やる前から「どうせ」と言い続ける小3娘…母親が気づいた口癖の裏にある「傷ついた経験」

熱海康太

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「『どうせ』という言葉は、期待を持ったことで傷ついた経験への防衛が言葉になったものだ」と語ります。「どうせ私なんか」が口癖になってきた小3の娘に、母親が「どうせって言うとき、どんな気持ち?」と聞いた日、言葉の裏にある具体的な経験が見えてきました。(写真はすべてイメージです)

「どうせ私なんか」が増えていった数週間

「どうせ私なんか」という言葉をリョウコ(仮名)が初めて言ったのは、夕食後に母親の麻子さん(仮名)が「今日の学校どうだった?」と聞いたときでした。小学3年生のリョウコは「どうせ私なんか大したことないし」と言ってから「体育があった」と続けました。

麻子さんは「どうせって何?」と少し強く聞きましたが、リョウコは「なんでもない」と言って話を終わらせました。それから数週間の間に、リョウコの会話に「どうせ」が増えていきました。「どうせうまくできないし」「どうせ選ばれないし」「どうせ私はそういうの向いてないから」。特に大きな出来事があったわけではありません。毎日少しずつ、その言葉が増えていきました。

麻子さんが気になったのは、リョウコが「どうせ」と言うたびに、何かを諦めていることでした。やってみる前に「どうせ」が来て、行動がそこで止まる。挑戦する前から結末を決めてしまっている。その繰り返しが、リョウコの中で習慣になりつつあるように見えました。

「どうせ」が口癖になるとき、何が起きているのか

「どうせ」という言葉は、期待を持ったことで傷ついた経験への反応です。挑戦して失敗した、頑張ったのに認められなかった、期待したのに裏切られた、こういった経験が積み重なると、