心臓は「ねじれながら」動いている!?効率よく血液を送る驚きの仕組み

室生暁
2026.08.20 13:20 2026.08.25 11:50

人体の不思議がわかる! すごすぎる体のつくり図鑑

この記事の画像(4枚)
「心臓って、どうやって血液を全身に送り出しているの?」子どもに聞かれたら、「ポンプみたいに押し出しているんだよ」と答えるかもしれません。でも、心臓の動きはそれだけではありません。子どもに伝えたい心臓の知られざる動きをご紹介します。

※本記事は室生暁著『人体の不思議がわかる! すごすぎる体のつくり図鑑』(KADOKAWA)より一部抜粋、編集したものです。

心臓のねじれとは?

心臓は、よくポンプにたとえられます。

ですが、ただ「ぎゅっ」と押しているだけではありません。心臓は、ねじれながら動く特別なポンプなのです。

心室(心臓の中で血液を強く押し出す部分)の筋肉は、内側と外側で線維の向きが少しずつ違い、らせんのように重なり合っています。

そのため、心臓が縮むときには、雑巾をしぼるように、くるっとねじる動きが起こります。

もし心臓が、内側へ押すだけの仕組みだと、血液は中に残りやすくなります。

でも、ねじれながら縮むことで、内側へ押す動きと回転の動きが組み合わさり、効率よく血液を外へ送り出すことができます。少ない力で、たくさんの血液を運べるのです。

さらにすごいのは、広がるときです。縮むときに生まれたねじれは、元に戻ろうとします。

その戻る力が、心室がすばやく広がるのを助け、血液を中へ引き込む力になります。

心臓は「押す」と同時に、「引き込む」準備もしているのです。

心臓のねじれとは?の画像心臓のねじれとは?の豆知識

室生暁

解剖学者、医師、博士(医学)。東京科学大学 臨床解剖学分野 講師。1989年生まれ。2014年東京医科歯科大学医学部卒業、2019年東京医科歯科大学大学院博士課程修了。専門は肉眼解剖学、臨床解剖学。人体の構造を詳しく調べ、肉眼解剖・組織学・三次元解析を用いて、体の奥にある組織の形態を研究している。見慣れた体の中にある、意外な仕組みや形を一歩深く読み解く視点を伝えている。2021年度日本解剖学会奨励賞受賞。解剖学に関する情報発信も行っている。


室生暁著『人体の不思議がわかる! すごすぎる体のつくり図鑑』(KADOKAWA)

人間の体は、知れば知るほど「驚きの工夫」でいっぱい!
「なぜ血管はわざわざ遠回りするの?」
「なぜお腹の中に”謎のすき間”があるの?」
「なぜ耳の形はあんなに複雑なの?」

学校の理科で習う「人体の仕組み」の一歩先へ!
進化の歴史や、人体の成長から、私たちの体に隠された”究極の設計図”を解き明かします。

「自分の体が、もっといとおしくなる」
大人も知らない秘密が詰まった、親子で楽しめる決定版の1冊です!