点数より先に「自分ではどう感じた?」と聞いた父親…小6息子の受験の主語が変わるまで

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「恐れによって駆動される努力は、困難にぶつかったときに踏ん張る力を生み出しにくい」と語ります。模試の結果を見るたびに父親の表情をうかがっていた小6の息子が、自分の言葉で目標を語れるようになるまでの数か月を追います。(写真はすべてイメージです)
父親の表情をうかがう癖
小学6年生のソウタ(仮名)は、模試の結果表を見るたびに、まず父親の表情をうかがう癖がついていました。点数の良し悪しよりも先に、「お父さんはどう思うだろう」という視線が、ソウタの中では常に先に立っていました。
父親の隆さん(仮名)自身は、期待をかけているつもりであっても、それを押し付けているつもりはありませんでした。しかしソウタの中では、いつの間にか受験そのものが「父親を満足させるための作業」になっていたのです。
親の期待に応えるための受験は、短期的には子どもを動かす力を持ちます。叱られたくない、がっかりされたくないという気持ちは、確かに一定の努力を引き出します。しかしこの動機は長続きしにくく、また本番が近づくにつれて強いプレッシャーとして子どもを追い詰めていくリスクを抱えています。
恐れによって駆動される努力は、目の前の課題をこなすことはできても、困難にぶつかったときに踏ん張る力を生み出しにくいという性質を持っています。教育心理学の研究では、外発的な動機よりも、自分自身の目標として捉えられている内発的な動機のほうが、長期的な学習の持続性や、困難に直面したときの粘り強さを支えることが繰り返し示されています。
「誰のための目標か」を、言葉にして確認する
隆さんがまず試みたのは、志望校について話すときに






























