親が熱くなりすぎると逆効果? 小学生バレー監督が伝える“理想的な親の関わり方”

子どもがバレーボールに打ち込む姿を見ると、親として「もっと上手になってほしい」「試合に勝ってほしい」と願うのは自然なことです。一方で、親の関わり方が子どもの成長に大きな影響を与えることもあります。
小学生のバレーボールチーム、石田JVCの河野仁司監督、横浜Zの吉田一也監督、川崎B-REXの吉川進監督は、チームづくりにおいて、指導者と保護者が同じ方向を向くことの大切さを語ります。
子どもが主体的に成長していくために、親に求められる理想的な関わり方とは? 休日は小学生男子バレーの指導を行うライターの山城稔さんによるインタビューを、書籍『子どもがバレーボールを始めたら読む本』より抜粋してお届けします。
※本稿は、『子どもがバレーボールを始めたら読む本<11人の賢者に聞いた100の習慣>』(川合俊一(監修), 山城稔(著)/ベースボール・マガジン社)から一部抜粋・編集したものです。
保護者も一緒に成長していけたらいい

筆者:皆さんのチームでも、指導方針を渡すんですか?
河野:はい。体験に来てくれた親御さんには必ず指導方針を渡して説明しています。「体験は何回来てもらってもいいです。それでうちのチームに何か一つでも魅力があったら一緒にやりましょう」と声掛けをしています。近年は、指導方針の中に「親子で成長する場を提供したい」という一文を入れてるんです。
筆者:親子で成長する場。いいですね。いつからですか?
河野:バレーで実績を残した保護者が多くなり始めてからです。
吉田:そういう人は「親子で成長しましょう」と言っても、聞かないんじゃない?
河野:はい。だからそこから掘り下げるんです。「お父さんが春高出ました、インターハイ出ましたと言っても、お子さんが出られるわけじゃないですよ」みたいなことを、僕はSNSとかでもポロッ、ポロッと発信するんですけど。
吉川:DNAではスポーツはうまくなりませんからね。
河野:そうです。だからバレーで実績を残している親御さんには「環境づくりが一番大切なんだと思います」という話をします。
筆者:実績のある親御さんは「私はこう思う」という思いが強くありますからね。
河野:はい。コアになる部分、基礎になる部分が、それぞれ違うんです。なので最初に「僕はこういう考えでやってます。お父さんの考えとは違うかもしれませんが、そこは納得してください」というような話を必ずするようにしています。
筆者:そういうことも含めて「親子で成長する場」なんですね。
コート内での自立。小さなことから始めよう

筆者:「家庭での環境づくり」って具体的には?
河野:例えば、「明日は試合」という日。うちはユニフォームを渡すんです。「明日の1試合目はこれ、2試合目はこれ」と言って。で「ユニフォームは必ず子どもに用意させてください」と伝えます。「やり方は任せます。親御さんが見ていてもいいですし、子どもが用意した後にチェックしてもいいです」と。
筆者:なるほど、細かく伝えるんですね。
河野:それと「子どもが困らないように日々の過ごし方をしてほしい」という大きな伝え方もします。大事な試合になればなるほど、親は力が入るんですよ。だけど、勝負の場に親御さんは入れない。子どもたちが自分で戦うしかないんです。
吉川:自立ですね。コート内での自立。
筆者:石田JVCの保護者のSNSとかを見ていると「決戦の会場を子どもと下見してきました」みたいな投稿があったりします。家庭での環境づくりの一つですね。
河野:そこまでする必要あるのか? という意見もあるかもしれませんけど……。
吉川:予習ですね。いいと思いますよ。会場の雰囲気って、やっぱり事前につかんでおくと、試合への入り方が全然違いますからね。
親として子どもたちとの理想の関わり方
筆者:指導方針にはどんなことを書いてるんですか?
河野:うちのチームは大きく分類すると6つです。
1・大目的は何か ~卒団するまでに身につけてほしいこと~
2・目標の捉え方 ~目的を達成するために示す“しるべ”~
3・チーム編成(エントリーメンバー)の考え方
4・スターティングメンバー(スターター)について
5・石田JVCを見守る会(保護者のみなさん)にしてほしいこと
6・親として、子どもたちやチームに対して理想的な関わり方
筆者:読んでみたい! 今度、見せてもらえますか。
河野:もちろんです。でもちゃんとね、今日は準備はしてきたんですよ(笑)。
全員:(指導方針を読む。しばし無言)
吉田:指導方針の6番目の最後のところ、すごいですね。
筆者:本当ですね。ちょっと読み上げますね。
【親として、子どもたちやチームに対して理想的な関わり方】
「環境づくり」と「応援」が最優先。
御自身の「○○したい」「○○させたい」を主張せず
「こうなってくれたらいいな~」くらいのお気持ちで!
皮算用はしない方がいいです!
吉川:皮算用はしない方がいい、ってすごいですね(笑)。
『子どもがバレーボールを始めたら読む本<11人の賢者に聞いた100の習慣>』(川合俊一(監修), 山城稔(著)/ベースボール・マガジン社)
バレーボールを始めた小学生、中学生の親御さんが、子どもたちを支えるにあたり知りたいこと、疑問に思っていることを、「賢者」たちに尋ねていく一冊。
体のこと、食事のこと、用具のことなどテーマ別に、その道のプロフェッショナルから深い知識を得ていく本です。
ライターの山城稔さんが川合俊一さん監修の下、11人の「賢者」のところへ行き、親御さんの迷いや悩みを解決するヒントを探ります。
親しみやすい会話文で、大事なことがしっかり理解できます。






























