きょうだいゲンカは止めなくていい? 話し合う力を育てる方法

天野ひかり
2026.07.29 17:57 2026.08.14 11:50
『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』より
マンガ:とげとげ。
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きょうだいゲンカが始まるたびに、「早くやめなさい!」と仲裁したり、最後は親が怒って終わってしまったり……。そんな毎日に悩んでいませんか? 実は、きょうだいゲンカは止めるものではなく、子どもが「対話のコツ」を学ぶ大切な場でもあります。親がどちらが正しいかを決める「裁判官」ではなく、子どもの気持ちを言葉にする「通訳」に徹することで、伝える力や話し合う力、自分で解決する力が少しずつ育っていきます。その関わり方のコツをご紹介します。

※本稿は、天野ひかり (著)『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉(特装版)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋、編集したものです。

こんなときどうする!?
きょうだいゲンカを解決する効果的な方法は?

ケンカは「対話のコツ」を学ぶ場に
おうち時間が増えると、きょうだいゲンカも増えますね。
ケンカが始まる。
→「仲よくしようね」と優しく伝える。
→ケンカをやめないどころかヒートアップ。
→親は、結局怒ってしまう。
→子どもたちは、泣いて終わる。
……という繰り返しで、「親としてどう接したらいいですか?」というご相談がとても多いです。NGマンガを見てみましょう。
子どもたちにとっては、ケンカも「ストレス発散の一部」かもしれませんね。


どうせケンカをするなら、いっそ対話のコツを学ぶ場に変えてしまいましょう。
「ケンカから学べることなんてあるの?」と思うかもしれませんが、
● 外での上手なケンカの仕方
● 上手に自分の意見や考えを伝えること
きょうだいゲンカからは、こんなことを学べるようになるのです。

『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』より
マンガ:とげとげ。

親は通訳に徹する

「どうやってケンカをやめさせるか?」という発想では、子どもたちの
● 主張する力
● 交渉する力
● 妥協点を見つける力
などが育つ機会を奪うことにもなります。非常にもったいないですね。
だからといってケンカを放任しても、こうした力はなかなか育ちません。ぜひ親が「言葉」という武器を与えて、話し合いができるように努めましょう。
そのために親にできることは、「通訳」に徹することです。OKマンガを見てみましょう。

きょうだいゲンカが始まったら、OKマンガのように通訳を繰り返します。
うまく言えない気持ちを親が言葉に置き換えていくことで、子どもも表現力が身につき、言葉で伝えられるようになっていきます。
親が、どちらにも正論を強要せず、中立的な立場で向き合うことで、子どもは安心します。

そして自分がすべきことを考えられるようになっていくのです。
親としては、正しい解決法を教えなければ!という思いから、どちらが正しいのかを決める「裁判官」になってしまいがちです。親が裁判官になると、子どもの自分で考える力は育ちませんし、何よりフェアではありません。きょうだいには、感情の伝え方や体力などに年齢差があるので、その不公平感を「通訳」に徹して埋めてあげられるといいですね。

『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』より
マンガ:とげとげ。

ケンカは親が解決するものではない

あきらかにお姉ちゃんが悪いとわかっている場合でも、通訳に徹してくださいね。どちらが「悪い」「正しい」を決める必要はありませんし、決められないと思います。
自分の考えや希望をどう説明をしたら、わかってもらえるのか?を考える練習にしてしまいましょう。きょうだいゲンカが、これからの長い人生の中できっと役立つはずです。

ケンカが続くようなら、「いや」に対して、条件(例えば、「そおっとだったら触っていいよ」など)をつけるのもおすすめです。「いいよ」と言える練習になります。
こんなに丁寧に接する余裕がない……という方も多いかもしれません。でもケンカのたびに怒ってやめさせ続けても成長はありません。
目標は、この先子どもたちが自分でケンカを解決(議論)できるように育てること。遠回りに見えますが、きっとこれが早道です。
理不尽なことや思いどおりにならないことにぶつかったとき、自分で解決できる力を持つ子に育てていけるといいですね。

『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』より

天野ひかり

NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、フリーアナウンサー。上智大学文学部卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げたNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、一般社団法人グローバルキッズアカデミー主席研究員。主な著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)など。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉 (特装版)

天野ひかり(著)とげとげ。(マンガ)『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉(特装版)』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
5万人以上の親子の悩みから導き出した、自律する子どもが育つ「伸ばす言葉」と子どものためを思って言ったのに、「実は否定している言葉」。子育てに関してイライラや不安を感じている方にこそ読んでいただきたい、「今日から使える」「子どもを伸ばす言葉」が身につく一冊です。