友達の家のサニタリーボックスにナプキンを捨てていい? ADHDの母が娘に伝えたい「他人の許容範囲」の考え方

なちゅ。(医療監修:本田秀夫)
2026.10.23 11:35 2026.10.23 11:30

トイレ

友達の家でトイレを借りたとき、サニタリーボックスが置いてあったら、使用済みナプキンを捨てますか?

自分にとっては気にならないことでも、人にとっては「それはちょっと…」と思われることがある。そんな「他人の許容範囲」は、目に見えないだけに判断が難しいものです。

ADHDの発達特性をもつ著者・なちゅ。さんは、ADHDとASDの2人の娘さんに、こうした人それぞれの感覚の違いについて、どのように伝えているのでしょうか。『ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと』から紹介します。

※本稿は、なちゅ。 (著), 本田秀夫(医療監修)『ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと』(ダイヤモンド社)より一部抜粋、編集したものです。

他人の家での生理用品のゴミは、どんなに親しくても「持ち帰る」

やり方:「ゴミ箱があるから、入れていい」ではない

友達の家や義実家などでトイレを借りた際、もし自分が生理中だったらどうしますか?

このクイズに「正解」はないのですが、私の中では「答え」が出ています。

「トイレにサニタリーボックスが置いてあっても、使用済みナプキンは捨てずに持ち帰る」

これが、トラブルにならない対策です。

私は100均の「不透明ジップ袋」や専用の防臭袋を持参し、そっと持ち帰ることにしています。または、トイレにそのまま流せる「シンクロフィット」を使えば、「持ち帰るか捨てるか」というゴミ問題自体をクリアできます。

考え方:なぜ他人の家にナプキンを捨てないほうがいいのか?

女子中学生・高校生

ではなぜ、サニタリーボックスが置いてあるのに、生理用品を黙って捨てないほうがいいのでしょうか? 

それは、「衛生面やテリトリーの感覚は、人によって大きく違うから」です。

自分が「これくらいOKだろう」と思っていることが、相手もOKとは限りません。そして、それぞれが持っている感覚の差がぶつかり合ったとき、人間関係のトラブルになりかねないのが衛生面の問題なのです。

以前、私がSNSで「使用済み生理用品、おじゃましたお宅のお手洗いにサニタリーボックスがあっても、個人宅なら持って帰るよね」と投稿したところ、大きな反響がありました。「友達でも絶対に家のゴミ箱に捨てられるのは嫌!」という人もいれば、「使ってもいいけどひとこと言ってほしい」という人、中には「黙って捨てても気にならない」という人……。

個人の感覚なのでこれという正解はありませんが、コメントの中には「勝手に捨てられてモヤモヤした」「もう二度と家に呼ばないことにした」など、関係性に亀裂が入ったケースも見られました。

その場その場の判断が難しいからこそ、一律で「密閉袋に入れてそっと持ち帰る」という、最もトラブルになりにくい方法を選ぶのが身を守る術です。

もうひとつ、他人の家でトイレを借りたときに絶対に習慣づけたいのが、「個室を出る前に、必ず一度振り返って汚れがついてないか確認すること」です。

ADHD傾向が強い人は「振り返る」のが大の苦手。ひとつ行動が終わった瞬間に意識が「次の行動」に向いてしまうため、汚れがついたとしても気づかずに出てしまうのです。

だからこそ、意識的に動きを止め、振り返ることを強く動機付けましょう。もし汚れていたらトイレットペーパーでサッと拭き取り、流れていなければもう一度水を流す。

これも相手を不快にさせないための「最終防衛ライン」です。

なちゅ。

なちゅ。

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1980年生まれのワーキングマザー。発達障害(ADHD:注意欠如多動症)当事者。中学生と高校生の娘、そして夫も発達障害の特性を強く持つ。長女の発達障害診断をきっかけに、発達障害やそれに関連する分野の独学を開始。以来15年以上、自らの発達障害や子育てについてXを中心に情報発信を行う。仕事でも、障害福祉分野でマネジメント担当をしながら、個人事業主として講師業やスタートアップのサポートに従事。なかでも、自身の経験を活かした発達障害の親子のケアに力を入れている。

本田秀夫

信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長。長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。

精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、1991 年から横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。2011 年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。2023年より長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。発達障害に関する学術論文多数。日本自閉スペクトラム学会理事長、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事。

ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと
なちゅ。 (著), 本田秀夫(医療監修)『ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと』(ダイヤモンド社)

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