体育の授業が怖くて腹痛を訴える小5息子…子どもを変えた母親の「たった一つの問いかけ」

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「チームに迷惑をかけるという思い込みは、実際に起きたことではなく感じ方から生まれていることが多い」と語ります。

体育の授業が怖くて腹痛を訴えていた小5の息子に、母親が「実際に何か言われた?」と聞き続けた日から、息子の思い込みが少しずつほぐれていきました。(写真はすべてイメージです)

「体育だけは休みたい」と言い続けた息子

「体育だけは休みたい」という言葉を、小学5年生のシンゴ(仮名)は何度かこぼしていました。特に球技の授業がある日は朝から気分が重く、腹痛を訴えることもありました。母親の文子さん(仮名)が「なんで体育が嫌なの?」と聞くと、シンゴは「どうせ僕がいるとチームが負けるから。みんなに迷惑かける」と言いました。

文子さんは驚きました。シンゴは体を動かすこと自体は好きで、家の近くの公園で一人でボールを蹴ることもあります。体が動かせないわけではない。しかしチームのいる授業の場面では、自分が足を引っ張るという強い思い込みがあったのです。

「誰かに何か言われた?」と文子さんは聞きました。「言われたわけじゃないけど、なんか顔見たらわかる。僕がボール取れなかったとき、みんながため息ついてる気がする」とシンゴは言いました。

「顔を見たらわかる」という感じ方の構造

シンゴが感じているのは、実際に誰かから言葉で攻撃されているのではなく、「相手の表情や態度から自分への失望を読み取っている」という状態です。言葉として証拠はないが、感じていることは本物という状態です。

この感じ方は、社会的不安の強い子に多く見られます。