悪気のない「学校どう?」がなぜ子どもを追い詰める? 元教員が教える親が用意すべき3つの備え

熱海康太
2026.08.30 09:30 2026.09.02 19:00

机に伏せて思い悩む小学生の女の子

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「『学校どう?』という悪意のない一言が、今の子どもには思いのほか重く響くことがある」と語ります。

親戚の集まりで作り笑いを浮かべた小5の娘に、母親がその場で助け舟を出し、夜になって改めて聞いたことで見えてきたものとは。(写真はすべてイメージです)

「うん、楽しいよ」の前にあった、わずかな間

お盆に親戚が集まった席で、小学5年生のゆい(仮名)は、久しぶりに会った叔母から「学校どう? 楽しい?」と声をかけられました。ゆいは一瞬だけ表情を固くしてから、「うん、楽しいよ」と、少し作ったような笑顔で答えました。

隣にいた母親の智子さん(仮名)は、そのわずかな間を見逃しませんでした。ゆいは実はこの1学期、仲の良かったグループの中で、微妙な距離感の変化に悩んでいたのです。決していじめというほどのことではありません。それでも、簡単に「楽しい」と言い切れるような状態ではないことを、智子さんは知っていました。

テーブルの向こうでは、他の親戚たちも次々と「大きくなったねえ」「勉強頑張ってる?」と声をかけてきます。ゆいはそのたびに同じような愛想笑いを浮かべながら、少しずつ肩に力が入っていくように見えました。

悪気のない質問が、今の子どもには重く響くことがある

「学校どう?」という質問は、昔から親戚の集まりで交わされてきた、ごく定番のあいさつのようなものです。しかし今の子どもたちにとって、この質問が持つ重みは、

熱海康太

熱海康太

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大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。