クラス全員の前で絵をほめられた小4息子が嫌がった理由…「今の子は繊細」ではない本当の背景

熱海康太
2026.08.30 09:34 2026.09.04 19:00

小学校の授業風景のイメージ

元公立学校教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事を務める熱海康太氏は、「ほめ方の『正解』は一つではなく、その子に合った伝え方を見つけることが大切だ」と語ります。クラス全員の前で絵をほめられた小4の息子が「もう、みんなの前でほめないで」と訴えた日、母親が本人に聞いたこととは。(写真はすべてイメージです)

「もう、みんなの前でほめないで」

小学4年生のゆうき(仮名)は、図工の授業で描いた絵を、担任の先生からクラス全員の前で「みんな、ゆうきさんの絵を見て、この色使いすごいでしょう」と紹介されました。先生に悪気はまったくなく、むしろゆうきの才能を伸ばしたいという純粋な気持ちからの言葉でした。

しかしその日の夕方、ゆうきは母親の沙織さん(仮名)に、思いつめたような顔で「もう、みんなの前でほめないでって、先生に言っておいて」と訴えました。

沙織さんは戸惑いました。ほめられることは、子どもにとって嬉しいことのはずだと、これまで信じて疑わなかったからです。

「ほめられること」が、必ずしも嬉しいとは限らない

人前でほめられることは、子どもにとって喜ばしい経験だという前提は、長らく当たり前のものとして語られてきました。しかし実際には、人前でほめられることに強い居心地の悪さを感じる子どもは、決して少なくありません。

この背景には、いくつかの要因が重なっていると考えられます。かつては「ほめれば伸びる」という考え方が広く浸透し、とにかく人前で大きく取り上げてほめることが良いことだとされてきた時代もありました。

しかし、子ども一人ひとりの気質の違いへの理解が進むにつれ、

熱海康太

熱海康太

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大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。