さっきまで楽しそうだったのに…「突然キレる子」の中で実はたまっている“コップの水“
さっきまで楽しそうにしていたのに、突然キレて暴れ出す……。そんな子どもの姿に、戸惑ったことはありませんか? 実は、突然怒り出しているように見えても、子どもの中では少しずつ感情が積み重なっていることも。
「突然爆発する子」のメカニズムを、『増補改訂版 マンガでわかる! はじめての療育』よりご紹介します。
※本稿は、藤原里美 (著), おちゃずけ (漫画) 『増補改訂版 マンガでわかる! はじめての療育: 発達障害のある子どもの子育てが楽になる!』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
突然、怒り出す
どうして、突然怒りだすの?
親:うちの子は、さっきまで機嫌よく遊んでいたのに、突然怒りだします。怒り出すとなかなか止まらない。収まったと思ったら、またぶり返すんです。
先生:それは実は、突然怒りだしているわけではないのです。怒りだすまでには、助走のようなプロセスがあります。機嫌がよさそうに見えても、実は楽しい気持ちがコントロールできず興奮して疲れてしまう、つまりイライラはたまっているということになります。
コップに水がたまるように少しずつストレスがたまっていて、最後の一滴が入ると、水があふれだし、怒りだすと気がつくという感じです。助走に気づかないと「急に」という理解になりがちです。
このような子は、ストレスがかかりやすいタイプと考えて、本人が安心できる生活スタイルをとります。具体的には、見通しがもてるようなスケジュール、感覚欲求を満たすような遊び、低刺激な落ちついた環境づくりなどです。
親:コップの水がたまっているかどうか、気づく方法はありますか?
先生:つらい状況が表情や行動に表れにくい子も多いので、見た目だけで判断するのは難しいですね。そこで、その子の「水がたまりやすい状況」を知っておくことをおすすめします。疲れているとき、見通しがもてないとき、急な変更があったとき、人混みや騒がしい場所にいるとき──子どもの傾向がわかれば、「今日はたまりやすい日かもしれない」と、日ごろから予測できるようになります。
まだコップの水量を自分で調整できない子どもに代わって、大人が水を減らす手助けをしてあげましょう。楽しく遊んでいても、疲れる前に引き上げる。にぎやかな場所では静かな場所で休憩をはさむ。お腹がすくとイライラしやすい子なら、軽く食べられるものを持ち歩く。こうしたちょっとした工夫で、あふれる前に水を減らすことができます。
怒りだしてから対応するのではなく、助走段階を察知して、ストレスというコップの水をできるだけためない、または水を抜いておく工夫が必要です。
怒りをコントロールするには
私たちは誰でも「怒り」の感情をもちます。この感情はもってはいけないものではなく、もったうえでマネジメントするものと考えましょう。つまり、「アンガー(怒り)マネジメント(管理する)」ということです。
アンガーマネジメントでは、「怒り」は第二次感情といわれます。怒りの感情に至る前には第一次感情が影響しているのです。第一次感情とは負の感情で、不安や、ストレス、悲しみ、ねたみなどです。
私たちは日常生活の中で、さまざまな場面で負の感情を抱きます。この感情が、コップの水のようにたまります。この水をじょうずに抜いていかないとコップの水はあふれだします。このあふれだした感情が、「怒り」として表現されます。
感覚の過敏さ、ネガティブな思考のクセ、こだわりを強くもつ、シングルフォーカスなどの発達特性をもつ場合、コップの水がたまりやすくなります。この水をためない、また、たまった水を抜くための工夫をしていくことが必要なのです。

藤原里美 (著), おちゃずけ (漫画) 『増補改訂版 マンガでわかる! はじめての療育: 発達障害のある子どもの子育てが楽になる!』(Gakken)
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