ヒーローがしりとりで「とんでもない姿」に…子どもが爆笑する『しりとりマン』はどう生まれた?
言葉がつながるたびに、ヒーローが変身!
――しりとりで言葉がつながるたびに、ヒーローの姿がどんどん変わっていく展開がおもしろかったです。しりとりでつかう言葉はどのように考えたのでしょうか?
最初はただの「ひと」ですが、次は「とり」で羽が生えて空を飛べるようになり、その次の「りす」では大きな前歯で硬いものを噛みくだけるようになる。
適当に言葉を並べているように見えるかもしれませんが、「空を飛べる」とか「強そうな武器」とか、ヒーローらしい能力から逆算して、つかう言葉を選びました。
しりとりの始まりと終わりの言葉は決まっていたので、その間に入れる言葉を選んでいく中で「これだとつながらない」「あまり面白くない」と、かなり試行錯誤しました。
――「りす」のページで、ヒーローが鉄をかみ砕く姿が印象的でした。
工夫したのは、言葉から子どもがなにを連想をするかという部分です。たとえば「りす」なら、ただりすを描くのではなく、りすのような大きな前歯で鉄をかみ砕く、強そうなヒーローを描いています。もちろん、実際のりすが鉄をかみ砕くわけではありませんが、言葉遊びとしてのしりとりの面白さと、絵を見て楽しむ面白さを掛け合わせています。
しりとりを続けていくうちに、だんだん無理が出てくるんです。かっこよくいきたいのに、どんどん太っていってしまったり。名前も長くなって、いろんなものがくっついて、結局むちゃくちゃなヒーローになっちゃう。でも、その途中が楽しかったり、出来上がったものがむちゃくちゃだけど、ちょっと面白かったりする。子どもの絵本って、ある意味の破綻があると面白いなと思っているんです。
脱線しても、それはそれで面白いとなるといいなと。あえて成功例を見せないというか、むしろちょっと失敗しているくらいのほうがいいかなと思っています。
「しりとり×ヒーロー」は、ありそうでなかった組み合わせ
――そもそも、なぜ「しりとり」と「ヒーロー」を組み合わせようとおもったのでしょうか?
僕は、絵本は何かと何かを足すと新しいものができる「発明」に似ていると思っているんです。子どもにとっても、関心のないものより、もともと好きなもの同士をくっつけたほうが、とっかかりがありますよね。
そこで考えたのが、昔から子どもたちの間で鉄板の遊びである「しりとり」と、子どもが大好きな「〇〇マン」の組み合わせでした。
――シンプルなタイトルですが、同じタイトルの絵本はこれまでになかったのでしょうか。
何万冊と絵本が出ている中で、「しりとりマン」というタイトルの本は一冊も出ていなかったんです。誰もやっていないなら、ここを掘ったら面白いかもしれないと思って企画しました。しりとりが「ん」で終わるゲームなのでので、「〇〇マン」という言葉も、ちょうどよかったですね。
しりとりの次の言葉を考えたり、ページをめくった先に現れるヒーローの姿を想像したり、自由な発想力を育む1冊! 大人数の読み聞かせにもぴったりです。
