不登校だと中学校は卒業できない?高校進学のために親が知るべき「出席の線引き」

不登校が続くと、「このまま中学を卒業できるのか」といった不安がのしかかってきます。特に進学への影響については、心配が大きくなるのではないでしょうか。
しかし、不登校の期間の過ごし方や学校との関わり方によって、その後の選択肢は変わっていきます。
本記事では、不登校支援に携わる臨床心理士・小林正幸先生監修の本より、卒業や出席の考え方、そして家庭以外の居場所としての「サードプレイス」の重要性について整理しながら解説します。
※本稿は、小林正幸 (監修) 『子どもの不登校が心配になったら知りたいことが全部のってる本 (知りたいことシリーズ)』(主婦の友社)より一部抜粋、編集したものです。
義務教育は「在籍」していれば原則、卒業できます
不登校が長引いたらサードプレイスを探そう
小学校や中学校で不登校になった場合、学歴はどうなるのか心配になる人も多いと思います。結論から言えば、義務教育の場合、学校に通っていなくても中学校までは卒業できます。卒業の条件は出席日数とは無関係で、学校長の判断で進級・卒業が決まるのです。
極端な話、小1から中3まで学校に1日も登校していなくても、4月になると上の学年に進級し、6年後には中学校に進学し、中学3年の3月末には卒業します。不登校だからといって、中学校の卒業資格を得られないことはまずありません。
大事なことは「在籍」です。学校に名簿がなくては卒業資格を得ることができません。たとえば私立中学に入学して不登校になり、その学校を退学してフリースクールに通ったとします。しかしフリースクールは「学校教育法第一条」に定義された学校ではないため、ここを卒業しても中学卒業資格は得られません。私立中学を退学した時点で公立中学校に籍を移して「在籍」し、その学校を「卒業」する必要があるのです。逆に言えば、無理に在籍校に戻る必要もないということです。学校に籍を残したままで、子どもが安心できる居場所を探すのも一つの方法です。
「学校に戻る」を目標にしない不登校期間の過ごし方

step1:まずは家で休養・回復
不登校が始まった時点で大事なことは、休養させること。親は学校と相談しつつ、子どもの心のエネルギーが回復するのを待ちます。
step2:休日に外出してみる
気をつけたいのは、ひきこもり状態にならないこと。平日の昼間に外出するのは気が引けるとしたら、せめて休日は家族でおでかけを。
step3:興味や関心に基づく活動に参加
オンラインゲームなどからでもいいので、誰かといっしょにする活動をスタート。生活空間を少しでも外に広げることが大事。
step4:「サードプレイス」を探す
家庭(ファーストプレイス)、学校(セカンドプレイス)だけでない3つ目の場所として、子どもが通える学びの場を見つけたい。
step5:高校進学の準備をする
中3の秋ごろまでには、高校進学を見越して学校選びを始めたい。学校の候補は親が探したとしても、最終的な決断は子どもがすることが大事。
高校進学を見すえて必要なのは出席日数の確保

出席扱いにするかどうかは最終的には学校長が判断する
出席日数がゼロでも中学校は卒業できますが、出席日数が少ないと困るのが高校受験です。公立高校を始め、多くの高校では学力試験のほかに、在籍中学が作成する調査書(内申書)の提出が求められるからです。そこに記載された出席日数が、希望する高校の基準日数に達していなければ入学できない可能性があります。
しかし、ここ数年で状況が変わり始めています。文部科学省は2019年、従来の別室登校だけでなく「フリースクールなど民間の施設で学習指導を受けている場合」「オンライン学習をしている場合」も出席として認めるよう通知を出しました。
では、成績評価はどうでしょう。授業に出席せず定期テストも受けていない場合でも内申点はつけられるのでしょうか。これに関しては2024年に文科省が通知を出し、フリースクールとの連携やオンライン教材による学習成果も、中学校の成績に反映することを明示しています。とはいえ、それらをどう取り入れるかは学校長の判断にゆだねられています。実際に「フリースクールに登校しても出席扱いにはしない」という学校があるのも事実です。親は学校と話し合い、子どもが希望の進路に向かえるよう情報収集をしていくことが必要です。
小林正幸 (監修) 『子どもの不登校が心配になったら知りたいことが全部のってる本 (知りたいことシリーズ)』(主婦の友社)
2024年度の文科省の調査では、小中学生の不登校は過去最多の約35万人(年間欠席30日以上)。欠席は30日に満たなくても、教室に入れず保健室で過ごしているなど不登校傾向の子どもは100万人を超えると推計されています。「まさか、うちの子が」と動揺しているのはあなただけではありません。子どもに「学校に行きたくない」と言われたら、親はどうすればいいのか。本書では、初期のメンタルケアから、家庭を「安心できる居場所」に変える環境づくり、不登校中にやれること、出席扱い制度のこと、フリースクールや通信制高校といった最新の進路事情までを網羅しました。不登校は「終了」ではなく、子どもが自分らしく生きるための「再起動」のきっかけです。心配ばかりが膨らみがちな親御さんに、本書を読んで次のアクションに繋げるためのヒントを見つけてほしいと願っています。































