中学受験直前!焦る親の構えと「見守る勇気・事前準備の鉄則」

中学受験目前の、6年生の直前期。「焦りでつい口出ししてしまう…」と悩んでいませんか?親は膨大なプレッシャーを乗り越えるカギは、早めの事前準備と「見守る勇気」、そして親が「策士」になることです。自らも受験伴走を経験した個別指導塾TOMASの扇谷洋平先生に、家族チームで本番に勝つ備えを伺いました。
※本稿は、佐野倫子著『中学受験伴走力』(講談社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
6年生の直前期!焦りをなくす親の「事前準備」
──受験を家族でどう乗り越えるか。受験本番へ向けて、親が必ずすべきことは?
扇谷先生:親が必ずすべきは、とにもかくにも「スケジュールを早く立てること」です。受験勉強の計画だけでなく、学校関連行事、説明会、家族のイベント、健康管理、そして受験スケジュール、このすべてを含めて、「家庭全体のスケジュール表」を早めに作っておくことをおすすめします。
たとえば、予防接種は「秋」に受けたい。しかし6年生の秋はとにかく忙しい。あらかじめ塾がない、診察がある日を見つけて病院を予約しなくてはなりません。気づくと予約がいっぱいということも。また、接種日の体調も重要です。いざ当日になって、体調不良で接種を見送るなんていうこともあります。
このように、受験直前期は親のミッションが怒 のように押し寄せます。小さなことだと感じても、できるだけ前倒しで決めていきましょう。この積み重ねが、後の大きな安心につながります。試験直前に「うっかりミス」があると、親御さんの心も乱れてしまいますからね。
──受験に向けて、親がいちばん心得るべきことはなんでしょうか?
扇谷先生:私は「最悪のケースも想定して備える」ことをおすすめしています。たとえば、試験当日に体調を崩した場合の代替校やスケジュールを、早いうちに決めておくこと。備えがあるだけで、心の余裕がまったく違います。入試本番は、なにがあるか分かりません。
また、今の中学受験は日程も非常にフレキシブルです。2月1日の合否によってその先がどんどん枝分かれしていきます。事前にどの程度想定して、情報を集めているかがとても重要です。準備ができているからこそ、ぱっと決断できるわけです。その想定数が多い家庭ほど、子どもは落ち着いて受験に臨めます。焦らず、迷わず、そして最後は笑顔で「やり切ったね」と言えるように、親御さんは事前に備えてください。
そして大切なことは、家族の誰かひとりに負担やプレッシャーが集中しないようにすること。子どもだけが勉強をがんばり、重圧を感じているのはよくありません。また、メイン伴走がお母さんの場合、お母さんだけがあらゆるマネジメントを引き受けて、凄絶なプレッシャーを背負っている状況は避けましょう。大切なことは、家族みんなで、力を合わせて重圧を分散させること。中学受験はチーム体制で臨むことが鉄則です。
親に必要なのは「見守る勇気」と「策士の視点」

──つい我が子の勉強に口を出してしまいがちです。どのように距離を取るのが理想でし
ょうか。
扇谷先生:いちばん大切なのは、「信じて待つ」「口を出しすぎない」「勇気を持つこと」です。もちろん親が支えることは必要ですが、「一緒に戦う」意識が強すぎると、親の焦りがそのまま子どもに伝わってしまいます。
とはいえ、親御さんはいろいろなことが見えますから、つい口うるさくなってしまいますよね。でも、そんなときまで親が悪者になる必要はないんです。子どもにとっては誰に言われたかというのが重要です。親の言うことは聞かなくても、先生の言うことは聞くというケースはよくありますから、先生に状況を共有して、先生の口から子どもに伝えてもらうなど、うまく作戦を立ててみてください。
──なるほど、「親は策士になれ」ということですね。
扇谷先生:そうです。そして「今日できなかったこと」ではなく、「今日できたこと」に注目して褒める。「できた!」という実感が、学習を継続する最大のエネルギーになります。
──6年生になってなかなかモチベーションが上がらないお子さんや、成績が振るわないお子さんにはどのようにアプローチしていけばよいでしょうか?
扇谷先生:「手を広げすぎない」ことです。全科目をまんべんなくがんばろうとか、いきなりほかの参考書を買ってきて解こうなどとすると、どれも中途半端になりがちです。まずは1科目、まずは1冊。「できた」と感じられた瞬間に、次の科目へ挑戦する意欲が生まれます。
勉強の土台は自信や成功体験ですから。一度「やればできる!」という感覚をつかんだ子は強いです。私たちはその「最初の芽」をどう育てるかを大切にしています。担任や講師全員がチームで子どもを見守り、伸びる機会を逃さないようにしています。
──先生ご自身も2024年にお子さんの受験伴走を経験されたとお聞きしました。プロ中のプロが実際に参戦して、ギャップのようなものはありましたか?
扇谷先生:まず感じたのは、「中学受験の親が感じるプレッシャーとは、これほど途方もないものか!」ということです。学校選びひとつとっても、私はこれまでにプロとして学校説明会に膨大な回数、足を運んできましたが、「この学校もいい」「あの学校も素晴らしい」というレベルから、さらに「我が子にぴったりの学校はどこなのか?」と考えと、それはそれはプレッシャーでした。責任重大で、なにをするにも「親御さんというのは本当に大変だったんだな」と、身をもって追体験することになりました。
だからこそ、ぜひ家族全員で、このミッションに挑んでほしいと思います。親も子もひとりでがんばらず、塾も含めたチーム体制を組みましょう。誰かひとりががんばっているといういびつな状況は、いい結果につながりません。
佐野 倫子 (著)『中学受験伴走力 親がすべきこと、知るべきこと』(講談社)
中学受験で必要な「親の伴走力」の方法を分かりやすく解説。令和の中学受験最前線情報、カリスマ講師の学年・教科別学習方法徹底取材、直前期の伴走方法、出願スケジュールのポイント、当日の持ち物チェックリスト、伴走済保護者の体験談などで構成。






























