学校ではいい子なのに…帰宅後にキャラが変わる子が抱える「脳疲労」の正体
学校から帰ってくると、不機嫌な態度でダラダラ過ごしている……実はそれ、学校で頑張りすぎた結果の「脳の疲れ」が原因かもしれません。
子どもの一見困った行動の裏に隠されたサインと、親が持つべき大切な視点について、小児科医・脳科学者の成田奈緒子先生の解説をご紹介します。
※本稿は、成田奈緒子著『子ども脳疲労: 不機嫌・ダラダラの原因は「脳の疲れ」だった』(日本文芸社)より一部抜粋、編集したものです。
家と外で様子が違うのは当たり前
家でダラダラと過ごしている子どもの様子を見て、少し心配な気持ちになったことはないでしょうか。宿題にすぐ取りかからない、机に向かっても長く続かない、少し声をかけただけで不機嫌になる。こうしたことが重なると、「集中力がないのでは」「やる気が足りないのでは」と感じてしまうこともあるかもしれません。
とくに、学校の先生から「授業中は問題ありません」「外ではきちんとしています」といわれるほど、家での様子とのギャップに戸惑います。「外でできているのなら、家でもできるはず」と考えてしまうのも、親として自然なことです。
けれど、子どもは、私たち大人が思っている以上に、外の世界で気を張って過ごしています。学校では授業を聞き、先生の話を理解しようとし、友だちとの関係にも気を配っています。発言のタイミングをうかがい、周囲の反応を感じ取り、集団の流れから外れないよう注意を向け続けている子も少なくありません。特別な出来事がなくても、「合わせ続ける」こと自体が負担になっているのです。
家でのダラダラは疲れているサイン
こうした緊張による疲れは、安心できる場所に戻ったときにあらわれやすくなります。家に帰ると急に力が抜け、何もせずに過ごしたり、動きがゆっくりになったりするのです。また、親の声かけに対して反応が鈍くなったり、返事がそっけなくなったりする場面も見られます。こうした姿は「ダラけている」「気が抜けすぎている」と受け取られがちですが、実は外で張り詰めていた状態から解放された結果なのかもしれません。
家は、子どもにとって一番気を抜ける場所です。その場所で見せる姿は、外では見せていない一面でもあります。むしろ、外で頑張っている子ほど、家で力が抜けやすい傾向があります。
集中が続かなかったり、不機嫌になったりする子どもの様子は、親にとっては心配の種になりやすく、「何とかしなければ」という気持ちを呼び起こします。ただ、それらは必ずしも困った行動とは限りません。子どもが自身の疲れている状態をうまく言葉で説明できない代わりに、リラックスできる家で自然とそれが態度や行動にあらわれている可能性もあるのです。
それにもかかわらず、「もっと頑張ればできるはず」「このままではいけない」と思うと、声をかける回数が増え、注意や励ましが重なり、子どもはさらに気を張る状態になります。親の不安が高まるほど、家のなかの空気も落ち着かなくなります。その結果、疲れが抜けにくくなってしまうことが非常に多いです。
脳が疲れているとき、人は集中したり意欲を保ったりすることが難しくなります。子どもも同じです。うまく頑張れないとき、その背景には脳の疲れがたまっている可能性があるのです。本書では、こうした状態を「子ども脳疲労」と呼んでいます。
家で見せる姿だけを見て、「この子は集中力がない」と決めつけてしまう前に、脳が疲れていないかという視点を持つこと。それが、子どもの状態を理解するための出発点になります。
成田奈緒子著『子ども脳疲労: 不機嫌・ダラダラの原因は「脳の疲れ」だった』(日本文芸社)
「子どもはいつでも元気」はもう通用しない!?
不機嫌・だらだら・集中切れは、「子ども脳疲労」が原因だった!
「うちの子、集中力がないのでは?」「すぐにシャットダウンしてしまうのは体力不足?」
そんな悩みを抱える親御さんは少なくありません。
しかし、その原因は性格でも、やる気の問題でもありません。
実は――子どもの「脳の疲れ」が関係している可能性があります。
かつては「子どもはいつでも元気」という考え方が一般的でした。
けれど現代の子どもたちは、情報量の増加、忙しいスケジュールによる睡眠不足、親の過干渉など、
目に見えない負荷を日常的に受けています。
元気そうに見えても、脳が十分に休めていない――
それが「子ども脳疲労」という状態です。
本書では、子どもの脳と発達を長年研究してきた専門家が、
「なぜ今の子どもは疲れやすいのか」
「脳が疲れると、行動や感情に何が起こるのか」 を、わかりやすく解説します。
さらに、家庭でできる環境の整え方や、
子どもが本来持っている回復力を引き出すための関わり方を紹介。
無理にがんばらせるのではなく、脳を休ませることで、子どもは自分から動き出す――
そのためのヒントが詰まった一冊です。
