ガレキで怪我したらまずどうする? 災害時、子どもでもできる応急処置

地震のあと、ガレキや割れたガラスでケガをしてしまったら、まず何をすればいいのでしょうか。
大きな災害では、救急隊がすぐに来られないこともあります。そんなときに知っておきたいのが、血を止める「止血」や、低体温症、熱中症への対処など、子どもでもできる応急処置です。
いざというときに慌てないために、親子で知っておきたい基本の対処法を紹介します。
※本稿は、片山誠(著)『こども72時間サバイバル防災』(ライツ社)より一部抜粋、編集したものです。
応急手当は子どもでもできる
キミは、いままでに応急手当をしたことがあるだろうか。応急手当とは、お医者さんにみてもらうまでのあいだに、ケガや病気がそれ以上悪くならないようにするための手当てのこと。
これを「ファーストエイド」とも言う。
たとえば、血が出ていたら血を止める、熱中症になったら体を冷やす。反対に、寒そうであれば体を温める。
むずかしいことをする必要はない。ほんの少し、できることをするだけでいい。それだけで、自分の命を守れることがあるし、大切な人を助けられることもある。
だから、ファーストエイドの方法を学んでおこう。
119(救急隊に電話する)
まず、最初にやるべきこと。大きなケガや具合の悪い人を見つけたときは、応急手当より先に、救急車をよぼう。
スマホの電話アイコンをタップして、「119」に電話をかけると、救急隊につながる。いまいる場所と具合の悪い人の様子を落ち着いて伝えよう。
ただし、災害のときはなかながつながらない。だからこそ、救急隊が来るまでにキミができることをやる。それが、ファーストエイドだ。
止血(血を止める)の方法
地震のあと、われたガラスやガレキで手や足を切ることはよくある。
血が出ているときは、できるだけ早く血を止めることが大切だ。
でも、あわてて人の血を手ぶくろなしでさわらないこと。血をさわることで、病気がうつることもあるからだ。
だから、止血をするときはかならず、使いすての手ぶくろをつけよう。
止血のやりかたは、次のとおりだ。
・キズ口をあらう
キズ口がよごれたままだと、ばいきんが入って悪化することがある。きれいな水があれば、まずは軽くあらおう。
・強くおさえる
できるだけきれいなガーゼやハンカチ、タオルなどをキズ口にあてて、フタをするように、しっかりおさえる。血がにじんできても、はがさない。その上から、もう1まい新しいものを重ねよう。もしガーゼなどがないときは、手でおさえ続けるだけでもいい。
血にはもともと、固まろうとする力がある。キズ口を強くおさえることで、その手助けをしてあげる。そんなイメージだ。
低体温症の手当て
人の体温は、ふだんは36度くらいある。でも、寒い場所に長くいたり、ぬれた服を着たままでいると、体の熱がどんどんうばわれていく。そして、体温が35度くらいまで下がると、「体のふるえが止まらない」「くちびるがむらさき色になる」「顔が青白くなる」。これが低体温症のはじまりだ。
もし、「ぼんやりしている」「うまく話せない」といった様子があれば、あぶないサイン。低体温症のファーストエイドは次のとおりだ。
・温かい場所に動かす
まずは風の当たらない場所や、屋内へ。
・ぬれた服を着がえさせる
ぬれた服は、体温をうばい続ける。早めにかわいた服に着がえさせよう。
・体を温める
毛布やアルミシートがあれば、全身を包んで熱を逃がさないようにする。首やわきなど太い血管が通っている場所をカイロで温めると、よりいい。意識があるなら、温かい飲み物や食べ物を少しずつとらせよう。
熱中症の手当て
反対に、暑い日に気をつけないといけないのが熱中症だ。よく聞く病気だが、キミは熱中症のメカニズムを知っているだろうか。
人の体は、暑くなるとあせをかく。そして、いっしょに体の熱を外に逃がすことで体温を下げている。でも、暑い場所に長くいると、水分や塩分が足りなくなったり(あせをなめるとしょっぱいはずだ)、体を冷やし切れなくなったりして、「頭がいたい」「めまいがする」「気持ち悪い」といった感じで、調子が悪くなる。
ひどくなると「けいれん」が起こることもある。そして、「体が熱いのにあせをかいていない」「意識がはっきりしていない」ときは、すぐに救急車をよばないとあぶない。
熱中症のファーストエイドは次のとおり。
・すずしい場所に動かす
日かげや風通しのいい場所へ。うちわなどであおぐのもいい。
・体を冷やす
まず、ボタンを外したり、チャックを下ろしたりして服をゆるめ、熱を外に逃がそう。次に、首・わき・足のつけ根など、太い血管があるところに氷などを当てて冷やそう。
氷がなければ水にかけるだけでもいい。とにかく、体を冷やすことが大事だ。
「助けられる人」から「助ける人」へ
こうしてやりかたを学んでも、ケガをした人や具合の悪い人をいざ目の前にすると、「自分にできるかな…」とまよってしまうだろう。
でも、考えてみてほしい。大きな地震のときこそ、救急隊はすぐには来てくれない。助けてほしい人にくらべて、助ける人の数が、まったく足りないのだ。
そんなとき、おたがいが助け合えるかどうかで、助かる命の数は大きく変わる。
だから、キミにも少しだけでいい。「助けられる人」から「助ける人」へ。その一歩をふみ出してほしい。
もちろん、子どもだけではどうにもならないときは、大人をたよろう。こまったときに人にたよるのは、決してはずかしいことではない。むしろ、むずかしい場面ほど、ひとりでできることのほうが少ないからだ。
行動する勇気も大切。でも、同じくらい助けを求める勇気も大切だ。おたがいに、たよったり、たよられたりしながら、ピンチを生きぬこう。
片山 誠 (著)『こども72時間サバイバル防災』(ライツ社)
NHKの人気番組「ドキュメント72時間」のように、地震発生からのサバイバルを「タイムライン形式」で掲載した、日本初の防災本!
「起こりえるピンチ」と「生きのこるすべ」がすごーくわかる!
イラストいっぱいでわかりやすい、「いのちの守り方」を親子で学べる一冊です。


































