算数が苦手な子も夢中にするBTCとは? 北米発の「立って考える授業」
BTC方式で小数の勉強をする4年生の子どもたち
「授業中に席を立ってはいけません」。学生時代、一度はこう言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。そんな常識を覆すような授業スタイルが、北米で生まれ、世界各国へ広がり始めています。その名も「BTC(Building Thinking Classrooms)」。座って話を聞くという従来の授業とは異なり、ホワイトボードの前で立ったまま考えるという授業です。
日本の教育現場にも少しずつ取り入れられつつあるBTC。考案者のもとでBTCを研究しながら、カナダの公立中高一貫校で実践している梅木卓也氏による算数の公開授業が、京都市の立命館小学校で行われました。今回は、その授業を取材しました。(取材・文/大洞静枝)
教室の風景が一変する
授業が始まると、着席して教科書を広げる——のではなく、子どもたちはまず先生の周りに集まり、短い口頭でのレッスンを受けた後、カードを引きます。同じ絵柄を引いた子ども同士で3人一組のチームになり、向かったのはホワイトボード。チームメンバーの名前を書き出すのと同時に、先生も大きなホワイトボードに問題を書き始めます。
子どもたちは問題を確かめると、立ったまま式を解き始めます。すらすらと書き出す子を見守る子もいれば、みんなで相談しながら進める子、順番に交代しながら解いていくチームもあり、進め方はさまざまです。上の空の子や、授業と関係ないことをしている子が見当たらないのが印象的でした。
問題を解き終わるとプリントが配られます。「マイルド」「ミディアム」「スパイシー」といった難易度別の中から、各々が解けそうな問題を選択し、取り組みます。最後に先生が子どもたちを集めて、授業で気づいたことを聞くと、子どもたちは前のめりに手を挙げ、発見したことや伝えたいことを次々と話していました。
公開授業に参加した子どもたちからは、「いろんな人の学び方を知ることができて、小数の仕組みがわかった」「チームの子が優しく教えてくれたので、小数が好きになった」「みんなで助け合えたので楽しかった」「気づいたことを言い合えた」といった声が寄せられました。
BTCはカナダの数学教育学者の研究から生まれた教育法
BTCは、カナダの数学教育学者ピーター・リリヤドール博士が提唱する教育のフレームワークです。2020年に出版された英語の原著『Building Thinking Classrooms in Mathematics』には、博士が15年以上にわたって授業を観察・研究してきた成果がまとめられています。博士の研究によると、従来の授業では、自分の頭で考えている生徒は全体のわずか































