2学期から一人で帰る日が増えた小5息子…「なんで誘われなくなったんだろう」と考え続けた日々

熱海康太
2026.10.08 11:40 2026.10.12 12:00

遠くを見る小学生の男の子

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「何もされていないのに関係だけが静かに変わっていく状況は、子どもにとって扱いどころのない感情として積み重なっていく」と語ります。一人で帰る日が増えた小5の息子に、父親が繰り返し伝えた言葉とは。(写真はすべてイメージです)

喧嘩をしたわけでもないのに、誘いが自然と減っていた

以前は毎日のように友人と連れ立って帰宅していた小学5年生の息子が、2学期に入ってから一人で帰る日が目立って増えていきました。

父親が「最近、〇〇くんたちと帰らないの」と聞くと、「なんか、最近帰ってない」という答えが返ってきました。理由を尋ねても、息子自身にもはっきりとした答えはわからない様子でした。

喧嘩をしたわけでも、何か決定的な出来事があったわけでもありません。ただ気がつけば、以前のような誘いが自然と減っていた、というのが息子の説明でした。

父親はその夜、息子の靴箱に貼られた小さな昆虫のシールが、以前より色あせていることにふと気づき、時間の流れの中で少しずつ変化していく子どもの世界の複雑さを、改めて感じたそうです。それまで当たり前だと思っていた放課後の光景が、いつの間にか静かに変わっていたことに、父親自身もなかなか気づけていなかったのです。

理由がわからないことのつらさ

友人関係の変化の中でも、この「理由のわからない誘いの消失」は、子どもにとって特につらいものです。明確な喧嘩やトラブルがあったわけではないため、何が原因なのかを特定できず、ただ状況だけが静かに変わっていきます。

教育相談の現場でも、こうした「理由不明の疎遠化」は、いじめというよりも友人関係の自然な変化と地続きであることが多く、必ずしも深刻な事態を意味するわけではないとされています。

しかし本人にとっての戸惑いや寂しさは、原因がわからないぶん、かえって大きくなることがあります。何かをされたのであれば怒りや対処の方向が見えますが、

熱海康太

熱海康太

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大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。