「助けて!」と叫ぶだけでは届かない? 地震で閉じ込められたときのSOS

片山誠
イラスト:しまりすゆきち
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地震でドアがゆがみ、子どもが家やトイレ、エレベーターなどに閉じ込められてしまうことがあります。そんなとき、「助けて!」と叫ぶだけでは、周囲に声が届かないことも。

ホイッスルや防犯ブザー、モノをたたく音、光など、声以外にも居場所を知らせる方法があります。

もしものときに子どもが落ち着いて助けを求められるよう、親が知っておきたいSOSの出し方を紹介します。

※本稿は、片山誠(著)『こども72時間サバイバル防災』(ライツ社)より一部抜粋、編集したものです。

さけぶだけでは助からない

家にいるときに起こりやすいピンチがある。それは、ドアが開かなくなること。地震のせいでドアがゆがんで、おしても引いても動かなくなるのだ。
玄関だけでなく、キミがトイレやおふろにいるときでも、同じことが起こるかもしれない。
ドアが開かない。外に出られない…家にとじこめられてしまったと気づいたとき、どうすればいいだろう。
まず、まどから出られるなら、それも1つの方法だ。


まども開かないときは、イスなどでガラスをわることも考えていい。
だいじょうぶ。おこられることはない。おうちの人にとっては、まどよりもキミの命が大事なんだから。

次に思いつくのは、外の人に助けを求めることだ。「助けてください!」と大声でさけぶ。…でも、いざというとき、キミの声はどこまでとどくのだろうか。
ためしに、校庭で友だちと名前をよび合ってみよう。どれくらいの遠さまで聞こえるだろうか。次に、建物のかげに行って、すがたが見えない場所からよび合ってみてほしい。急に聞こえづらくなるはずだ。
「ここにいるよ!」とさけんでも、伝わらない。声だけでキミのいる場所を伝えるのは、とてもむずかしいのだ。

イメージしてみてほしい。地震のあと、みんながパニックになっているときに、建物の中やガレキの下から助けを求めても、その声はとどくだろうか?
それに、大声を出し続けるのはとても体力を使う。ふだんあまり大声を出さない人は、すぐにのどがいたくなって、声が出なくなってしまう。
では、どうすればいいのか。
答えは、声とは別の方法で音を出すことだ。どんな方法があるか、見ていこう。

「声」以外でSOSを出す方法

ホイッスル(笛)

いちばん便利なのは、ホイッスルだ。ピーッと、するどい音が遠くまでひびく。それに、声とちがって何度続けてもつかれにくい。
ただし、聞こえにくいものもあるので、買ったあとにはかならず試しておくこと。

防犯ブザー

とはいえ、ホイッスルを用意していない家がほとんどだろう。そんなときは、ランドセルにつけているブザーが代わりになる。使いかたがわかっているので安心だ。

モノをたたく

どちらもないときは、とにかく固いものを一定のリズムでたたこう。たとえば、足元に転がってきたフライパンで、ドアやかべをたたく。
人はリズム感のある音に気づきやすい。コン、コン、コン…と同じリズムで続けるといい。

手をたたく

運が悪く、近くになにもなかったら、拍手でもいい。不自然な音が聞こえると、人は注意を向けてくれる。
災害のときにパチ! パチ! と聞こえるのはめずらしいので、気づいてもらえるかもしれない。

うら声「フォッ!」

手も足も動かせないときの、最後の方法。「フォッ!」という高いうら声は、ふつうの声より遠くまでとどく。コツは、犬の遠ぼえをマネするイメージだ。災害救助犬も気づくかもしれない。

音と同時に出したいのは「目」で見えるサイン…つまり、光だ。昼間でも意外と見える。かんたんなのは、スマホやタブレットのライト。鏡や食器を太陽の光に照らすのもいい。「なんか光ったぞ!」と、見つけてもらうことができる。

レスキュー隊は、すぐには来てくれない。だからまずは、近所の人に気づいてもらうことが大切だ。その場では助けてもらえなかったとしても、キミがいることをレスキュー隊に伝えてもらえる。

もしもエレベーターの中にいたら

地震が起こると、エレベーターのドアが開かなくなってとじこめられてしまうことがある。だから、地震を感じたらすぐにボタンを全部おそう。
そして、ラッキーなことにドアが開いたら、そこが何階でもかまわない。外に出よう。開かなかったときは、非常ボタンをおして助けを待つしかない。
避難するときにもエレベーターは使わないこと。地震のあとには「余震」が何度もあるからだ。東日本大震災や能登半島地震では、数分ごとに強いゆれがおそった。安心することなく、命を守る行動を続けてほしい。

もしも習いごと先にいたら

大地震が起こったら、電車やバスは止まってしまう。そんなときは、周りの大人をたよろう。たとえば、駅員さんの話を聞く。いったん習いごとの場所まで行く(もどる)。
もし、たよれる人がいなかったら、「子どもを連れて歩いている大人」に勇気を出して、こう言ってみよう。「こわいので、いっしょにいてもいいですか?」子どもといっしょにいる大人なら、キミを助けてくれるだろう。

こども72時間サバイバル防災

片山 誠 (著)『こども72時間サバイバル防災』(ライツ社)

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