小4で声変わり、気づいたときには身長が止まりかけていた…息子の「思春期早発症」と母の後悔

小4の頃に起きていた声変わり。それが「思春期早発症」だったと気づいたのは、ずっと後になってからのことでした。
中1の2学期、身長の伸びが止まりかけていることに不安を抱き、病院を受診。「思春期早発症」の診断がついたときには、成長のピークは終わりかかっていました。「もっと早く気づいていれば」と悔やみながらも、家族は治療を選択することになります。
思春期早発症と向き合ったえんどーさんの体験談をご紹介します。
※本稿は、今西洋介著『うちの子発育が早いかなと思ったら読む本』(日東書院本社)より一部抜粋、編集したものです。
気づいたのが遅かったけど、やれることはやりました。
──えんどーさん(山梨県・女性・42歳)
「情報があって、知識を得られる」って、大事なことだと思います。息子は、小4で声変わりをしました。あとになって、小5のときに林間学校で「陰毛が生えていたの、僕だけだ」と気づいていたと教えてくれましたが、本人に「これは二次性徴だ」という意識はありませんでした。最終的に、これはおかしいとなったのが、身長です。
中1の2学期の身体測定で、ほぼ伸びていないとわかりました。4カ月前の測定から1㎝しか変わらず、160.7㎝。思い返すと、小4ぐらいでグッと伸びた時期があったんです。私も夫も背が高めなので、息子もそうなると思っていましたし、「どこまで伸びるかな~」と家族で話していました。それが、ここで止まるなんて……。
ネットで調べ、思春期早発症ではないかとあたりがついたので、かかりつけに行きました。息子に「君はこういう病気だと思う。身長がもう伸びなくて、止まっちゃうかもしれない。お母さんが気づくの遅くてごめんね」と伝えたところ、驚いたようでしたが、病院では落ち着いていました。私のほうがオロオロしていたかもしれません。
幸運にも、思春期早発症の知識がある医師に診てもらえましたが、「二次性徴に気づかず、放置してしまったんですね」と言われました。普段からあけすけな話し方の医師なので、ご本人に悪気はないのでしょうが、グサリと来ましたね。身長や声変わりのことに気づいていながら、私は病気と結びつけられませんでした。隣で聞いていた息子が、特に気にした様子ではなかったのが救いです。

そこから紹介された大学病院で頭部MRI検査を受けた結果、脳腫瘍の疑いが消え、思春期早発症の診断が出ました。私はとにかく、身長がどこまで伸びるかが心配だったんです。診断されたとき、息子の思春期はもう終わりに差し掛かっていました。骨年齢を見ても、あと数㎝伸びるかどうかといったところ。ここで治療をすすめない医師もいると思います。けれど、診てくださった医師は息子に、「治療してどのくらい効果があるのかはわからないけど、君が希望するのなら治療はできます」と話してくれ、息子も「できることがあるのなら、やりたい」と答えました。
家族で話し合い、あとで「やるだけやった」と思えるほうがいいと意見が一致したので、リュープリンを投与しつつ、プリモブランというホルモン剤を個人で購入して服用することを決めました。そのことは医師にも共有し、数値などを見るときに考慮してもらいました。気づいたのは遅かったけれども、ベストな選択だったと思います。医師の説明が常にていねいだったので、息子も理解したうえで治療ができました。
半年間通院し、年齢も通常の思春期に入っていたので、治療を終えました。その時点で164㎝、あと数㎝伸びると期待したいです。一時期の私は身長についてピリピリしていて、家庭でもその話題を避けていましたが、息子は「伸びないのは悲しいけど、勉強をがんばるよ!」と前向きです。いまのところ成績がよく、誇れることがあるからでしょうか、卑屈になっていない。自己肯定感が高いのが、彼の長所なんです。
それでも「早く気づいていれば」という想いは消えません。私は息子の治療を終えたいまも、SNSで思春期早発症について情報収集や発信をしていますが、同じように自分を責める親御さんをよく見ます。小3ぐらいで身長が急に伸びたのを喜んでいる人に、「思春期早発症かもしれませんよ」と声をかけたこともあります。息子が通っていた小学校にも、「保健だより」などで注意喚起をしてほしいとお願いしました。気づく時期によって、結果が変わる。そのことが広く知られてほしいです。
今西洋介著『うちの子発育が早いかなと思ったら読む本』(日東書院本社)
思春期早発症のお子さんには次のような兆候が現れます。
□小学校の低学年(6~10歳)で身長が急激に伸びる
□小学校の低学年(6~10歳)で体毛が濃くなる
□小学校の低学年(6~10歳)で胸がふくらむ
□小学校の低学年(6~10歳)で声変わりの予兆がある
□小学校の低学年(6~10歳)で初経がくる
思春期早発症は、それ自体が命に関わる病気ではありません。
しかし、思春期早発症のことを「知らない」ばかりに治療の選択肢を失ってしまうと、後々の後悔につながることもあります。
また、まれに脳腫瘍などの重大な原因が潜んでいることもあり、放置はおすすめできません。
ただ、残念なことに、せっかく受診しても「発育は個人差です」「様子を見ましょう」と言われて、治療の機会を失ってしまうこともあるようです。
本書では、お子さんと家族のための「思春期早発症」の基礎的な知識と役立つ情報をお届けします。
お子さんの“早すぎる発育”に「あれ?」と思ったら、ぜひ本書をお読みください。






























