動くことが習慣になったら花丸と考えてください。
ご褒美という目的を用意して、進む方向を示してあげるのです。
行動を起こすごとにご褒美を用意して動機づけをする。やり終えたらご褒美を得るという体験を繰り返して、親子で習慣にしていきましょう。
脳の疲労が原因で頭が働いていないことが多いので、睡眠がご褒美になることがベストです。十分な睡眠によってドーパミンを上がりやすくして、快適な気分になれば、小さな動機でも楽しく行動できるようになります。
寝ること自体をご褒美にするのは難しいかもしれませんが、質のよい睡眠をとり、朝すっきり起きられる体験をすることで、「朝を楽しく過ごせる」というご褒美を作ることはできます。
それを繰り返すことで、動機(ご褒美)を用意して行動するというパターンが染み込んで、徐々に親のサポートなしでもできるようになっていきます。
動機づけができないADHD脳は、学校や会社など集団に所属したとき、提出物を出せない、期限が守れないなどの周囲にもかかわる問題を起こしてしまいます。
困った人として扱われることで、自尊心を削られる二次被害も生じる可能性があるでしょう。
動機づけが自分でできるようになることは、ADHD脳が社会で生きていくための力となります。そのためにも、親はコーチ役としてしっかり努めていきましょう。






























