子どもの習い事にバレーボールはあり?“つなぐスポーツ”だからこそ身につく力とは

川合俊一(監修), 山城稔(著)
2026.08.12 13:39 2026.08.18 11:50

バレーボール

バレーは「つなぐスポーツ」とよく言われます。しかしその本質は、ただボールを落とさずにつなぐことだけではありません。

U16~U23世代の女子日本代表監督やコーチを歴任したプロバレーボールコーチの三枝大地さんは、バレーの魅力は、「人をつなぐこと」にあると話します。チームに入団したばかりの小学3年生の息子を持つ父親も、三枝さんの言葉を通じて、バレーだからこそ身につけられる力に触れていきます。

休日は小学生男子バレーの指導を行うライターの山城稔さんによるインタビューを、書籍『子どもがバレーボールを始めたら読む本』より抜粋してお届けします。


※本稿は、『子どもがバレーボールを始めたら読む本<11人の賢者に聞いた100の習慣>』(川合俊一(監修), 山城稔(著)/ベースボール・マガジン社)から一部抜粋・編集したものです。

バレーで得られることは? 他のスポーツとの違いは?

バレーボール

筆者:バレーで得られることってなんでしょう。他のスポーツとの違いは?

三枝:圧倒的に違うのは「ボールを持てない」「止められない」ということですよね。これはバレーの特性で、難しいスポーツなんですよ。あらゆる能力に、高いレベルが要求されます。もう一つの大きな特性は「一人ではプレーが完結しない」ということです。いいスパイクを打とうと思ったら、まず仲間にいいパスを出さなければならない。「仲間を生かすことで、自分も生かされる」というスポーツなのです。

筆者:バレーはよく「つなぐスポーツ」と言われます。

三枝:「ボールをつなぐ」だけじゃなく「人をつなぐ」という特性もある。「オレ、あいつのこと嫌いだもん」って言ってたら、トスが上がってこない(笑)。「人をつなぐ」とか「人を生かして自分も生かされる」って、もちろんバレーでは大事なんですけど、これって人生のあらゆる場面で必要なことですよね?

父親:そうですね。会社でも、やはり一人の力だけでは何もできませんからね。

三枝:どの世界にいても「つなぐ」は必要なんです。バレーではレベルが上がっていくほど「人を生かして自分を生かしてもらう」ことが大事になってきます。つまりバレーは極論すると、「人をつなぐこと」をやってるんです。「私はバレーボールをやっています」と言うのは「私は人をつないでいます」というのと同じなんですよ。私は大学を卒業後、最初は一般企業に勤めました。だけど1年半で辞めて青年海外協力隊に応募して、南米のチリに赴任したんです。最初は言葉が通じません。それでも人間関係を築き、チリではバレーボールチームや地域のバレーボール協会も設立しました。「つなぐ」というのは最強の能力なんです。それを得られるのは大きな強みです。

コート以外の考え方や行動が、そのままバレーに現れる

母親に叱られても不真面目な小学生

筆者:コート以外の生活面が大事になってきますね。

三枝:はい。人との関係性は、自分の表情や言葉がけ、醸し出す雰囲気などによって決まってきますからね。普段の行動ですよね。口ではうまいこと言っても、行動が伴わなければ信用されません。本当に「コートの中で起こることは、普段の考え方や行動の結果」なんですよ。普段の私生活の集大成だと、私は思っています。逆に言うと、コートの中でできないことは私生活でもできない。その子の普段の考え方や行動を見ていたら、コートの中で何が起きるか、ある程度わかります。

筆者:例えば、どのようなことですか?

三枝:例えば、いつもサボってしまう人間は、コート上でも無意識にサボるクセが出る。大事なところでボロが出るんです。バレーだけが特別に切り離されているわけではなく、普段の延長線上なんです。

山城稔

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編集者・ライター。1966年9月13日生まれ、神奈川県川崎市生まれ。法政二高バレー部時代に春高準優勝、インターハイ優勝、国体優勝を経験。法政大学卒業後、出版プロダクションに勤務。編集長を務めた後、(株)BE-millionを設立。前職も含め700冊ほどの本に携わる。休日は小学生バレーの男子チームで指導を行う。仕事、家庭生活、バレー指導、それぞれの反省と学びを、相互的、相乗的に人生に生かし、感謝の心で高め合うよう努めている。

川合俊一

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1963年2月3日、新潟県生まれ。中学生のころからバレーボールをはじめ、明大中野高校を卒業後、日本体育大学へ進学。センタープレーヤーとして活躍し、大学4年時にロサンゼルス五輪出場。富士写真フイルム社へ入社後も全日本の中心選手としてチームをけん引。ソウル五輪にも出場を果たす。全日本の主将も務めた。インドア引退後は日本人初のプロビーチバレーボール選手として世界ツアーに参戦。その後はスポーツキャスターや解説者として幅広く活躍。現在は日本バレーボール協会会長、日本ビーチバレーボール連盟名誉会長などを務め、日本バレーボールの発展・普及に尽力している。

子どもがバレーボールを始めたら読む本<11人の賢者に聞いた100の習慣>

子どもがバレーボールを始めたら読む本<11人の賢者に聞いた100の習慣>』(川合俊一(監修), 山城稔(著)/ベースボール・マガジン社)

バレーボールを始めた小学生、中学生の親御さんが、子どもたちを支えるにあたり知りたいこと、疑問に思っていることを、「賢者」たちに尋ねていく一冊。
体のこと、食事のこと、用具のことなどテーマ別に、その道のプロフェッショナルから深い知識を得ていく本です。
ライターの山城稔さんが川合俊一さん監修の下、11人の「賢者」のところへ行き、親御さんの迷いや悩みを解決するヒントを探ります。
親しみやすい会話文で、大事なことがしっかり理解できます。