不登校でやりがちな「顔色をうかがう」「言いなりになる」は逆効果 親が主導権を取り戻す関わり方

寝占理絵

不登校の子どもを前にすると、「刺激しないように」「嫌われないように」と、つい顔色をうかがってしまう親は少なくありません。しかし、そのような関わり方は、かえって子どもの不安を強めたり、自立の機会を奪ってしまうことにもつながります。

不登校の子どもとの適切な距離感について、不登校・引きこもり解消支援アドバイザーの寝占理絵さんの著書よりご紹介します。

※本稿は、寝占理絵(著)『不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本』(日本実業出版社)より一部抜粋、編集したものです。

子どもの顔色を見ない

不登校になると、どの親も子どもの顔色を見るようになり、腫れ物に触るように接するようになります。

しかし、それでは逆効果。不登校になったからといって、子どもの顔色を見て態度を変えるのではなく、いつもと同じ態度で何事もなかったようにデンとかまえてください。そうすることで子どもの不安は軽減されます。

また、暴力が出ていたりすると、それが怖くて子どもに気を遣うようになる方もいらっしゃいますが、それは逆効果です。

子どもは親のおどおどした態度で余計に不安になったり、腹が立ったりするものです。子どもがどんな状況であっても、慌てず、騒がず、冷静に、何事もなかったようにデンとかまえて、明るい態度を心がけてください。

家庭のボスは親、子どもの奴隷にならない

家庭では間違いなく、親がボスでなければいけません。

しかし、不登校になってしまうと、それが逆転してしまう場合があります。

子どもが部屋から出られずに家族と食事を共にできないとなると、「かわいそう」と言いながら、食事を子どもの部屋に運ぶ親は少なくないはずです。

「外に出られないから漫画買ってきて」と言われては漫画を買いに走り、「外に出られないからゲーム買ってきて」と言われてはゲームを買いに走る。

親が子どもを腫れ物にでも触るようになり、なんでも子どもの言いなりになる。親が子どもの奴隷状態。これはやってはいけないことです。

ではどうするか。不登校で「◯◯できないから、××して」。そのように要求されたら、「自分で××しなさい」と言うだけです。

外に出なくてもすべて親が動き満たしてくれる環境では、絶対に再登校できません。

また、子どもだって自分の要求が理不尽だとはわかっています。理不尽な要求に親が従ってしまうのは、結局、面倒だから。子どもと正面から向かいあって、ダメなものはダメと言うことを面倒臭がっているからです。

子どもは敏感に言外のメッセージを感じとります。親が向きあわずに、面倒臭がっている。愛着を再形成中の子どもにそう感じさせるのは得策ではありません。

理不尽な要求を子どもがしてきた場合、子どもと戦って親が勝たないと、子どもは親を信頼することも、尊敬することもできなくなってしまいます。

だからこそ、家庭内では親が主導権を握り、毅然とした態度を取ることが大切です。家庭内ではつねに「親がボス」。不登校や引きこもりになってからも同じです。

ただ、気をつけてほしいのは「力づく」で従えるという意味ではありません。暴力は絶対にいけません。言葉や態度で、主導権を握ってください。

過保護・過干渉はやめる

不登校の子どもの親に、意外と多いのが過保護・過干渉です。

子どもは成長し自立したいのに、自立できずに苦しみます。

子どもも大人も失敗を通して成長しますが、過保護で失敗させないようにあれこれ口出しすることで、子どもは“失敗”という経験ができません。

また、親が口出しをしてうまくいったことは、その子自身の成功体験ではありません。親が口出ししてうまくいったことよりも、「一度失敗したけれど、自分の力でうまくいったこと」のほうがその子自身の「成功体験」となり、自己肯定感のアップにもつながります。

そして、失敗しても、成功しても、がんばったりトライしたりしたことをほめたり、励ますことが大切です。

また、不登校中でも、仲のよかったお友達から連絡が来たり、家に遊びに来たりすることがあります。

そのときに、いつまでも同じ部屋にいるお母さんがいます。子どもの様子が気になるのはわかりますが、お茶を出したら、そのあとは放っておいてください。

お母さんがいると子どもたちはお互いに話したいことも話せません。

お友達が帰った後も、「何話したの」と詮索せずに、「お友達に会えてよかったね」「いいお友達がいるね」など、前向きな言葉をかけましょう。

不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本

寝占理絵(著)『不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本』(日本実業出版社)

必要なものはお子さんへの愛情と、ちょっとの考え方の変更だけ!
お母さんが変われば子どもが変わる。
平均3週間で過去200人が再登校した方法を初公開

▪️どうしてお子さんは不登校になったのでしょうか?
お子さんが不登校になると、お母さんは心配ですよね。
いじめ? 先生との相性? と、「原因」=「嫌なこと」探しをしてしまいます。

しかし、嫌なことがあっても不登校になる子とならない子がいます。
その違いは何かというと、「自己肯定感が育っているかどうか」です。
家庭の中で自己肯定感が育っていると、学校で嫌なことがあっても乗り越えられます。
自己肯定感が育っておらず、学校で嫌なことがあると、不登校になってしまいます。

▪️親がしてあげられることはシンプルな環境調整と「愛着」の再形成
「家庭の中で自己肯定感を高める」ために大切なのは親子の「愛着」です。
「愛着」とは幼児期に母親から無条件に愛されることで育つ心理的結びつきのこと。
親子の愛着関係がきちんと形成されていたら、
子どもは周囲の人や自分の力を信じることができます。
しかし、愛着が形成されていないと、信じることができない
=生きるために必要な自己肯定感も育たないのです。

▪️大丈夫、お子さんはまた学校に行けるようになります
愛着の再形成に必要なのは、赤ちゃんに接するようなスキンシップ、
相手を肯定する言動などが基本です。

本書で紹介している「リボンメソッド」では、ハグやほめる言葉がけなどを中心に、
生活習慣の改善やお手伝い習慣の構築、デジタルデトックスなどを組み合わせて
無条件にハグや肯定したり、いいことをした際にほめる
→親子の愛着を再形成する→子どもの心に自己肯定感を育てるというサイクルを回します。

そうすることで、これまで200人以上が平均3週間で再登校しています。

不登校は見守るだけでは解決しないことも多いです。
正しく働きかけて、お子さんを再登校に導くための方法が書かれた1冊です。