東大生100人の親が「あえてやらないこと」 頭のいい子を育てる家庭の共通点

西岡壱誠
2026.05.21 13:55 2026.05.26 21:00

勉強する親子

「教育熱心」「しっかり子どもをマネジメントしている」東大生の親と聞くと、多くの人はそんな姿を想像するかもしれません。しかし、東大生に対して実施した調査から見えてきた親の姿は、そんなイメージとは真逆のものでした。

頭のいい子を育てる家庭が共通して“していない”ことについて、東大生作家の西岡壱誠さんの著書よりご紹介します。
 
 ※本稿は、西岡壱誠 (著) 『怒りすぎたあとからでも始められる子どもの地頭が育つ後悔しない子育て』(総合法令出版)より一部抜粋、編集したものです。

東大生100人の親に共通する“しない習慣”

みなさんに質問です。

東大生の保護者について、どのようなイメージをもっているでしょうか?

―高学歴で、家でも勉強を教えている?
―塾選びから志望校選定、進路相談まで、子どもの教育をマネジメントしている?
―教育本や最新の受験情報をチェックしているような意識の高い親?

多くの人がそういった「教育熱心な親」を思い浮かべるのではないでしょうか。

東大に合格するためには並外れた努力と環境が必要だと思い込んでいる人は、きっと少なくないでしょう。ですが、東大生に対して実施したインタビューや調査では、そんな教育熱心さとは真逆の結果がありました。

子どもの意思決定力の伸ばし方

子ども部屋

学力を伸ばすための秘策や特別な教育があったわけではなく、「子どもに任せる」ことを意識した、肩の力を抜いた関わり方をしている親が多かったのです。

驚いたことに、「うちは、親にほとんどなにもしてもらっていない」と話す東大生も珍しくありません。

進路の選択も学習スケジュールの管理も、基本的には本人に任されていて、親が過度に介入することは、ほとんどありませんでした。自分で考え、決めることが当たり前の生活だったと言います。

東大生の親たちは、「子どもをコントロールする親」ではありません。子どもを子ども扱いせず、一人の人間として対等に扱い、大人に近い視点で日常を共有していたケースが多く見られます。

ある東大生は、「中学受験をする前に、どれくらいの費用が受験で発生するか、親から説明された」と言っていました。どの塾にどれだけのお金が必要か、模試の費用や入試当日の出費まで、受験に必要な資金をきちんと伝えられたそうです。

一般的に、小学生にお金の話をするのは、「まだ早い」「現実的すぎる」「子どもには重すぎる」といった理由で、タブー視されやすいと思います。

無邪気な子どもらしさを守ろうとする親心から、現実を遠ざけてしまうのです。

しかし、東大生たちの家庭では、そうした非常識が“日常”になっていました。

「親の仕事や収入の話を、当たり前のように聞かされていた」
「親戚同士の揉めごとや人間関係を、隠さず話してくれていた」
「泣いていたら、『泣いてもいい。でも、今できることはなに?』と、問われた」

このように東大生は、子どもの頃から大人扱いされて育っています。

家庭のなかに「自分で感じて、考える空気」が自然と生まれていたのです。

鉛筆を手に勉強する男の子

親が最初から教育の一環として、計算づくでそうした関わりをしていたわけではないでしょう。ですが結果的に、子どもは自分の意思で物事を考え、選び、動く力を身につけていったのです。

たとえば

●受験に必要なお金を子どもに伝える
→ 受験は家族全体の投資であり、自分もその一員という当事者意識をもつ

●仕事や給料の話を子どもにする
→ 社会全体の仕組みや「働く意義」、どんな責任や葛藤が大人にはあるのかを知る

●親戚関係の揉めごとや人間関係のもつれを話す
→「正しさ」や「感情」だけでは物事は動かないことを肌感覚として理解する

●泣いているときに、ただ甘やかすことをしない
→ 変わらない結果に落胆するのではなく、これからの行動に視点をきり替える

このような大人すぎる話を日常の会話のなかで受け取り、子どもながらに現実と向き合う力を少しずつ手に入れていったのかもしれません。

子どもを、お客様にしない。
過剰に守るのではなく、現実に触れさせる。

そうした親の姿勢が、子どもの意思決定力や主体性を築いていきます。

もちろん全員がそうであるわけではありませんが、多くの東大生の家庭には、「自分で考え、決めることが当たり前」の文化が、根づいていたように感じます。

それは、厳しく管理された教育でも、過保護なサポートでもありません。

子どもを信じて、一人の人間として接する姿勢が、子どもに「自分のことは自分で決める」「困ったらまずは自分で考えてみる」というスタンスを生ませているのです。

親として、自分の子どもにどう関わるか。

それが、子育てにおいて避けては通れない課題ではないでしょうか。

子育てに、正解はありません。

必要なのは、「子育ての最適解」を探し続けることではなく、自分自身で親としてのあり方を見つめ直すことなのだと思います。

子どもを信頼するとは、放任することでも、無関心でもありません。

目の前の子どもを一人の人間として尊重し、その判断や選択にきちんと向き合うこと。その積み重ねが、子どもにとっての「考える力」「選ぶ力」「生き抜く力」につながっていきます。親ができるのは、決めてあげることではなく、決められる子になるようにサポートすることです。

【Think!】「どう育てるか」ではなく、「どう接するか」を考える

西岡壱誠

西岡壱誠

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東大生作家。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも2浪し、3年目から勉強法を見直して偏差値70、東大模試で全国4位となり東大合格を果たす。東大入学後、『ドラゴン桜2』(講談社)の編集、TBSドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」の脚本監修を担当。2020年には株式会社カルペ・ディエムを設立し、全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施して高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師への指導法のコンサルティングを行っている。

怒りすぎたあとからでも始められる 子どもの地頭が育つ後悔しない子育て

西岡 壱誠 (著) 『怒りすぎたあとからでも始められる子どもの地頭が育つ後悔しない子育て』(総合法令出版)

子どもの個性や可能性、自己肯定感を奪わないために親にできること
もう、怒ったあとに落ち込まない
親子で地頭がよくなる子育ての思考法

「叱らない」「ほったらかす」「褒める」……子育ての正攻法に悩むすべての親へ。
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