宿題のたびにかんしゃくで疲弊…根底にある「子どもの6つのもやもや」

「宿題やったら?」と声をかけてもひびかず、しまいには「やりたくない」とかんしゃく…。そんな毎日が続くと、親も疲弊し心配になるものです。
しかし、子どもがなかなか宿題に取りかからない理由は、単に「なまけたいから」ではないかもしれません。親の知らないところで子どもが抱える「6つのもやもや」について、元小学校教員のそうくる先生の著書よりご紹介します。
※本稿は、そうくる先生 (著) 『発達特性 グレーゾーンの子の心のもやもやを軽くして「できた!」が増える本』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
宿題でかんしゃく、やろうとしない
【親のもやもや】
■他の子は宿題ができるのに、うちの子の将来が心配。
■宿題を出さないと先生に𠮟られる、成績が下がるかも。
■次の予定(習い事、家事)があるから宿題を早く済ませて欲しい。
親として、わが子が宿題をしないと将来が心配になり、担任の先生に𠮟られるかもしれないなど「未来」の不安を抱えるのは当然です。また、夕方は家事や習い事の送迎などやることが多くあり、焦って声かけが否定的になりがちなのは、きっとみなさんいっしょです。
でも、子どもは「未来」より、「今」目の前のことで困っていることが多いのです。宿題がつらい子どもの今の思いに目を向け、安心できるサポート法を考えていきましょう。
学校の集団生活を1日がんばった後なので、疲れ、空腹などから宿題をイヤがっているのかも。また、宿題(内容、量など)で具体的に何に困っているのかを探りましょう。いつもは宿題ができるのにできないときは、学校での過去のもやもやを引きずっている場合も。
もやもや1:学校を一日がんばったから疲れた
空腹、甘えたい、ゆっくりしたい

■「おかえりなさい。学校おつかれさま」など、1日のがんばりをねぎらう言葉をかける。
■ 子どもに好きなおやつ、飲み物を選択させ、食べて空腹を落ち着かせてから宿題へ。
■ 宿題前に親子でおやつを食べ、ひと息ついて心地よい時間を過ごす。
■ 子どもが1人でゆっくりしたいなら、宿題前に好きなことをするリラックスタイムをつくる(宿題をはじめる時間を子どもと相談して決めておく。タイマーをかける)。
もやもや2:宿題を急かされてプレッシャーを感じた
次に習い事など予定がある

■ 習い事、友だちとの遊びなど予定がある日は「簡単にできる宿題を先に、残りを帰宅後にする」または「すべて帰宅後にゆっくりやる」など調整して時間と心に余裕をつくる。
■ 「〇〇(子どもの好きなこと)の時間を楽しむために、先に宿題をする?」「自分でやる? お母さんが手伝う?」と質問や選択をさせる。
もやもや3:宿題の内容が難しい
準備してプリントを見るのも負担

■ランドセルから宿題セットを出す、机に置くなど準備を手伝って負担を減らす。
■子どもの宿題の様子を見て、何が難しいのか、ハードルになっていることを具体化。または子どもに「どこが難しいかな?」と聞いて、具体的なサポート法を考える。
■難しい問題にふせんをつけておき、「この問題になったらお母さんを呼んでね。いっしょにやろう」と事前に伝える。
もやもや4:間違えて×がつくのがつらい
できない自分と向き合うのがつらい、怒られるかも

■激しく泣く、怒る場合は、×をつけない。
■ わからない、間違った問題を考え直して解けたら青丸をつける(手伝ってOK)。
■間違えても考え直せたら「よく考えていたね」「集中していたね」と経過を認める。
■「お母さんもたくさん間違ってきたんだよ」「わからなくても怒らないよ」と事前に伝える。
■大人が「わからないから調べてみよう」「失敗しちゃった。次はこうしてみよう」とやり直す、工夫する姿を見せる。
もやもや5:宿題の作業量が多くて負担
何からやればいい? 終わりが見えない

■宿題セットを出す、えんぴつを削る、消しゴムをかけるなど手伝って負担を減らす。
■ 親が宿題リストを書き出し、やる順番を子どもと相談(すぐ終わる簡単な問題からやる? 難しそうな問題を先にやって気持ちをラクにする?)。
■「1枚やったらおしまいだよ」と終わりを事前に伝える。
■「わからなかったら聞いてね」「疲れたら休んでいいよ」と逃げ道を確保。
■ 1つ終わるごとに宿題リストにチェック。1問ずつ丸つけする。「半分できたね。残り半分だ」など、前に進んでいると実感できるようにする。
解決のヒント:宿題で毎日かんしゃくを起こすなら…
子どもが毎日の宿題に数時間かかり、泣いて怒ってなぐり書きになり親が怒るなど、親子でつらい時間になっていませんか。先生は提出物を見るので、家庭での宿題の様子に気づかないことがあります。連絡帳や面談などで宿題の内容や量の調整を相談してみましょう。実際、宿題の量を減らして親子関係がよくなったケースもあります。
モヤモヤ6:学校で困ったことがあった
もやもやが溜まって集中できない

■落ち着いているときに「今日、学校で何か困ったことはあった? よかったら話を聞くよ」と声をかける。
■子どもが話してくれたら「話してくれてありがとう」と価値づける。
■学校での友だち関係のトラブル、行事(運動会、音楽会、参観日など)の不安などが理由の場合は、担任の先生に連絡帳、面談などで相談する。
解決のヒント:友だちトラブル?学校で気になることがあったら…
前は宿題ができていたのに怒ってなぐり書きになり、プリントをぐしゃぐしゃにするなど、激しい表れがあったら学校で何かつらいことがあるのかもしれません。やさしい子ほど、親を心配させたくなくて友だちトラブルを話さないこともあるため、担任の先生に学校での様子を聞いてみましょう。グループ分け、クラス替えで配慮してもらうこともできます。
そうくる先生 (著) 『発達特性 グレーゾーンの子の心のもやもやを軽くして「できた!」が増える本』(Gakken)
困り感が多い子どものために、最優先にすることは励ましたりほめたりする“足し算のかかわり方”以前に、もやもやを減らす“引き算のかかわり方”で、子どもの心に余裕を持たせてあげること。
本書では、家庭や学校で起こりやすい行動例をあげながら、子どものもやもやをキャッチし、減らすことでトラブルを防ぐ実践的な具体策や、子どもの意欲やがんばる気持ちを育てる、親子の関係づくりまで詳しく解説します。
































