点数より先に「自分ではどう感じた?」と聞いた父親…小6息子の受験の主語が変わるまで

熱海康太
2026.07.21 15:32 2026.07.25 19:00

勉強する男の子

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「恐れによって駆動される努力は、困難にぶつかったときに踏ん張る力を生み出しにくい」と語ります。模試の結果を見るたびに父親の表情をうかがっていた小6の息子が、自分の言葉で目標を語れるようになるまでの数か月を追います。(写真はすべてイメージです)

父親の表情をうかがう癖

小学6年生のソウタ(仮名)は、模試の結果表を見るたびに、まず父親の表情をうかがう癖がついていました。点数の良し悪しよりも先に、「お父さんはどう思うだろう」という視線が、ソウタの中では常に先に立っていました。

父親の隆さん(仮名)自身は、期待をかけているつもりであっても、それを押し付けているつもりはありませんでした。しかしソウタの中では、いつの間にか受験そのものが「父親を満足させるための作業」になっていたのです。

親の期待に応えるための受験は、短期的には子どもを動かす力を持ちます。叱られたくない、がっかりされたくないという気持ちは、確かに一定の努力を引き出します。しかしこの動機は長続きしにくく、また本番が近づくにつれて強いプレッシャーとして子どもを追い詰めていくリスクを抱えています。

恐れによって駆動される努力は、目の前の課題をこなすことはできても、困難にぶつかったときに踏ん張る力を生み出しにくいという性質を持っています。教育心理学の研究では、外発的な動機よりも、自分自身の目標として捉えられている内発的な動機のほうが、長期的な学習の持続性や、困難に直面したときの粘り強さを支えることが繰り返し示されています。

「誰のための目標か」を、言葉にして確認する

隆さんがまず試みたのは、志望校について話すときに

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熱海康太

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大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。