担任も気づかなかった小5娘の孤立…「今日も楽しいこと何もなかった」という口癖の裏側

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「誰も悪気なく、けれど結果として一人を除いた形で会話が進んでいく状況は、大人にとっても対応の糸口を見つけにくい」と語ります。担任にも気づかれなかった小5娘の孤立に、母親が使った問いかけとは。(写真はすべてイメージです)
教室の中で、存在だけが少しずつ透明になっていった
はっきりとした暴言や暴力はないのに、なぜか会話の輪にだけ入れてもらえない。小学5年生の娘のこの状態は、担任にも長い間気づかれていませんでした。
誰かがはっきりと悪口を言っているわけでも、物を隠されているわけでもありません。ただ、教室の中で娘の存在だけが、少しずつ透明になっていくような、そんな状況が続いていたのです。
母親が異変を感じ始めたのは、娘が「今日も楽しいこと何もなかった」という言葉を、あまりにも頻繁に繰り返すようになったことがきっかけでした。何もなかったという言葉の裏に、何かが確かにあるはずだという直感を、母親は拭えずにいたのです。
参観日に教室の様子を見ても、娘は特に孤立しているようには見えません。周りの子と同じ班にいて、同じ活動をしています。それでも、会話に加わる回数だけが、他の子と比べて明らかに少ないことに、母親は気づいていきました。
誰かが娘に意地悪をしているわけでも、露骨に無視をしているわけでもない。ただ、娘が話に加わろうとするタイミングで、いつも会話が別の方向に流れていってしまう。そんな場面を、母親は何度も繰り返し目にすることになったのです。
この現象に名前をつけられないまま、母親はしばらくの間、自分の感じている違和感が正しいのかどうかさえ、確信を持てずにいたといいます。
攻撃のない孤立という形
サイレントいじめと呼ばれるこの状態は、明確な攻撃行動がないため、いじめの定義に当てはまりにくく、教師のアンケートでも発見が難しいという






























