夏休みの宿題が終わらない!毎年最後までため込む子に「コツコツやりなさい」が無駄な理由

夏休みになると毎年のように繰り返される「宿題が終わらない!」の大騒ぎ。 「今年こそ計画的に」と誓ったはずなのに、結局ギリギリまでため込む我が子を見て、呆れてしまう親御さんも多いのではないでしょうか。
しかし、ADHDの特性を持つお子さんにとって、毎日少しずつ着実にこなす進め方は、実は非常にハードルが高いものです。
「毎日コツコツ」という理想を一度手放し、その上で夏休みの宿題を乗り切るための考え方とは?児童精神科医の本田秀夫の解説を、著書より抜粋してご紹介します。
※本稿は、本田秀夫 (著) フクチマミ(マンガ)『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』(バトン社/フォレスト出版)より一部抜粋、編集したものです。
つばささんの困りごと:夏休みの宿題が終わらない

ADHDの子どもは、過去にこだわらず「いまを楽しく過ごせる」という長所を持つことがよくあります。そうしたタイプは、周囲からおちゃめで少しお調子者に見えることもあります。さて、つばささんのケースはどうでしょうか?
夏休みの宿題をコツコツ進めることができない


夏休み前半は割り切って遊ばせて、ラストスパートをかけてもいい!
コツコツ計画的に進めていくのは苦手
ここで紹介するお子さんは、小3の夏休みに宿題をうまく進めることができず、家族に泣きついて手伝ってもらいました。反省して、翌年は計画的に進めるのだと宣言したものの、モンモンと過ごして宿題に集中できず、結局その夏も最後に大騒ぎになりました。
マンガのような出来事が毎年続くと、親としては「もう少し計画的に動いてほしい」と思うかもしれません。しかし、ADHDの子はこまかいことを一つひとつ着実にこなしていくのが苦手です。計画通りに頑張ろうとしても、思い通りにいかないことも多いのです。
一気に仕上げるほうがやりやすいかも
ADHDの子には、夏休みの宿題を毎日コツコツ進めていくよりも、一気に仕上げるほうがやりやすいという子が多いです。「宿題が残っていると気になって遊べないから、先
に済ませたい」と言って、7月のうちに終わらせる子もいます。早めに終わらせるパターンは、多動性や衝動性が強く、不注意の特性が目立たない子にみられることがあります。
逆に、不注意の特性が目立つ子では、後回しにして夏休み終盤までため込んでしまうことが多い印象があります。
マンガのように夏休みの宿題で困っている場合には、考えを切り替えましょう。計画的に進めていくのではなく、どこかで帳尻を合わせるスタイルにするのです。例えば30ページ分の宿題が出ていたら、大人は「1日1ページずつ進めていこう」と言いがちですよね。そのほうが簡単だからと。でもADHDの子にはそれが難しいんです。気が散ってしまう日もあります。毎日宿題の話をしていたら、子どもはその会話で消耗してしまいます。ただ、スイッチが入って勢いが出れば、夏休み中のどこか一日で30ページ分を一気に終わらせることはできるかもしれません。そういうスタイルが合う子もいるのです。
夏休み前半は遊んでいてもいい

マンガのお子さんにとって、小3の夏休みは「毎日思い切り遊んで→最後に大騒ぎして宿題を仕上げる」という日々になりました。翌年は「毎日悶々としながら宿題は進まず→最後に大騒ぎして宿題を仕上げる」という夏でした。
計画を立てても立てなくても、結局最後に大騒ぎをするのであれば、割り切ってしまったほうがいいでしょう。このタイプの子の場合、夏休み前半は何も言わずにお気楽に遊ばせておいて、後半になってから「ところで宿題はやったの?」と聞くくらいにしたほうが、お互いにラクです。
「コツコツよりも一発勝負!」「『前もって』よりもギリギリセーフ!」の精神です。
本田秀夫 (著) フクチマミ(マンガ)『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』(バトン社/フォレスト出版)
「もっと早く、自分の特性を知りたかった」
2010年代、成人ADHDの診断数は21.1倍に急増しました(※)。
いま、大人になって初めて自分がADHDだと知り、「子どもの頃に気づきたかった 」と語る人が増えています。
この本は、そんな“後悔の連鎖”を断ち切るために生まれました。
テーマは「ADHDの子どもたち」。
しかし本当に伝えたいのは――
大人になってから後悔しないための「子ども期支援」です。
ADHDの子にとって最も大切なのは、大人になるまでに、その子の持つ明るさを失わせないこと。
本書では、子どもたちが自分の特性を前向きに受け止められるよう、マンガ+専門解説で、具体的な関わり方や育て方をわかりやすく示します。
※著者・本田秀夫氏ら信州大学による2010年度〜2019年度の成人新規診断に関する調査。






























