「学校に行きたくない」と言われたら? 親が最初にすべきこと

「学校に行きたくない」と子どもに言われると、「何があったの?」「理由を知りたい」と焦ってしまう親は少なくありません。しかし、子ども自身も「なぜ行けないのか」がわからず、うまく言葉にできないこともあります。そんなとき大切なのは、無理に理由を聞き出すことではなく、子どもが安心して過ごせる環境をつくること。行き渋りや不登校の初期に見られるサインと、親が最初に心がけたい関わり方を解説します。
※本稿は、植木希恵 (著)『不登校・行き渋り…タイプ別でわかる 「学校に行きたくない」と言われたときの親のかかわり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋、編集したものです。
不登校のはじまりに起こること
最初は体調不良として表れる
不登校と「学校に行きたくない」と言われたら? 親が最初にすべき対応とはは、文部科学省の定義では「病気や経済的な事情を除いた原因により、年間30日以上の欠席があること」です。30日以上学校をお休みしていれば不登校ですし、それ未満なら不登校にはならないことになります。
ただ、数字上は不登校に当てはまらなくても、子どもが「学校に行きたくない」と言って泣いたり、すごくつらそうな顔をしたり、何が原因なのかわからない状態が続いたりすると、親としてはどうしたらいいのか悩んだり、今後が不安になったりしますよね。
そのような状態のはじまりは、たいてい体調不良の形で表れます。
子どもは、まだ自分のことを表現したり、思いを伝えたりすることがうまくできません。
ですから、親が「休む理由を言ってごらん」と言っても、「わからない」と言ったり、さも親が納得しそうな全然違う理由を言ったりします。
そういうとき子どもに無理に話をさせても、きっと親が納得のいく答えは出てこないでしょう。子どももわかってもらえなくて嫌な気持ちになり、うまく伝えられない自分に落ち込んだりして、ますます思いを外に出せなくなってしまいます。
子どもは違和感を言葉にするのが上手ではありません。「休みたい」と言うとか、朝なかなか学校に行く支度が進まないとか、起きてこないという状況であれば、まず体の調子が悪くないかを見てみます。
脳波が乱れている、実は別の病気があった、起立性調整障害で起きられなかった、ということもあるので、身体面を一応チェックしてみてもいいかもしれません。私の教室に来ていた生徒さんで、調べてみたらかなり珍しい病気にかかっていたということもありました。体の調子を知るために、ドクターに診てもらうのもいいでしょう。
「学校に行かない理由」を解決する必要はない

お休みして体は元気になったのに、なかなか学校に足が向かない。行こうとはしているけど、朝になるとやっぱり元気がない、というときは、原因は体調ではないかもしれません。
このようなとき、子どもが自分の困りごとを話してくれたら、親はなんとかしてあげたくてアドバイスをしてしまいがちです。しかし、そのアドバイスは、残念ながらほとんどの場合役に立たないうえに、子どもを追い詰めてしまうこともあります。
なぜなら、アドバイスは往々にして「あなたには足りないところがあるよ」というメッセージになるからです。すでに自分なりにがんばっている子どもは、「まだダメなんだ」「自分はダメなんだ」と感じてしまうかもしれません。
そして、子どもの言うもっともらしい理由を一つひとつ親や先生が解決していって、それでも学校に行けなかったら、そのときは「その子自身の中に問題がある」ことになってしまうのです。
なので私は、子どもから出てきた悩みや学校に行かない理由を全部解決する必要はないと考えています。それより、子どもが学校につながり続けられる大義名分をつくることのほうがずっと大事です。
たとえば、先生にその子の得意なことを「先生に教えにきて」とか、「壁画の準備をするから、放課後手伝いにきて」と言ってもらうなど。その子が好きなことで学校につながり、外に出るきっかけをつくるほうが、原因を特定してそれを解決するよりも有効なのです。
子どもは何より「安心・安全」を求めている

子どもは案外、親には問題を解決することよりも味方でいてくれること、それによって安心することを求めています。
たとえば、子どもの目の前で子どもを非難してしまったり、家族以外の誰かに迎合して親が味方ではない態度をとったりすると、子どもはあっという間に何も話さなくなったり、親が嫌がること(夜帰ってこない、わがままを言う、家で暴れるなど)をするようになります。
そんなときは、素直に「先生の前で、あんな言い方してごめんなさい」と謝れるといいですね。
公平公正でありつつ、子どもの味方でいる。間違えたら謝る――なかなか難しいところではありますが、ここはぜひ気をつけたいところです。
「多くの子どもにとって、大人や学校は、自分ではどうすることもできない揺るがない脅威である」ということを知っておくといいかもしれません。
ですから、不登校だろうとなんだろうと、人と人とがうまくコミュニケーションをとっていくうえで、まず安心・安全であること――ここからはじめる必要があります。
植木希恵(著)『不登校・行き渋り…タイプ別でわかる 「学校に行きたくない」と言われたときの親のかかわり方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
本当にその子に合った、不登校・行き渋りへの向き合い方がみつかる。
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