おこづかいが少ないと子どもに「浪費グセ」がつく? 貯める力を育てる渡し方

にぐ先生
2026.07.13 14:41 2026.07.21 11:50

小学一年生の女の子が空っぽの財布の中身を見せているようす。

おこづかいが少なすぎると、子どもに「もらったお金は全部使う」という習慣が身についてしまうことがあります。

もし、その習慣が大人になっても続いたらどうでしょうか。

子どもが小さい頃からおこづかい制度を通して「自分のためにお金を貯める」経験を重ねることが、貯金する力と計画的にお金を使う力を育てる第一歩になります。

“何も売らないファイナンシャルプランナー” にぐ先生の著書『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』より、令和のおこづかい教育についてご紹介します。

※本稿は、にぐ先生(谷口達也)著『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社)より一部抜粋、編集したものです。

少額のおこづかいでは「浪費の楽しさ」を覚えるだけ 

たとえば今、子どもが小学生だとして、1か月に500円のおこづかいを渡しているとします。

もらった子どもは、喜んですぐに使いますよね。

だって、500円ですよ。物価が上がっている今の時代、ファストフードやスーパーのお菓子を買ったら終わってしまう金額です。

子どもが毎回、すべて使い果たして、貯金箱が空っぽでも仕方ありません。

年齢や学年などで金額は変わるでしょうが、こうした最小限ギリギリのおこづかいを毎月渡しているという親は、けっして少なくはないと思います。

多くの場合は「子どもにあまりお金を持たせたくない」など、親として心配する気持ちから最低限の金額になるのだと思います。または「甘やかしたくない」という、しつけの意味もあるのかもしれません。

でも、思いがけないことかもしれませんが、おこづかいが少なすぎると、子どもに「もらったお金は全部使う」という習慣をつける原因となります。

習慣とは恐ろしいもの。長い間、ギリギリのおこづかいしかもらっていないと、子どもは「とにかくお金を使いたい」と、よく考えずに欲しい物を買ってしまい、お金を貯められなくても「それが普通、当然のこと」と思うようになっていきます。

この場合、子どもに浪費グセをつけた犯人は… そう、親なんです。

やがて、子どもが成長して社会人になったとき、無意識に「手元にあるお金は、すべて使ってもいい」と思っていたとしたら?

残念ながら「お金に困る大人」になることが目に見えています。

さすがにすべてを使い果たすことはないだろうと思うかもしれませんが、実はそうでもありません。

『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』より

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たとえば、20代から70代までの世帯主の年齢別、金融資産の有無を調べたデータがあります (①)。

全体のおよそ2~3割の人が、貯金や株式、投資信託などの金融資産を保有していないとわかりますが、特に20代の若者の非保有率は高めです。つまり、「給料を使い果たしている」という状況なのです。

低賃金や物価高ももちろん大きな原因ではありますが、そもそも「金融資産を残そう」という意識も低いといえるのではないでしょうか。

子どもの浪費グセは、大人になって急には直りません。

浪費が習慣になり、貯金ができなくても「当然」ならば、社会人になって給料をもらっても「貯めるより、使ってしまおう」と思う若者も当然多くなるでしょう。

お金の使い方は人それぞれですが、若いうちから少しずつでも金融資産を増やしていければ「お金に困らない大人」になる確率はぐんと高まります。

デンマーク工科大学による、家庭の金融教育が子どもの成人後の資産形成に与える影響についての調査では、親が子どもに貯金などの声かけをしていたほうが、大人になってから金融資産が約9割多かったというデータもあります。

また、自分名義の貯金口座のある子どものほうが、大人になってからの貯蓄率が高く、貯蓄額が多かったという報告もあります(②)。

子どもが社会人になってから「ちゃんと貯金しなさい」と親が口うるさくいうよりも、子どもが小さい頃からおこづかい制度を使って「自分のためにお金を貯める」ことを教えるほうが、ずっと合理的で着実なのです。

【参考文献】
①「 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」(2023、知るぽると)
② Bucciol, Alessandro, Martina Manfrè, and Marcella Veronesi. (2022). “Family Financial Socialization and Wealth Decisions.” The B.E. Journal of Economic Analysis & Policy.

にぐ先生

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谷口達也 1985年、岐阜県生まれ。株式会社マネーシフト代表取締役。 大手証券会社を2社経て独立後、現在のFP 法人を設立。主に金融教育事業を行ってお り、大人向けだけではなく、小中学生向け にも「おやこde資産形成アカデミー」という 金融教育事業を展開中。

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にぐ先生 (谷口達也)著『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社)

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