忘れ物が多すぎる子に「親のサポート」はどこまでOK?児童精神科医が解説

何度注意しても直らない、我が子の忘れ物。実はADHDの特性を持つお子さんにとって、学校の準備は難易度が高いもの。「大人になって困らないように」と注意をしすぎると、かえって子どもを追い詰め消耗させてしまうリスクもあります。
では、 親のサポートはどこまでが適切なのでしょうか。児童精神科医・本田秀夫先生の著書より、「子どもを追い詰めない、正しい手の貸し方」を詳しく紹介します。
※本稿は、本田秀夫 (著) フクチマミ(マンガ)『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』(バトン社/フォレスト出版)より一部抜粋、編集したものです。
(マンガ:フクチマミ)
ゆうとさんの困りごと:忘れ物が多い

忘れ物やなくし物も、ADHDの子によく見られる困りごとの一つです。小学校低学年のうちは「まだ子どもだから」と大目に見てもらえることも多いのですが、中学年や高学年になると持ち物の管理を子ども自身が行うようになります。そのため、ADHDの特徴による困難が、より目立つようになることが増えていきます。
忘れ物が多いのに前もって準備もしない


いざというときだけ一発勝負! 集中して頑張ればいい
忘れ物をしないのは難しい

学校で先生の話をよく聞いて、帰宅後に持ち物を準備して翌日持っていくというのは、24ページの「廊下の棚の中からものを取ってくること」よりも難易度の高い作業になります。ADHDの子には難しい場合も多いです。
マンガでは、子どもを叱っても事態が改善しないため、親が積極的にサポートして、忘れ物を防ぐようにしていました。その場面を見て「こんなふうに手を貸していたら子どもが自立できないのでは」「もっと注意して、本人にやらせたほうがいいのでは」と感じた人もいるかもしれませんが、対応としては、このようなやり方で十分です。
確認させすぎると、強迫的に

どうしてマンガのやり方でOKなのかというと、忘れ物やなくし物が多少あっても、本人があまり落ち込まず、毎日を楽しく過ごせているからです。
子どもがたびたび忘れ物をしていると、親や先生は「もっとよく確認させなければ」と考えがちです。「大人になったときに本人が困るから」「この子のために」と言って、子どもに繰り返し注意しようとします。しかし、まわりの人が子どもに忘れ物を指摘したり、確認作業をうながしたりすることをやりすぎると、本人が強迫的になっていく場合があります。忘れ物がないかどうか、何度も何度も確認するようになることがあるのです。
そうすると、忘れ物は減りますが、本人はそのために並々ならぬエネルギーを使うようになります。夜遅くまで確認したり、翌朝も早く起きて再確認をしたりします。
本田秀夫 (著) フクチマミ(マンガ)『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』(バトン社/フォレスト出版)
「もっと早く、自分の特性を知りたかった」
2010年代、成人ADHDの診断数は21.1倍に急増しました(※)。
いま、大人になって初めて自分がADHDだと知り、「子どもの頃に気づきたかった 」と語る人が増えています。
この本は、そんな“後悔の連鎖”を断ち切るために生まれました。
テーマは「ADHDの子どもたち」。
しかし本当に伝えたいのは――
大人になってから後悔しないための「子ども期支援」です。
ADHDの子にとって最も大切なのは、大人になるまでに、その子の持つ明るさを失わせないこと。
本書では、子どもたちが自分の特性を前向きに受け止められるよう、マンガ+専門解説で、具体的な関わり方や育て方をわかりやすく示します。
※著者・本田秀夫氏ら信州大学による2010年度〜2019年度の成人新規診断に関する調査。






























