【中学受験】「共学vs別学」どっちが正解?後悔しない学校選びと“伸びる学校”の見極め方

大前真由美

「共学と別学、わが子にはどちらが合っている?」「親の希望だけで決めていいの?」など、中学受験における学校選びは悩みが尽きないものです。しかし、いちばん大切なのは親の意向ではなく、通う本人自身が「ここで過ごしたい」と思えるかどうかです。

本記事では、共学・別学それぞれの魅力や注意点、失敗しない学校説明会・文化祭の活用法、そして「これから伸びる温かい学校」を見分けるポイントを取り上げます。

塾生の半数が難関校に合格する話題の進学塾「エルカミノ」。15年間講師を務めた著者の実体験をもとに、後悔しない志望校の選び方をご紹介します。

※本稿は、大前真由美 (著)『中学受験塾 エルカミノがわかる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋、編集したものです。

学校選び

男女共学か、別学か

学校選びをするにあたり、まずは「共学か別学か」という選択肢があります。
別学については、「異性を気にせず、勉強や学校生活に集中できる」「性差に配慮したカリキュラムや教材が用意されている」「女子だから、男子だからという役割に縛られない」といったメリットがよく挙げられます。一方で、異性の目がない分、行儀やたしなみへの意識が薄れやすいという声もあります。

共学を選ぶ家庭も増えています。近年では男性だけ、女性だけの職場がかつてと比べものにならないほど減っており、男女に関係なく能力を発揮し合う時代になっています。中高時代からそうした環境で学ぶほうがよいのではないかという考えや、男女がいるからこその刺激があるという点が理由として挙げられます。
とはいえ、別学には伝統のある学校が多く、校風や教育方針に個性があります。それこそが「この学校に行かせたい」という理由になっているご家庭も多いでしょう。
共学では力仕事は男子、マネージャー役は女子となりがちなところ、別学だと性差による役割分担が発生しにくく、かえってジェンダーフリーだという考え方もあります。
多感な時期に、異性の目を気にすることなく、自分らしく過ごすことができるのが別学の魅力のひとつといえるかもしれません。

最終的には、メリット・デメリットを考慮したうえで、家庭の教育方針や本人の意志をもとに何を優先するか決めることになります。私の経験から思うに、一番の決め手は本人の意志かもしれません。「自分で決めた」ということが受験勉強をするモチベーションにもつながりますし、6年間の学校生活を送るのは親ではなく本人だからです。親の希望だけで学校を選ぶと、後になって本人がつまずく恐れもあります。

志望校の選び方

志望校を選ぶ要素のひとつは、先に述べた共学か別学かという点です。そして、親は教育方針も重視したいところです。「我が子にどういう人になってほしいのか」を考え、そこから逆算して「いま、必要な学びは何か」を見つめ直すことが大切です。

学校選びにあたっては、やはり学校説明会に足を運び、肌感覚を得ることが一番だと思います。先生方の話を聞いてピンとくるものがあったり、「ここだ」とご縁を感じる学校が見つかったりすることもあります。中学受験を決めたら、ぜひ早めに説明会に出かけてみてください。文化祭などの学校行事に子どもと一緒に足を運び、本人に何かを感じ取る機会をつくることもおすすめします。

ただし、教育方針を重視するあまり親主導で志望校を選ぶことは、その後の6年間を思うと多少リスクがあります。「12歳の子どもにはまだわからないだろう」と考えるかもしれませんが、学校に通うのは親ではなく本人です。本人の意見を尊重し、よく話し合ったうえで学校を選ぶことが大切です。

学校説明会・学校見学の活用法

学校説明会には早い時期から出かけてほしいと思います。先生の話を聞く中で、心に響くものやご縁を感じる学校を見つけられることがあるからです。私の子どもが中学受験をしたときも、説明会の際に先生の話から、響きと縁を感じました。

文化祭や学校見学は子どもと一緒に出かけますが、子どもは最初に行った文化祭を気に入る傾向があるようです。この点は心にとどめておいてください。逆に、雨の日やうまくいかなかった模試のあとなど、気持ちが下がっているときに見学すると、その学校にマイナスの印象を持ちやすくなります。

親としては、通学時間、最寄駅からの徒歩時間、生徒の様子、先生の生徒に対する言葉遣いなどを確認しましょう。第一印象も意外と大切です。実際に学校に足を運び、いろいろなことを感じてきていただければと思います。

成長する学校の見分け方

学校訪問をした際、生徒が挨拶をしてくれるかどうかは、見逃せないポイントのひとつと思っています。校風が自由であっても、挨拶ができているということは、生徒が学校の指導をきちんと受け入れている証といえます。

25年ほど前のことですが、ある学校を訪問した際に、印象的な話を聞きました。
「校内ではのびのびと過ごしてほしいので、多少羽目を外してもかまわない。しかし、外に出たら常識をわきまえ、社会性を逸脱することのないように見守る」というものでした。「校門を出たら自己責任」という学校もある中で、この学校の愛情あふれる教育方針には心を打たれました。その学校は、その後大きく伸び、いまや人気校に成長しています。

生徒への愛情を感じられるかどうかは、学校選びにおいて重要なポイントだと思います。学校の面子や外聞を重視するのではなく、生徒が自分らしく過ごせる環境を大切にしている学校は、成長していける学校と信じてよいと思います。

また、学習面でしっかりフォローする学校は、やはり難関大学への進学率が伸びている傾向があります。フォロー体制を知るのは簡単ではありませんが、知り合いに在校生がいれば聞いてみてください。学校説明会で先生に直接質問するのもよいでしょう。たとえば、文系科目で重要な添削を個別にしてくれるかどうかを聞いてみるのがおすすめです。

成長していく学校には、温かさや体温のようなものがあると思っています。

中学受験塾 エルカミノがわかる本

大前真由美 (著)『中学受験塾 エルカミノがわかる本』ディスカヴァー・トゥエンティワン

首都圏に14教室を構え、塾生の半数が御三家をはじめとする難関中学に合格するという、驚異的な実績を誇る塾、エルカミノ。

本書は、そのエルカミノで約15年間講師を務めた著者が、塾の内側から見た教育の実態を初めて明かした一冊です。