不登校には「1日10回ほめる」が効く? 子どもが自己肯定感を取り戻す親の関わり方

寝占理絵
2026.05.12 14:07 2026.05.25 11:50

男の子とお母さん

不登校の子どもとの関わりで大切になのが、実は「ほめる」という関わり方です。目安は1日10回以上。多すぎるように感じるかもしれませんが、子どもの自己肯定感を育て、再び動き出すきっかけにつながるといいます。

不登校の子どもの「ほめ方」のポイントを、不登校・引きこもり解消支援アドバイザーの寝占理絵さんの著書よりご紹介します。

※本稿は、寝占理絵(著)『不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本』(日本実業出版社)より一部抜粋、編集したものです。

1日10回以上ほめる

見つめあう親子

スキンシップや言葉で愛情を表現するのと同時進行で、具体的にお子さんをほめてください。1日10回を目標にします。

「そんなにほめたら、子どもはつけあがるんじゃない?」と思われるかもしれません。

通常であれば、たしかにそうです。しかし、「不登校」は通常ではありません。不登校の子どもは、成長の過程でほめられていないことが多いか、ほめ方が間違っていることが多いのです。だから、いまから正しいほめ方でほめるのです。

赤ちゃんは何をしてもほめられますよね。「あー、あー」と声を出したら「おしゃべり上手ね」。泣いていたってほめられます。「元気な泣き声で肺が丈夫になるね」とか言いますよね? 寝返りを打っても「上手! 上手!」。

私も自分の娘をいまから思えばありえないくらい、何をしてもほめていました。

みなさんも、我が子の小さな成長を喜んで、心から、たくさんほめてきたはずです。いつからほめることをしなくなったのでしょうか?

少しずつ大きくなってくると、子どもが他のお子さんと接触する機会も増えてきます。そうなると、つい他の子と比べてしまったり、兄弟と比べてしまったりして、どんどんほめなくなります。

だけど本来、子どもの発達は千差万別。育つ、伸びるタイミングは人それぞれ。子どもも大人も、他の人と比べる必要はまったくありません。できるようになったこと、一生懸命がんばれたことなどをほめればいいのです。

悩む女性

これはお母さん自身にも言えることです。

誰かと比べて自信をなくしてきませんでしたか? でも、そんな必要はありません。あなたは、あなたのままで十分魅了的。

人は大人になっても日々成長しています。自分自身の少しずつの成長を喜びましょう。そして、自分で自分をほめて、励ます言葉をかけてあげてください。

「私、がんばっている。少しずつ成長してる。エライエライ。きっと大丈夫!」

また、早くから子どもを預けていたなど、物理的に一緒に過ごす時間が少なかったとしたら、それだけ子どもをほめる機会を失っていたかもしれません。

忙しい日々のなかで疲れ切って、家に帰ったらぐったり。子どもをほめる余裕どころか、毎日イライラ。子どもと向きあう時間さえありません。

そして、いつの間にかほめなくなるんです。

子どもの脳はお母さんの言葉でつくられます。

子どもはほめたら、ほめたほうに伸びます。

ちょっとの成長を無視したり、がんばったことを無視したり、心無いことを言ってしまったりすると、子どもの脳をよくないほうに変化させます。

反対に、ほめられることで自己肯定感も上がり、親への信頼も持てるようになります。1日10回以上ほめ、「ほめ言葉のシャワー」を浴びせましょう。

今日もほめられなかった……と反省が多いなら、日記に、毎日朝一番に、起きてから寝るまでのほめ言葉を書き出してみましょう。コツは2~3歳の赤ちゃんを思い浮かべ、どんな小さなことでもほめることです。

寝占理絵

NPO法人マザーリンク・ジャパン代表。不登校・引きこもり解消 支援ネットワークMaman代表。青山学院大学卒業。1996年に勤めていた職場で、不登校の子どもと親のためのWebサイトの企画を担当したことをきっかけに、発達心理学を学び、10年以上運営に携わった。その後独立しWeb制作のプロダクションの経営を経て、東日本大震災を機に2011年にNPO法人マザーリンク・ジャパンを設立。2012〜2019年の間の約6年間、陸前高田市の仮設住宅に住みながら、被災地域の子どもの貧困対策、ひとり親家庭支援に取り組み、2016年より不登校・引きこもり解消支援を始める。「3週間で子どもが自ら再登校する」リボンメソッドを考案し、現在は「不登校・引きこもり解消支援アドバイザー」を増や すべく、養成講座を開催し、アドバイザーの支援によって学校に戻った子どもは2000人を超える。

不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本

寝占理絵(著)『不登校が解消できる 親の「働きかけ方」がわかる本』(日本実業出版社)

必要なものはお子さんへの愛情と、ちょっとの考え方の変更だけ!
お母さんが変われば子どもが変わる。
平均3週間で過去200人が再登校した方法を初公開

▪️どうしてお子さんは不登校になったのでしょうか?
お子さんが不登校になると、お母さんは心配ですよね。
いじめ? 先生との相性? と、「原因」=「嫌なこと」探しをしてしまいます。

しかし、嫌なことがあっても不登校になる子とならない子がいます。
その違いは何かというと、「自己肯定感が育っているかどうか」です。
家庭の中で自己肯定感が育っていると、学校で嫌なことがあっても乗り越えられます。
自己肯定感が育っておらず、学校で嫌なことがあると、不登校になってしまいます。

▪️親がしてあげられることはシンプルな環境調整と「愛着」の再形成
「家庭の中で自己肯定感を高める」ために大切なのは親子の「愛着」です。
「愛着」とは幼児期に母親から無条件に愛されることで育つ心理的結びつきのこと。
親子の愛着関係がきちんと形成されていたら、
子どもは周囲の人や自分の力を信じることができます。
しかし、愛着が形成されていないと、信じることができない
=生きるために必要な自己肯定感も育たないのです。

▪️大丈夫、お子さんはまた学校に行けるようになります
愛着の再形成に必要なのは、赤ちゃんに接するようなスキンシップ、
相手を肯定する言動などが基本です。

本書で紹介している「リボンメソッド」では、ハグやほめる言葉がけなどを中心に、
生活習慣の改善やお手伝い習慣の構築、デジタルデトックスなどを組み合わせて
無条件にハグや肯定したり、いいことをした際にほめる
→親子の愛着を再形成する→子どもの心に自己肯定感を育てるというサイクルを回します。

そうすることで、これまで200人以上が平均3週間で再登校しています。

不登校は見守るだけでは解決しないことも多いです。
正しく働きかけて、お子さんを再登校に導くための方法が書かれた1冊です。